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Vol.63
広報誌「とっきょ」2024年12月17日発行

特集2 合同会社シーベジタブル

特許技術で海藻を陸上栽培、海面栽培は漁業者との協業による展開を見据える
「海藻」の力で海の生態系回復や食文化創造を目指す

海藻事業のスケール化にも知財が効果を発揮する

今後は陸上栽培で新しい品種の展開を予定しています。海面栽培も技術の進化によって、ヒジキやコンブなど海外市場からも注目される海藻の量産体制が整ったので、軌道に乗せたいですね。食文化の取組でも楽しみな動きが次々に出てきています。2024年9月から10月にかけて、大手百貨店のデパ地下や食品コーナーで「EAT&MEET SEA VEGETABLE」というフェアを実施し、120以上の店舗で「海藻スイーツ」など当社の海藻を使った魅力的な商品を創作してもらいました。海藻食で新しい世界観を提示するレストランも準備を整えています。

「海を豊かにする」という理念実現のため、事業をスケール化していく「仲間づくり」にも、知財は有効です。大手企業とのコラボにおいては、特許取得という事実が当社の取組に説得力を与えてくれます。また海面栽培では、漁業権を持つ地域の漁師の方々との連携が不可欠ですが、将来的には「当社は種苗とノウハウのライセンス提供に専念し、全国の漁業者が実践する」かたちでの規模拡大も構想しています。

海を豊かにし、各地で漁業の活性化や、新たな産業と雇用の発生につながる。そして多くの人がヘルシーでおいしい海藻食を享受できる。海藻事業は、自然環境とビジネスの二つのエコシステム(生態系)を育て、誰もが幸せになれる稀有な分野だと思います。

海藻の海面栽培
全国各地の漁業者と連携して行っている海藻の海面栽培。磯焼けに悩む日本の海の生態系の回復も期待される
石坂秀威シェフ(左)
ミシュラン二つ星レストラン「INUA」で活躍した石坂秀威シェフ(左)を中心に、海藻料理の研究を進める
シーベジタブルが目指す「自然」と「ビジネス」の2つの生態系(エコシステム)の充実
シーベジタブルが目指す「自然」と「ビジネス」の2つの生態系(エコシステム)の充実

画像提供:合同会社シーベジタブル

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