• 用語解説

ここから本文です。

模倣品被害に遭わないために

ここでは模倣品被害を事前に回避するための方策や、仮に模倣品被害に遭ったとしてもその被害を最小限に抑えることでより大きな模倣品被害に遭うことを回避するための主な方策を説明します。

  1. 知的財産権を事前に確保する
  2. 情報管理を徹底する
  3. 模倣品との区別を付けるための工夫
  4. (仮に被害に遭っても・・・)模倣品に対しては断固たる措置をとる
  5. (仮に被害に遭っても・・・)被害を最小限に抑えるための工夫

1. 知的財産権を事前に確保する

模倣品・海賊版に対して法的な対策を考える上で、その正規品に関しては自らの知的財産権が確保できていることが大前提です。自らの知的財産権が確保できていないと、模倣品・海賊版対策のための基礎は万全とは言えません。自社製品に複数の知的財産権が利用されていて、その知的財産権をきちんと確保できているなら、その権利の数に応じて、模倣品・海賊版対策の選択肢も様々なバリエーションが生じ、有利となります。たとえば、ある製品に自らが権利を持つ特許権、商標権、著作権、育成者権等が利用されていれば、模倣品・海賊版対策として、それぞれの権利に基づき多重的に対策を考えることができ、安全性が高まります。

2. 情報管理を徹底する

製品開発段階での情報管理を徹底する

模倣品・海賊版は、正規品が市場に投入されてからまもなく出まわるようになり、そのあまりのスピードに驚かされることがあります。そのような場合には、正規品の開発段階や製造段階での情報管理・秘密管理・発注管理、外注先・業務委託先の選定や管理、または正規な販売に先立っての見本品やサンプルの配布に問題があったことが疑われます。

  • 新製品に関する未公開情報の開示は最低限とする
  • 信頼できる取引先を見極め、管理をきちんとする
  • 情報に接することのある取引先とは秘密保持契約などの契約上の手当てをきちんとしておく

以上の点を心がけて意図せざる技術・ノウハウの流出の防止を徹底しましょう。また、製品の製造を委託した先が、正規品として製造するほかに、正規ルートに流さない横流し品を製造していたという例も過去に報告されています。

製品の製造・販売の立ち上がりを早くする

正規品が市場に投入されてから後追いで模倣品・海賊版が出まわるケースでは、自社製品の製品製造、販売の立ち上がりを早くし、模倣品製造が立ち上がるまえに市場の需要を確保してしまうことが対策となりますが、そのためには、正規品が市場に投入されるまでの情報の非開示が鍵となります。

なお、正規品が市場に投入されてからも、新製品の主要な部分を購入者であっても解析できないようにブラックボックス化し、ブラックボックス化された部分の情報を徹底的に秘密にできるのであれば、これも有効な模倣品・海賊版対策となります。

3. 模倣品との区別を付けるための工夫

模倣品・海賊版は、コストを抑えて製造していたり、技術力が不足したまま製造していたりするので、正規品とは見分けがつきやすいこともよくあります。しかし、最近は模倣品・海賊版が一見して判別できない例も見られるようになってきました。そこで、真正品と模倣品・海賊版との区別を付けるための工夫をあらかじめ仕組んでおくことによって、模倣品・海賊版の発生や流通を抑える方法も検討に値します。

製品管理ナンバーを付ける

たとえば、真正品やそこに付けられるタグ・値札などに、社外には公表しない一定のルールに基づいて、製品の種別、利用されている権利の種類、素材、価格、製造地情報などの番号を付することとし、そのルールを知らない者が模倣品・海賊版を作った場合には、番号がおかしいことから模倣品・海賊版であることが判定できるようにしておけば、その模倣品・海賊版を輸入差止申立制度によって税関で差止めてもらうことも可能となります。

正規品識別マークを付ける

また、真正品のパッケージや包装に、正規品識別マークをホログラムシールなどで付けることにすれば、カラーコピーを利用したような偽造の正規品識別マークとは一見して判別可能となります。

4. (仮に被害に遭っても・・・)模倣品に対しては断固たる措置をとる

模倣品・海賊版対策を徹底的に行い、裁判を起こすなどの法的措置までとることとした場合、相当な費用や手間、時間がかかりますが、一方で回収可能な損害賠償額は必ずしも高額とは限らず、その案件単独で見るならば、模倣品・海賊版対策を徹底して実践するよりは、早期に法的措置を断念するほうが経済的合理性にかなっているように思われることもあります。しかし、それでも模倣品・海賊版対策を徹底して実践することを継続していくことで、模倣品・海賊版を作った場合には断固たる措置を取る会社であるという評判を業界や市場で確立できれば、模倣品や海賊版の作成者は、その会社の製品の模倣品・海賊版を作ることは割に合わないと考えるようになり、その会社にとっての将来の模倣品・海賊版に対する抑止力として働くようになります。これは、長期的には、強力な模倣品・海賊版対策となります。他方、安易な妥協を繰り返していくと、模倣品や海賊版の出現は、その会社の製品の模倣品・海賊版に集中する現象がみられるようになってしまいます。模倣品・海賊版対策は、ある程度の長期的展望にたって、模倣品・海賊版対策のコストも、あらかじめ見込んでおくことが望まれます。

5. (仮に被害に遭っても・・・)被害を最小限に抑えるための工夫

被害を最小限に抑えるために、知的財産権を事前に幅広く確保しておくことが重要であることは、「1.知的財産権を事前に確保する」で指摘しました。そこでは、我が国における権利取得を想定していますが、これを海外との関係でいえば、

  1. 自社が知的財産権を取得していない国には、その知的財産権が利用されている自社製品を流通させないようにする
  2. 我が国のみでなく外国においても知的財産権を取得しておく

ということが大切になります。

我が国での知的財産権を確保しておけば、税関での輸入差止申立制度や裁判所による輸入差止めなどの方法で、模倣品・海賊版が我が国へ流入することを水際で食い止めることはできます。ただし、水際での対策も万全とは限らず、また、模倣品・海賊版の海外での発生に対しては打つ手がない状態となってしまいます。そこで、模倣品・海賊版の製造地となる外国においても知的財産権を取得しておくこと、その国で模倣品・海賊版の発生や製造を早期に発見するための手立てを講じておくこと、模倣品製造元を特定して、早期に製造を止めさせるといった対策が望まれます。具体的な対策は、国・地域別の模倣対策マニュアルを参照してください。

ただ、一方では、さまざまな権利に関して諸外国においても権利取得を図ることとすると、そのためには登録費用をはじめ相当なコストが発生することも考慮に入れておかねばなりません。対策の大きな方針を決定するにあたっては、メリットとデメリットの慎重な比較考量が必要と考えられます。

[更新日 2020年7月6日]

お問い合わせ

政府模倣品・海賊版対策総合窓口(特許庁国際協力課 模倣品対策室)

TEL:03-3581-1101 内線2575
(9時30分~12時00分、13時00分~17時00分)
※土曜日、日曜日、祝日を除く

FAX:03-3581-0762

<ご相談・お問合せ入力フォーム>
お問い合わせフォーム

<情報提供・ご意見・ご要望フォーム>
お問い合わせフォーム