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特集2 東海大学付属相模高等学校中等部3年 嘉手納 杏果さん
「絡まないハンガー」の新しい発想に感心し、いろいろな特許事務所に相談に行ったところ、幸運にも熱心に話を聞いてくれる女性の弁理士さんと出会い、2020年3月に特許を取得することができました。杏果は成長とともに、「家族だけでなくいろいろな人の役に立ちたい」と口にするようになって、それが最近の発明のテーマにも反映されているように思います。「テリッパ」は、地元の役に立ってほしいと相模原市役所さんに1000個寄贈したところ、子ども食堂などの施設で無料配布してもらえました。その様子が報道されて、テリッパを製造してくれた株式会社三洋さんを通じてSC相模原さんから打診があったというのが、商品化の経緯です。「花粉対策用不織布ロールスクリーン」の発明では、北里環境科学センターさんが微粒子の吸着性能確認に協力してくれたデータを、世界青少年発明工夫展の資料や審査に活用しました。実験室などの施設を見学したことは、杏果にとって知的刺激に満ちた体験だったようです。またアマモの育成の研究では、「海をつくる会」という横浜の市民団体や、大学の先生方の指導を仰ぐことができました。発明をきっかけに、優れた専門家と出会い、商品を使ってもらって社会とのつながりを深めることで、当人がその都度成長している様子を頼もしく見守っています。(嘉手納杏果さんのお母様)
写真提供:嘉手納杏果さん