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欠陥通報の応答方法

令和8年3月
国際意匠・商標出願室

標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)に基づく国際登録出願に対しWIPO国際事務局から出される、「欠陥通報(NOTICE CONCERNING AN INTERNATIONAL APPLICATION)」について説明します。

1. 欠陥通報とは

国際登録出願は、出願後、本国官庁において本国認証され、本国官庁からWIPO国際事務局に送付されます。WIPO国際事務局は受領した国際登録出願を審査し、標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書に基づく規則11、12、13に該当する不備があると判断した場合は、その旨を出願人/代理人に連絡し、修正を求めます。この連絡が「欠陥通報(NOTICE CONCERNING AN INTERNATIONAL APPLICATION)」です。原則として欠陥通報の発送日から3か月が応答期限として設定され、出願人/代理人からの応答で欠陥が解消されると、国際登録されます。

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2. 欠陥通報の内容

欠陥通報で指摘される不備には以下の4種類があります。1つの国際登録出願につき1つの欠陥通報に全ての不備が記載されます。

  • [1]指定商品役務の分類に関して(Rule 12)
  • [2]指定商品役務の表示に関して(Rule 13)
  • [3]手数料に関して(Rule11)
  • [4]その他(Rule11)(注)

(注)主な「その他の欠陥通報」の内容:標章がラテン文字等以外の文字(漢字・カナ・ひらがな等)を含む場合で標章のラテン文字等への音訳の表記がない[Rule9(4)(a)(xii)]

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3. 指定商品役務に関する欠陥通報の詳細

指定商品役務に関する欠陥は、分類に関するもの(上記2.[1])と表示に関するもの(上記2.[2])の2種類があります。

指定商品役務の分類に関して(Rule 12)※上記2.[1]

国際登録出願は、出願時に有効な国際分類に従って商品役務を記載します。したがって、ある商品役務の類が、国際登録出願の際には基礎出願/登録時の国際分類から改訂され変更されているような場合、当該商品役務は基礎出願/登録と異なる類で記載することになりますが、それ以外の場合は原則として国際登録出願の商品役務は基礎出願/登録と同じ類で記載します。

しかし、特許庁とWIPO国際事務局において国際分類の細かな解釈まで完全に一致しているものではないため、一致しない部分の商品役務にはWIPO国際事務局から分類が適切ではない旨の指摘と、WIPO国際事務局が考える正しい類の提案を含む欠陥通報が発せられることがあります。

留意点

マドリッド議定書3条(2)には「出願人が指定した類は、国際事務局が本国官庁と協力して行う調整に服するものとする。本国官庁と国際事務局との間で意見の相違がある場合には、国際事務局の意見が優先する。」(参考訳)とあり、国際登録出願の分類はWIPO国際事務局の意見が優先する旨の規定があることに留意してください。

なお、ある商品役務について過去にWIPO国際事務局から分類に関する欠陥通報を受領し、類を移動する修正をして国際登録されたことがあり、かつ新たな国際登録出願でも同じ商品役務を記載するときに、分類欠陥を回避するため、新たな国際登録出願の出願の時点で過去の欠陥通報の応答でその商品役務を移動した先の類で記載できます。出願時にその旨を記載した上申書を添付していただきますので、上申書の様式は本国官庁にお問い合わせください。

指定商品役務の表示に関して(Rule 13)※上記2.[2]

WIPO国際事務局が、商品役務の表示が分類上極めて不明確である(too vague)、理解できない(incomprehensible)、語学的に不正確(linguistically incorrect)と判断した場合、表示の修正を指示する欠陥通報が発せられます。例えば特許庁は「…類」(例:鞄類)といった表現を認めていますが、WIPO国際事務局は「… and the like」(例:Bags, and the like)のような表現は「分類上曖昧である」として欠陥の対象とします。「~ing」と「~ed」のいずれが適切かといった点もWIPO国際事務局によって判断されます。

留意点

標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書に基づく規則13(2)(b)には「欠陥の是正のため、国際事務局が受け入れることができる提案が(a)に示す期間内にされなかったときは、国際事務局は、国際登録には国際出願で用いられた用語を含める。(略)国際登録には、国際事務局の意見により、それぞれ場合に応じ、分類上極めて不明確である、理解できない、又は語学的に不正確である旨の表示を含める。」(参考訳)とあり、国際事務局の意見を付記して、商品役務の表記を維持することができます。したがって、応答において、そのように対応して欲しい旨を希望することも考えられます。

応答案の検討方法

欠陥通報において示される、WIPO国際事務局による商品役務の表示の修正案を受け入れることが一案として考えられますが、WIPO国際事務局は基礎出願/登録の商品役務(日本語)は把握しておりませんので、WIPO国際事務局の提案どおりの商品役務の修正を希望しても、基礎出願/登録の範囲を超えることがありますのでご注意ください。

その他にWIPO国際事務局が提供している以下のサイトの活用が考えられます。

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4. 欠陥通報の応答方法

国際登録出願の出願方法と、欠陥通報の内容により、応答方法が異なります。

  • 国際登録出願の出願方法:以下の2種類があります。
    • (1)MM2様式による出願
    • (2)Madrid e-Filingによるオンライン出願
  • 欠陥通報の内容:2.の[1]~[4]に記載した4種類です。

(1)MM2様式による出願であった場合

2.[1][2]の欠陥通報の応答

WIPO国際事務局による欠陥通報発送日から30日以内を目安に本国官庁に意見書を提出してください。本国官庁において応答内容の商品役務が基礎出願/登録の範囲を超えないか確認し、本国官庁からWIPO国際事務局に提出します。

意見書の様式はこちらを参考にしてください(ワード:61KB)(PDF:206KB)。

2.[3][4]の欠陥通報の応答

欠陥通報で指示された方法及び期限に従い、WIPO国際事務局に直接応答してください。WIPO国際事務局への手続については、「WIPOへの問い合わせ・各種様式の提出」も併せてご参照ください。

※ 1通の欠陥通報に2.[1][2]と2.[3][4]が同時に含まれる場合、2.[1][2]は本国官庁に欠陥通報発送日から30日以内に意見書を提出し、2.[3][4]は、欠陥通報で指示された方法及び期限に従い、WIPO国際事務局に直接応答してください。なお、2.[3]の不備が解消された旨を述べる場合(支払った等)、2.[1][2]の応答を記載した意見書にあわせて記載しても構いません。

(2)Madrid e-Filingによるオンライン出願であった場合

2.[1][2]の欠陥通報の応答

WIPO国際事務局による欠陥通報発送日から30日以内を目安にMadrid e-Filingに応答を入力して提出してください。提出いただいた後、本国官庁において応答内容の商品役務が基礎出願/登録の範囲を超えないか確認し、本国官庁からWIPO国際事務局に提出します。

2.[3][4]の欠陥通報の応答

欠陥通報で指定された期限に余裕を持って、Madrid e-Filingに応答を入力し提出してください。本国官庁は応答内容を確認しませんが、Madrid e-Filingの仕様上、本国官庁からWIPO国際事務局に提出します。

※ Madrid e-Filingにおける応答入力の方法については、「Madrid e-Filingユーザーガイド(PDF:5,754KB)」の「5.3 WIPO 国際事務局からの欠陥通報への応答」を参照ください。

※ 1通の欠陥通報に2.[1][2]と2.[3][4]が同時に含まれる場合、欠陥通報発送日から30日以内にMadrid e-Filingに全ての応答を入力し提出してください。

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5. 注意点

1. 指定商品役務の欠陥の応答期間に関する注意

  • 本国官庁への応答の目安である「欠陥通報発送日から30日」は、本国官庁における応答内容の確認(応答内容の商品役務が基礎出願/登録の範囲を超えないか)と、応答内容に不備があった場合の出願人/代理人への連絡・修正に要する時間を考慮して設定しています。できるだけ早く応答してください。
  • WIPO国際事務局は、出願人/代理人からの応答が不備を解消するものではない場合、再度欠陥通報を出します。このとき、応答の締切りは当初と同じまま(初回の欠陥通報発送日から3か月)延長されません。再度の欠陥通報の応答期間を確保するためにも、目安である「欠陥通報発送日から30日」にかかわらず、できるだけ早く応答してください。
  • 単に意見を述べる(修正案を提示しない)のみの応答の場合、WIPOが意見を受け入れなかった場合に応答期間の3か月を有効に活用できない可能性があります。意見を述べたい場合でも、同時に修正案も検討いただき、「WIPOが出願人/代理人の意見を受け入れられない場合はXXへの修正を受け入れる」等と応答に記載するか、再度の欠陥通報を受けた際に速やかにその修正案で応答するよう準備しておく等の対処をご検討ください。
  • 応答期間を確保する観点では、Madrid e-Filingによるオンライン出願のほうが、MM2様式による書面での出願より優位です。また、応答時に用意する文面も、Madrid e-Filingによるオンライン出願の場合は内容のみでよく、MM2様式による書面での出願の場合、応答に出願番号等の書誌事項を記載する必要があるのに比べ簡便です。出願にMadrid e-Filingを利用することをお勧めします。

2. Madrid e-Filingで応答する場合の注意

  • Madrid e-Filing の仕様上、[2]指定商品役務の表示に関する欠陥通報(Rule 13)で、言語的に不正確(linguistically incorrect)との指摘があった場合の応答入力欄が2つ出現することが確認されています。適宜いずれかの入力欄に応答を入力し、もう一方の入力欄には「上記のとおり応答済み」等と英語で記載してください。
  • Madrid e-Filing の仕様上、2度目以後の欠陥通報が発出されると、「出願人/代理人が最新の欠陥通報の応答入力欄が編集可能な状態」に更新されることが確認されています。最新の欠陥通報の応答入力欄に入力して応答してください。前回の欠陥通報の応答を本国官庁に提出済みの場合、その後にタイトルが「[自動送信] 特許庁:商標の国際登録出願(マドプロ出願)の欠陥応答がWIPO国際事務局に提出されました」のメールを受領済みであれば、前回の応答はWIPOに提出されていますが、当該メールを未受領のとき、前回の応答はWIPOに提出されておりませんので、WIPOは前回の応答を確認せずに2度目以後の欠陥通報を出していることを念頭に欠陥の応答を検討してください。

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6. お知らせ

  • 欠陥通報を受領した出願人/代理人は、指定された期間内(通常、WIPO国際事務局による欠陥通報発送日から3か月以内)に欠陥を解消しなければなりません。適切な手続を行わなければ、WIPO国際事務局により国際登録出願は放棄されたものとみなされることがありますので御注意ください。
  • 2021年2月1日以降にWIPO国際事務局が発出した欠陥通報については、従前行っていた本国官庁から代理人又は出願人/代理人に対する、欠陥通報の写し及び応答に用いる様式の郵送を廃止しました。WIPOからの欠陥通報を受領次第、速やかに応答をご準備ください。

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[更新日 2026年3月4日]

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