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特許生物寄託センターの運用変更への対応に関するQ&A

平成16年3月

調整課審査基準室

従来、特許生物寄託センターにおいては、寄託申請書・寄託微生物の受領後直ちに「受託証」を交付する手続を行っていましたが、平成16年4月1日より、受付・審査、受領後に「受領書」を発行し、その後、生存が確認され次第、受領日の日付をもって「受託証」を交付するという運用に変更されます。

この運用変更と審査手続きとの関係を、QA形式で説明をします。

Q1:「受領書」が発行された段階で特許出願をすることはできるか?

A1:特許出願をすることができます。

  • (1)「受領書」が発行された段階で特許出願したい場合は、出願当初の明細書に、微生物に係る発明を十分に開示するとともに、「受領書」に記載された1)受領機関名、2)受領日及び3)受領番号を記載して下さい。
  • (2)「受領書」は、特許法施行規則第27条の2の「特許庁長官が指定する機関にその微生物を寄託したことを証明する書面」ではないので、願書に添付する必要はありません。
  • (3)生存が確認され、「受託証」が交付された後、速やかに「受託証の写し」を提出して下さい。(特許法施行規則様式22の物件提出書を使用することができます。)
  • (4)ただし、生存試験の結果が否定的なために、「受託証」が交付されなかった場合には、受領日における寄託はなかったものとなるので、通常、実施可能要件等を満たさない出願となります。

Q2:「受領書」が発行された段階で特許出願したが、生存結果が否定的であり、「受託証」が交付されなかった。そこで、寄託微生物を再度、寄託センターに提出し、「受託証」が交付されたので、この「受託証の写し」を提出し、明細書中の受領番号をこの「受託証」に記載された受託番号に補正することはできるか?

A2:補正することはできません。

  • (1)「受託証」に記載された受託番号は、出願当初の明細書に記載された受領番号で特定される寄託微生物に対するものではないので、この受託番号に補正することはできません。
  • (2)この場合、そもそも「受託証」に記載された受託日は、特許出願日後の日付となっていますので、出願時において当該寄託はなかったものとして取り扱います。
  • (3)当該寄託微生物に係る発明について特許を取得するためには、再度、寄託申請を行い、新しい「受領書」に基づいて、新たな特許出願をすることが必要です。(受領番号は毎回異なる番号が付されます。)

Q3:「受託証」が交付された後、出願当初の明細書に明示した受領番号を受託番号に補正する必要はあるのか?

A3:補正しなくても審査上の不利益を受けることはありません。

  • (1)受領番号と受託番号は、前者がAP-○○、後者がP-○○のように、先頭の「A」の有無以外は、同一の記号・数字が使用されます。
  • (2)そのため、審査官は提出された「受託証の写し」で寄託微生物の同一性を認識できるため、当該補正をしなくても、審査上の不利益を受けることはありません。
  • (3)受領番号しか明細書に記載していないことのみを理由として、拒絶理由が通知されることはありません。
  • (4)ただし、出願人が受領番号を受託番号に自発的に補正することは、寄託微生物の同一性が失われない限り可能であり、新規事項を追加しない補正として取り扱います。

Q4:安全度レベル2の微生物に係る発明について、適用時期より前になされた出願に基づき、適用時期以降に優先権主張を伴う出願をする場合、又、適用時期より前になされた出願の一部を、適用時期以降に分割出願する場合、寄託する必要はあるのか?

A4:

  • (1)上記適用時期よりも前になされた出願に基づき、適用時期以降に優先権主張を伴う出願をする場合、寄託する必要があります。
  • (2)上記適用時期よりも前になされた出願の一部を、適用時期以降に分割出願する場合は、出願日が遡及するので、寄託する必要はありません。

[更新日 2008年7月14日]

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