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Vol.51
広報誌「とっきょ」2022年1月28日発行号

特集1

暮らしのなかの知財「ユニ・チャーム株式会社」

特集1:暮らしのなかの知財のイメージ画像
画像提供:高輪今昔物語(該当画像/上から1段目左から2・3・4番目、2段目左から2・4番目、3段目左から2・3・4番目)

家具・家電から、衣料品や衛生用品まで、
私たちの身の回りの製品には、とてもたくさんの知財が隠れています。
今回はそうした「暮らし」と密接に関わる製品および知財にフォーカス。
現代の豊かな暮らしを形作った歴史的な発明をはじめ、
人々の心地よい生活を支えるものづくりに
注力するユニ・チャーム株式会社の取組をご紹介します。

生活に寄り添う製品を知財をヒントに読み解く

第二次世界大戦後から現代にかけて、さまざまな社会的背景のなかで多くのイノベーションが誕生した。そうした発明は、より完成度の高いものを目指しブラッシュアップを重ね、また多様な製品に姿形を変え、今の私たちの豊かな生活を支えている。そこには、実は、イノベーションを支える知財があり、またそうした技術的側面に目を向けると、研究・開発に取り組んだ人々の想いや、たゆまぬ努力の形が見えてくる。

今回の特集では、そうした私たちの暮らしを支え・彩る製品や、そこに隠れた知財に注目。戦後から現代までのイノベーションのうち、特に生活と密接に関係があるものをロードマップにして掲載した。

また、後半では、紙おむつや生理用品などの日用品メーカーである、ユニ・チャーム株式会社の知財担当者へインタビューを実施。「人々の生活における負担からの解放」を目指し、国内外で暮らしに寄り添った商品を展開する同社の取組に迫った。また、80を超える国や地域で海外展開を積極的に推し進める同社ならではの、「知財ミックス」の戦略についても紹介したい。

~私たちの生活を支えてきたのは、いつも知財だった~

暮らしと知財戦後〜現在のロードマップ

戦後復興期 1945年>>1955年頃

背景
  • ●アメリカ主導での戦後復興がなされた。
  • ●朝鮮戦争による特需で、工場の増設、最新の生産技術の導入がなされ日本の供給能力が拡大。
フェライト

1930年(発明)

フェライト

鉄を主成分とする酸化物磁性材料。東京工業大学の博士が発明し、東京電気化学工業(現TDK)が事業化。電気・電子産業の発展に不可欠な部材として、ラジオ、VTRなどに用いられた。

高度経済成長期 1955年頃>>1970年代

背景
  • ● 戦後特需を経て急激な経済発展を遂げた(年平均10%以上の経済成長を達成)。
  • ●「三種の神器」と呼ばれた、白黒テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫が普及。
自動式電気炊飯器

1955年(製品化)

自動式電気炊飯器

東京芝浦電気(現東芝)から発売された電気炊飯器ER-4が日本初。炊事の負担を大幅に軽減したことから、人々の生活様式を一変させて「台所革命」とも呼び得るものとなった。

レトルト食品

1968年(製品化)

レトルト食品

取り扱いが容易な点、短時間で温め可能な点などが支持を得て家庭における代表的な食品(形態)の一角を担う。市販用レトルト食品としては大塚食品の「ボンカレー」が世界初。

安定成長期 1970年代>>1990年代初頭

背景
  • ● オイルショックにより重厚産業は低迷したが、エネルギー消費が少なく付加価値の高い電気製品、半導体が発達。情報処理産業やレジャー産業なども成長。
家庭用ビデオ・カセット

1975年・1976年(製品化)

家庭用ビデオ・カセット

75年にソニーがベータマックス方式の製品を、翌年に日本ビクター(現JVCケンウッド)がVHS方式の製品を発売。両者の激しい規格競争により、日本はVTR生産の中心地となった。

酵素入りコンパクト洗剤

1987年(製品化)

酵素入りコンパクト洗剤

洗剤容器の大型化が進む中、花王は従来の1/4の容量である「アタック」を発売。省資源化や環境問題にも対応した先進的な製品で、酵素入りコンパクト洗剤は世界の主流となった。

現代まで 1990年代>>現代

背景
  • ● バブル崩壊以降、薄型テレビ、DVDなどの録画再生機などデジタル情報家電群が産業として定着。
  • ● ICTを活用した多様なオンラインサービスが登場。
QRコード

1994年(発明)

QRコード®

日本電装(現デンソーウェーブ)が開発。工場の製品管理に使われていたが、オープンコードであったことや、同社が特許権の権利行使をしないと明言したことなどにより、全世界に普及した。

参考:公益社団法人発明協会「戦後日本のイノベーション100選」より(外部サイトへリンク)

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