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Vol.47
広報誌「とっきょ」2021年2月5日発行

自動運転の世界を支える技術開発と知財の戦略!

世界でも最大級の規模を誇る自動車部品メーカーでありながら、自動車の自動運転技術でも、世界の最先端をひた走るデンソー。 そのグローバルな視点で描く、知財戦略を紐解きます。

Company Profile

社内の画像

先進的な自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカー。世界初製品や技術の提供を通じて、産業への社会的貢献度も高い。

[名称] 株式会社デンソー
[住所] 愛知県刈谷市昭和町1-1
[資本金] 1,875億円 [従業員数] 170,932人(連結)
[事業内容] 自動車技術、システム・製品の開発、販売

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ー「自動運転」を実現するには多角的な開発が求められる
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システムやプログラム系の開発のみならず、確かな職人としての技術の裏付けがあるからこそ高品質な部品を安定して提供できる。

自動車部品の製造業界において、世界でも最大級の規模を誇るデンソー。一言で自動車部品といっても、冷暖房の熱機器をはじめ、エンジン機器や電子機器、電気機器など、非常に多岐にわたり製造を手がけるデンソーは、まさに『クルマのデパート』ともいえる稀有な存在です。さらに現在では、自動運転技術の領域においても多数の特許を取得し、業界を牽引し続けています。もはや、単なる部品製造というカテゴリーでは括りきれない活躍をみせるデンソーにおいて、同社の知財に対する意識や、活用方法を伺いました。

「弊社は自動車部品を総合的に扱うデパートのような存在です。これまでの自動車は、乗り物としての性能に大きな改良の余地がありました。単純にエンジンの性能であったり、サスペンションの性能であったりという部分です。
ところが、近年、車に求められる付加価値は変わってきました。特に、画像認識技術・ディープラーニング技術の登場によって、自動運転技術に関する開発が一気に加速しています。
元々、我々は、自動車の部品間のつながりに関する技術には強みがありますし、外部との通信をせずに自律的に判断して運転することができるシステムの開発や、過去に携帯電話事業で培った通信技術(ETC技術)のノウハウを活かして、自動車と通信を結びつけるような技術の開発も行っていることなど、クルマを中心とした技術にも強みがあります。
ただ、近年では、単体の技術開発で性能が飛躍的に高まるようなものが少なくなってきています。また、それに伴って技術の標準化が進みつつあり、標準化された技術のみが生き残っていく。そうなると、ただ単に良いものを作るだけでは生き残りが難しくなります。このことは、電気・通信業界と技術の融合化が進んでいることも背景にあると考えています。
これまでのように、自社が一から開発をしていたのでは、そのジャンルにおける最先端の技術を取り込むことは不可能に近く、他業種との連携が重要という考えに至りました。これは恐らく弊社だけでなく、業界全体にいえることでしょう。」

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