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令和4年民事訴訟法改正に伴う審判手続における対応・留意点について

令和8年5月
特許庁審判部

特許庁における審判では、準司法的な機関として、裁判類似の公正さが要求されるため、特許法等において民事訴訟法の規定を準用することで、また、特許法施行規則等において民事訴訟規則に対応した規定を設けることで、民事訴訟の手続に類似した手続での審理が行われています(異議申立て、判定及び再審も同様)。

令和4年民事訴訟法の改正を受け、特許庁の審判制度では以下の(1)~(4)が改定されました。本改定は、令和8年5月21日から施行され、施行日の時点で特許庁に係属する全ての事件が対象となります。関係省令については、「特許法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年4月30日経済産業省令第43号)」をご参照ください。以下では、(1)~(4)の改定内容について特許を中心に説明しますが、実用新案、意匠、商標も同様です。

(1)電磁的記録に記録された情報の内容に係る証拠調べの整備

証拠として、電子化された文書、動画データ、音声データ等を電磁的記録としても提出可能になります。しかし、提出方法はCD-R又はDVD-Rに記録して提出する方法に限られ、取り調べる方法も、従来の文書や準文書と大きく変わりません。そのため、電子化された文書、動画データ、音声データ等は従来どおり、提出していただいて構いません。すなわち、例えば、電子化された文書(例:特許公報、論文、雑誌、パンフレット、Webページ、メール、画像)は、電子特殊申請やDVD-R等によって文書として、動画や音声は準文書として、引き続き提出いただいて構いません。詳細は、「電磁的記録に記録された情報の内容に係る証拠調べについて」を参照ください。(特許法施行規則第50条、第61条の12~第61条の14)

(2)ウェブ会議等の拡充

  • 証人尋問や鑑定人の陳述をウェブ会議を用いて行う際、当事者、参加人、証人や鑑定人の出頭場所の範囲が拡充するとともに、ウェブ会議を用いて行う口頭審理と同様の省令要件の確認が必要になります。(特許法施行規則第58条の16、第60条の4の5)
  • ウェブ会議を用いて検証を行えることを整備しました。(特許法施行規則第62条の3)
  • 通訳人がウェブ会議を用いて口頭審理や証拠調べに参加できることを整備しました。このとき、ウェブ会議を用いることに困難な事情があるときは、電話会議を用いて参加できます。(特許法第146条)

(3)調書に関する手続の改定

  • 口頭審理や証拠調べにおける調書の内容に当事者その他の関係人が異議を述べたときは、審判書記官は、調書に異議が述べられた旨及びその内容を記載することとなりました。(特許法施行規則第55条第4項、第57条の5第2項)
  • 口頭審理や証拠調べにおける調書の内容に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、審判書記官は、申立てにより又は職権で、いつでも更正することができるようになりました。その際、更正処分の内容を記載した調書を作成しなければなりません。(特許法施行規則第56条の2、第57条の8)
  • 口頭審理や証拠調べにおける調書において動画データや音声データ等の電磁的記録を記録した記録媒体を引用添付できることや(特許法施行規則第56条、第57条の8)、証拠調べにおける調書において証人等の陳述に関する録音又は録画により作成された電磁的記録を記録媒体に記録し、調書の記載に代えることができること(特許法施行規則第57条の6)が明記されました。

(4)証人及び鑑定人の宣誓の簡略化

証人尋問や鑑定人による口頭での陳述の際、従来は、証人や鑑定人による宣誓書への署名を行っていました。しかし、今般の改正により、宣誓書及び宣誓書への署名が、原則、廃止となります。(特許法施行規則第58条の5第3項、第60条の3)ただし、証人が宣誓を述べることができない事情があるときは、従来どおり、宣誓書及び宣誓書への署名を行います。(特許法施行規則第58条の5第3項ただし書)

[更新日 2026年5月11日]

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