• 用語解説

ここから本文です。

Vol.53
広報誌「とっきょ」2022年8月1日発行

特集2 株式会社オリィ研究所

ロボットがひらく「幸せ」の未来

人の孤独を解消する
“心の車椅子”を作りたい

知財活動のあるべき姿と
自分のスタイルでバランスを取る

弊社は「OriHime eye+Switch」で初めて特許を取得しました。当初は知財にあまり詳しくないメンバーが窓口になっていましたが、途中で知財への感度が高いメンバーが参画してくれたんです。彼は特許事務所の方々とやり取りしながら「どういう戦略で特許を取りますか」とか「吉藤さん、作ったものをすぐに公開しない方がいいですよ」といった話をしてくれます。こうした変化はとてもありがたい反面難しいところもあって、私は作ったものをすぐに患者さんのところに持っていって試したり、なんならSNSに投稿してみんなの反応を見たりしたい人間なんです。それでたしなめられてしまうこともあるのですが、知財にアンテナを張る係が社内にいるという点は心強いし、今はいいバランスで仕事ができています。

今後はメタバースの時代といわれていますが、私はリアルの世界が駆逐されることはないと考えています。分身ロボットもより進化すればリアルのイベントに参加するためのツールとして、自分らしさが表現されたアバター的に使ってもらえる可能性は十分にあるでしょう。

もう一つ考えているのが、分身ロボットによる介護です。家族であっても、誰かに介護してもらうというのはやっぱり申し訳ないと思うもの。自分の体を自分で介護できるような分身ロボットを作りたいという夢を持っていて、アイデアを重ねているところです。

分身ロボットカフェ DAWN ver.β
同社は、東京・日本橋にて「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」を運営。外出が困難な店員が分身ロボットを遠隔操作しサービスを提供している。
OriHime eye+Switch
ALSなどによって眼や指先しか動かせない人のための意思伝達装置「OriHime eye+Switch」。視線入力やスイッチ入力によって文字入力や合成音声でのスピーチが可能。
OriHime
家庭用の「OriHime」。スマホ・タブレットを操作することで、会話をしながら「OriHime」の顔や腕を動かすことができる。
ページTOPへ

BACK NUMBER
広報誌「とっきょ」バックナンバー