ホーム> 資料・統計> 刊行物・報告書> 出願動向調査等報告書> 特許出願技術動向調査> 令和4年度分野別特許出願技術動向調査結果
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令和5年4月
特許庁総務部企画調査課
特許庁は、市場創出・拡大が見込まれる五つの最先端技術テーマについて、特許情報等に基づいて日本の強み・課題等を分析し、報告書を取りまとめました。
調査の結果、
が示唆されました。
特許情報は、企業や大学等における研究開発の成果に係る最新の技術情報及び権利情報です。ある技術分野における発明件数(※1)を国籍・地域別又は出願人別に分析することで、各国・各地域又は出願人が注力している技術を推し量ることができます。また、出願人自身にとって価値の高い重要な発明は複数の国・地域へ出願されると考えられるため、国際展開発明件数(※2)に注目することで、発明の価値や国際的な影響力を考慮した分析が行えます。
このページでは、各テーマにおける国際展開発明件数に関する特許出願動向から、日本の強み・課題を分析した結果を紹介します。
※1:いずれかの国・地域に出願された発明の数。ある発明を一つの国・地域のみへ出願した場合も、複数の国・地域へ出願した場合も1件と数える。複数の国・地域へ出願した場合の出願のまとまりは、「Patent Family」とも称される。
※2:「発明件数」のうち、複数の国・地域へ出願された発明、EPOへ出願された発明又はPCT出願された数。「International Patent Family (IPF)」とも称される。
2016年から2020年までの国際展開発明の合計件数については、首位の日本国籍出願人による合計件数は2,561件であり、2位の米国籍出願人による合計件数は2,329件でした(図1)。同期間の国際展開発明件数出願人ランキングでは、上位20者中7者が日本国籍出願人であり(表1)、日本が強みを有することが示唆されました。
図1 国際展開発明件数年次推移及び比率(出願年(優先権主張年):2016-2020年)
表1 国際展開発明件数出願人ランキング
2012年から2020年までの国際展開発明件数の合計件数については、首位の日本国籍出願人による合計件数は1,386件であり、2位の米国籍出願人による合計件数は1,252件でした(図2)。年次推移においても、近年、日本国籍出願人が国際展開発明件数を伸ばし(2017年以降は200~250件程度)、米国籍出願人(2017年以降は100~200件程度)を抜き首位に立ちました。同期間の国際展開発明件数出願人ランキングでは、上位20者中10者が日本国籍出願人であり(表2)、日本が強みを有することが示唆されました。
図2 国際展開発明件数年次推移及び比率(出願年(優先権主張年):2012-2020年)
表2 国際展開発明件数出願人ランキング
2012年から2020年までの国際展開発明件数の合計件数については、水素製造の分野では、首位の欧州籍出願人による合計件数は1,348件であり、2位の日本国籍出願人による合計件数は875件でした(図3)。
以下、同様に比較すると、アンモニア製造の分野では、首位の欧州籍出願人による合計件数は205件であり、2位の日本国籍出願人による合計件数は85件でした(図4)。
水素及びアンモニアの貯蔵・輸送・供給の分野では、首位の欧州籍出願人による合計件数は680件であり、2位の日本国籍出願人による合計件数は530件、3位の米国籍出願人による合計件数は215件でした(図5)。
水素の燃焼利用の分野では、首位の欧州籍出願人による合計件数は216件であり、2位の日本国籍出願人による合計件数は133件でした(図6)。
燃料電池の分野では、首位の日本国籍出願人による合計件数は4,097件であり、2位の欧州籍出願人による合計件数は3,019件でした(図7)。
以上のように、本テーマにおける多くの分野で日本国籍出願人が上位に入りました。
図3 「水素製造」における国際展開発明件数年次推移及び比率(出願年(優先権主張年):2012-2020年)
図4 「アンモニア製造」における国際展開発明件数年次推移及び比率(出願年(優先権主張年):2012-2020年)
図5 「貯蔵・輸送・供給」における国際展開発明件数年次推移及び比率(出願年(優先権主張年):2012-2020年)
図6 「水素燃焼」における国際展開発明件数年次推移及び比率(出願年(優先権主張年):2012-2020年)
図7 「燃料電池」における国際展開発明件数年次推移及び比率(出願年(優先権主張年):2012-2020年)
2016年から2020年までの国際展開発明件数の合計件数については、首位の米国籍出願人による合計件数は2,414件、2位の欧州籍出願人による合計件数は959件、3位の日本国籍出願人による合計件数は904件でした(図8)。こうした中、同期間の国際展開発明件数出願人ランキングでは、2位に日本の大学が入る等、複数の日本国籍出願人の活躍がうかがわれました(表3)。
図8 国際展開発明件数年次推移及び比率(出願年(優先権主張年):2016-2020年)
表3 国際展開発明件数出願人ランキング
2000年から2020年までの国際展開発明件数の合計件数については、首位の米国籍出願人による合計件数は5,160件、2位の韓国籍出願人による合計件数は2,822件、3位の日本国籍出願人による合計件数は1,923件でした(図9)。同期間の国際展開発明件数出願人ランキングでは、首位の米国籍出願人(2,969件)、2位の韓国籍出願人(1,790件)が突出していますが、上位20者中6者が日本国籍出願人であり、多くの日本国籍出願人の活躍がうかがわれました(表4)。
図9 国際展開発明件数年次推移及び比率(出願年(優先権主張年):2000-2020年)
表4 国際展開発明件数出願人ランキング
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[更新日 2023年4月27日]
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