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サンフランシスコ会合(第19回三極特許庁会合2001年11月5日-9日)結果概要

平成13年12月

1.開催日・場所

  • 平成13年11月5日(月曜日)-9日(金曜日)
  • アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ

2.参加者

  • 日本国特許庁 及川耕造長官、大森陽一特許技監 ほか
  • 米国特許商標庁 ニコラス・ゴディチ長官代行、ロバート・ストール対外担当部長 ほか
  • 欧州特許庁 インゴ・コバー長官、ジャック・ミシェル副長官(DG1) ほか
  • オブザーバーとして、世界知的所有権機関 ブラッド・ヒューザー顧問 ほか

3.三極特許庁会合とは

三極特許庁会合は、日本特許庁、米国特許商標庁及び欧州特許庁の各特許庁が、三庁に共通する課題を協力して解決することを目的として、1983年から毎年開催しているもので、このたび第19回目をむかえた。

4.今次会合の結果

三極特許庁は、従来より、サーチ・審査実務の相互理解、電子出願、三極ネットワーク、データ交換、分類ハーモ、非特許文献、情報普及といった分野で三庁共通の課題解決に協力して取り組んでおり、今回も後述するように各プロジェクトにおいて成果を得ることができた。
一方、近年では、国内・域内出願およびPCTによる国際出願の増加に起因するワークロード増が三極特許庁に共通した深刻かつ重要な課題となっていることから、今次会合では、ワークロード問題に対して三極特許庁が、今後どのように取り組んでいくかについても焦点があてられ、ワークロードの削減を念頭において上述の継続中のプロジェクトの方向性を見直すことが提案された。

2つのワーキンググループの設置

三極特許庁は、2つのワーキンググループを設置してワークロード問題に対処していくことで合意した。

(1)中長期でワークロード問題を戦略的に取り扱うワーキンググループ

このワーキンググループでは、ワークロードの削減を図るべく、ユーザーニーズを把握しつつ戦略的に、中長期の活動のレビューを行う。

(2)テクニカルイシューを扱うワーキンググループ

機械化等の技術的手段によってワークロード問題に対処する。また、このワーキンググループはPCT EISR(拡張国際調査報告)や情報の電子化により必要となったPCTミニマムドキュメントの見直し等、PCTリフォームに関連する問題も扱う。

主なプロジェクトの概要

"リーチ・スルー"クレームの特許性に関する比較研究

三極特許庁は、"リーチ・スルー"クレームの特許性に関する比較研究報告書を採択した。仮想事例を用いた本比較研究により、"リーチ・スルー"クレームの有用性、記載要件等の判断が三庁で一致することが確認された。また、本報告書をユーザー・コミュニティへの情報提供の観点から三極ウェブサイト上で公表することが合意された。

ビジネス方法関連発明の共同サーチ

三極特許庁は、ビジネス方法関連発明の共同サーチ報告書を採択した。20件のPCT出願を用いた本共同サーチにより、ビジネス方法関連分野の各庁のサーチ能力は基本的に満足できるものであることが確認された。また、この分野におけるサーチの質の更なる向上のため、特許文献、非特許文献のサーチに関する情報交換を行っていくこと及び本報告書を公表することが合意された。

電子出願

三極特許庁は、PCT実施細則付属書F(PCT電子出願技術標準)の変更管理手順案について合意した。これは、三極案としてWIPOへ提案される。この変更管理は、電子出願システムのハーモナイゼーションを今後とも維持し続けること、特許庁と出願人との間の全てのコミュニケーションに関する標準を推奨することを目的としている。

三極ネットワーク

三極ネットワークのセキュリティポリシー及び三極ネットワークへ三極以外の庁が参加する場合の詳細手順について合意された。

遺伝子配列関連出願データの取り扱い

一つの出願に長大な遺伝子配列情報が含まれる遺伝子配列関連出願の優先権書類について、三極特許庁は、遺伝子配列関連出願に関する優先権書類交換の取扱を検討すること、及び、配列データの格納に向けた単一のデータベース作成の可能性を模索することで合意した。また、三庁は今後これらの情報を普及する方策についても検討する。

分類調和

三極特許庁は、ワークロードの増加に対処する方法のひとつとして、三極共通の分類の策定に向けた作業を行うことが合意された。三庁は、今後、技術進歩が早い技術分野を中心に、再分類プロジェクトを協力して行い、共通の分類作成に向けて取り組んでいく。

非特許文献

三極特許庁は、電子化された防護的公表にかかる文献の検索や提示に関して望まれる事項を協同してリストアップすること、また、非特許文献データベースに掲載されているデータを共有するための努力を始めることで合意した。

データ交換

三極特許庁のワークロード軽減のためにサーチ結果交換は重要であるとの認識のもと、サーチ結果交換についてのワーキンググループを設置し、国内サーチ結果およびPCTの各庁作成レポートに関するデータ交換を検討していくことが合意された。

データ交換ポリシー

三極間のデータ交換の指針となるデータ交換ポリシーが改訂され、より明確化された。この三極データ交換ポリシーは、現在WIPOで検討中であるデータ交換ガイドラインの参考に供せられる。

[更新日 2002年1月4日]

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