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令和3年1月20日
特許庁調整課審査基準室
特許庁は、AI関連発明について、より効率的かつ高品質な審査を行う環境を整備するために、各審査部門の担当技術分野を超えて連携するAI審査支援チームを発足させ、最新のAI関連技術に関する知見や審査事例の蓄積・共有及び関連する特許審査施策の検討等を行っています。
更新情報(令和6年3月28日)
・AIアドバイザーの新設について
更新情報(令和5年9月21日)
・AI審査支援チームの体制強化について
近年、深層学習を中心に、AI関連技術がめざましく発展しており、AI関連技術に関する発明(以下、「AI関連発明」)の特許出願は様々な分野で増加しています。
これを受けて、特許庁では、AI関連技術に関する審査事例の追加・公表や、その審査事例に基づく日米欧中韓の五大特許庁実務者によるシンポジウムの開催等を通じて、国内外におけるAI関連発明の審査の透明性や予見性の向上等に向けた取組を推進してきました。
AI関連技術は代表的な融合技術であり、AIに関する技術水準の把握のみならず、様々な技術分野におけるAIの応用状況などを的確に把握する必要があることから、各審査部門が担当する技術分野を超えて連携することの重要性が増しています。
そこで、特許庁は、AI関連発明の効率的かつ高品質な審査を実現するために、以下の通り審査環境を整備することとしました。
「知的財産推進計画2023」で指摘されているように、OpenAI社のChatGPT等の万人が容易に利用可能な AIの出現によって、今後はこれまで以上に幅広い分野で創作過程にAIが利活用されることが見込まれます。このため、これまでAI技術の活用が見られなかった分野等も含め、AI関連発明の審査をサポートできるような審査体制を整備する必要があります。
そこで、2023年10月1日付けで、AI担当官を10名程度から40名程度に増員します。従前、AI担当官をAI技術の活用が多くみられる審査室に配置していたところ、全ての審査室に1名ずつ配置することで、AI審査支援チームの体制強化を行います。これにより、AI審査支援チームは、これまでAI技術の活用がみられなかった分野においてもAI関連発明の審査を適切にサポートします。
また、AI担当官が相談に対応して蓄積された知見は、AI審査支援チームにおいて共有・整理を行い、有用なものについてはAI関連発明の審査事例として公表する体制を整えます。審査事例により、出願人等にAI関連発明の特許審査の運用を分かりやすく示すとともに、審査官が参考とすることで審査の迅速性・質を確保します。
AI審査支援チームの体制を強化します(経済産業省のページへ)
なお、今回の体制整備にあわせて、関連する業務の一元的対応を図るべく、2023年9月30日付けでIoT審査チームは廃止し、IoT審査チームが担当していたIoT関連発明の適切な審査のための業務の一部はAI審査支援チームが引き継ぎます。
技術の進展がめざましく、様々な分野で出願が増加しているAI関連発明については、最新の技術水準や技術動向等を適切に把握した上で、審査を行うことが重要です。
今般、令和6年4月1日付けで、体制強化後のAI担当官をはじめとした審査官に、AI関連技術の専門的知見に基づくサポート(技術的な研修及び質問対応等)を行う外部有識者として、「AIアドバイザー」を新設します。
これにより、技術の進展が速いAI関連発明に適切に対応していきます。
相澤 彰子 | 国立情報学研究所(NII) 副所長/教授 |
原田 達也 | 東京大学 先端科学技術研究センター 教授 |
船津 公人 | 奈良先端科学技術大学院大学 データ駆動型サイエンス創造センター センター長/特任教授 東京大学 名誉教授 |
[更新日 2024年7月5日]
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特許庁調整課審査基準室 電話:03-3581-1101 内線3112 FAX:03-3580-8122 |