2014年6月18日
6月18日に外務省から公示されましたとおり、2013年10月に採択された特許協力条約に基づく規則改正が2014年7月1日から施行され、国際出願に関して、下記1.及び2.の点で変更がありますので、お知らせします。
国際予備審査請求又は国際出願のタイミングにより、異なる運用が適用されますので御注意ください。
1. トップアップ調査(規則66. 1の3)
国際予備審査機関は、2014年7月1日以後に予備審査請求された国際出願について、トップアップ調査を行います。
トップアップ調査とは、国際調査報告を作成した日の後に発行された又は国際予備審査機関が調査のために利用可能となった文献を発見するための調査です。その目的は、国際調査報告作成時において、(1)未公開である文献や(2)データベースへの蓄積が遅れたため調査できない文献を発見して、国際予備審査の質を高めることにあります。
2. 国際調査機関の見解書等の国際公開時の公表
これまで、国際調査機関が作成する見解書は、優先日から30か月が経過するまで公開されませんでしたが、規則44の3が全文削除されることにより、2014年7月1日以後に出願された国際出願については、その国際公開に合わせて、国際調査機関の見解書が、原文の言語でWIPOのウェブサイト(外部サイトへリンク)において公表される予定です。また、同様に、国際調査機関の見解書に対する出願人の非公式コメントも、原文の言語でWIPOのウェブサイト(外部サイトへリンク)において公表される予定です。
なお、特許性に関する国際予備報告(特許協力条約第一章)1とその翻訳文は、従来どおり、優先日から30か月後に利用できます。
1 国際予備審査請求が行われなかった場合に、国際調査機関が作成する見解書と同一の内容で国際事務局が作成する国際予備報告。
(参考1)改正後の特許協力条約に基づく規則
(官報第6313号 外務省告示第二百二号より抜粋)
規則66.1の3 トップアップ調査(新設)
国際予備審査機関は、調査が何ら有益な目的に資さないと考えるものでない限り、国際調査報告を作成した日の後に発行された又は当該国際予備審査機関が調査のために利用可能となった第六十四規則に規定する文献を発見するための調査(以下、「トップアップ調査」という。)を行う。国際予備審査機関が第三十四条(3)若しくは(4)又は66.1(e)に規定するいずれかの事由があると認めた場合には、トップアップ調査は、国際出願のうち国際予備審査の対象となる部分のみについて行う。
(参考2)改正前の特許協力条約に基づく規則
第四十四規則の三 書面による見解、報告、翻訳文及び意見の秘密保持(全文削除)
規則44の3.1 秘密保持
(a) 国際事務局及び国際調査機関は、優先日から三十箇月を経過する前に、いかなる者又は当局に対しても次のものが知得されるようにしてはならない。ただし、出願人の請求による場合又はその承諾を得た場合は、この限りでない。
(ⅰ) 43の2.1の規定により作成する書面による見解、44の2.3(d)の規定により作成する翻訳文又は44の2.4の規定に基づき出願人により送付される当該翻訳文についての書面による意見
(ⅱ) 報告が44の2.1の規定により作成された場合には、その報告、44の2.3(b)の規定により作成するその翻訳文又は44の2.4の規定に基づき出願人により送付される当該翻訳文についての書面による意見
(b) (a)の規定の適用上、「知得されるようにする」とは、手段のいかんを問わず第三者が知ることができることをいい、個別に通報すること及び一般に公開することを含む。
[更新日 2014年6月18日]
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