ここから本文です。
JPO通信
TOPICS 1
令和2年4月1日から新たに保護対象となった画像・建築物・内装の意匠が国内で初めて登録されました。
※各事例の写真は、権利者から提供された登録意匠の参考イメージです。
令和元年、イノベーションの促進とブランド構築に資する優れた意匠を保護可能とすることを柱とする意匠法の抜本的な改正が行われました。これにより、令和2年4月より、画像・建築物・内装の意匠が新たに保護対象に加わり、すでに1,000件を超える出願がされています。また、令和2年10月には、特許庁による審査を経て、国内初の意匠登録がされました。
近年増加しているソフトウェアやアプリを主体とするサービスでは、それらを利用する際に、予めクラウド上に記録された画像がネットワークを通じて機器に提供されることが多くなっています。また、センサー技術や投影技術の発展により、壁や人体等に投影された画像によって操作することが可能な製品も登場しています。このような、製品やサービスの利便性を左右する重要な役割を担う画像のデザインを意匠権で保護することにより、開発に投資したコストを容易に回収できるようになるため、それをもとに新たなイノベーションや商品開発につなげていただくことが可能となります。
また、近年、企業が店舗の外観や内装に特徴的な工夫を凝らしてサービスの提供や製品の販売を行うことにより、企業の新たなブランド価値を創出する事例や、オフィスの家具や関連機器を扱う企業が、自社の製品を用いた特徴的なオフィス空間をデザインし、顧客に提供する事例が増えています。
こうした、顧客へ優良な体験を提供する店舗等の建築物の外観や内装の空間デザインは、企業のブランド構築にとって重要な要素であることから、他社に容易に模倣されることのないよう意匠権で保護することがビジネスにおいては有効です。
ビジネスにおいて、顧客と長期にわたって良好な関係を維持するためのブランド力を形成するとともに、顧客視点を取り込んだイノベーションを創出する役割を担うのがデザインです。皆さまのデザインを戦略的に保護、活用いただき、ビジネスを成功に導くためにも、是非、生まれ変わった意匠制度をご活用ください。