• 用語解説

ここから本文です。

Vol.61
広報誌「とっきょ」2024年7月30日発行

特集2 東海大学付属相模高等学校中等部3年 嘉手納 杏果さん

数々の特許取得を支えた
「人の役に立ちたい」想いと周囲の理解やサポート

東海大学付属相模高等学校中等部3年 嘉手納 杏果さん

小学校時代から、数々の発明で特許を取得し、さまざまな賞を受賞している嘉手納かでな杏果ももかさん。その原動力となる想いと、彼女を支えて成長を手伝う周囲のさまざまなサポートをたどる。

自分の発明が世に出て人の役に立つ光景に感動

幼稚園の頃から工作が大好きで、小学3年生の時に磁石を利用して作った「絡まないハンガー」で、最初に特許を取りました。中学生になるとニュース番組を見る習慣もつき、世の中にはどういう困りごとがあるのか、そこで自分が役に立てることはないか、と考えるようになりました。コロナ禍で特許を取った「テリッパ」は、マスクをマグネットクリップで服やバッグに留めて、置き場所に困らないようにするもので、地元のサッカークラブのSC相模原さんに商品化していただきました。自分の発明がスタジアムのグッズ売り場に並び、お客さんが手にとる様子を見て感動したのを覚えています。誰かに喜んでもらうのが一番のエネルギーである私にとって、特許取得は国に認めてもらうことであり、周囲の人たちへの恩返しでもあるので、励みになります。

直近で特許を取ったのは、浅瀬に生息するアマモという海草の育成の研究です。アマモは、魚や海の生き物の産卵場として生態系を豊かにする「海のゆりかご」で、大気や海中のCO2を吸収する貴重な存在。ただし養殖が難しいうえに、環境破壊で数を減らしているので、何かできないかと調べ始めました。最初は全然答えが見えませんでしたが、アマモの種につける発芽水を15種類試したり、適切な水温を探して実験を繰り返したり試行錯誤を続けて、自然環境では冬限定で1~3%しか発芽しないアマモを夏でも最短6日で88%の確率で発芽させられる条件に1年以上かけてたどり着くことができました。ただ、実際に海のアマモが増えてはじめて自分の発明が役に立ったといえるので、まだ完結したとは考えず、研究の質をさらに高めていきたいと思っています。(嘉手納杏果さん)

スタジアムでのプレゼンの様子
テリッパはSC相模原とのコラボで商品化。杏果さんがスタジアムで製品をプレゼンした
ページTOPへ

BACK NUMBER
広報誌「とっきょ」バックナンバー