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2025年10月
特許庁 審査第四部 審査調査室
近年、深層学習(ディープラーニング)を中心に、AI(Artificial Intelligence;人工知能)関連の技術がめざましい発展をみせており、AI関連の特許出願も技術分野をまたがって増加しています。また、AI研究者がノーベル物理学賞及び化学賞を受賞するなど、AIが人類の発展に与える影響への注目も集まっています。特に、2022年以降は、生成AIに関する技術やサービスが急速に発展しており、企業・教育・医療・行政など多様な分野で生成AIの導入が進み、社会に大きな変革を与えています。今後もAI関連の技術開発や特許出願が多数見込まれるところ、国内外におけるAI関連の出願の現況を明らかにするための調査を実施し、2019年7月より調査結果を報告しています。
このたび、2023年までの出願データをもとに調査結果を更新しましたので以下のとおり報告いたします。
AI技術そのものに特徴がある発明(AIコア発明(※))に加え、AIを各技術分野に適用したAI適用発明を「AI関連発明」と定義し、本調査の対象としました。
※AIコア発明:FIとして、G06N(「特定の計算モデルに基づく計算装置」。ただし、G06N10(量子コンピューティング)を除いています。)が付与されている特許出願。
図1 AI関連発明の国内出願件数の推移
2022年から2023年には、ビジネスに適合した情報通信技術(G06Q)が付与された特許出願件数の増加が顕著に見られました。この傾向は、生成AIに関連する技術やサービスの急速な発展に起因すると考えられます。
※主分類とは、その発明を最も適切に表現する特許分類を指します。
図2 AI関連発明の主分類内訳の推移

図3 深層学習技術に言及するAI関連発明の出願件数の推移
※「トランスフォーマ」は2017年に論文発表された技術であるため、2017年以前の出願件数データはノイズの可能性が高い。

図4 AIコア発明の各国・地域への特許出願件数の推移
(各国2014年と2023年の出願件数を表記)

図5 日米欧中韓のAIコア発明の出願件数収支図
(出願年:2014年-2023年)
[更新日 2025年10月31日]
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