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企業活動のグローバル化に伴い、知財分野では複数の国や地域で同一の発明が出願されています。このような出願に対して互いの審査状況を確認することで、審査の効率化を図るために、五大特許庁では各国特許庁の特許出願の手続や審査に関連する情報(ドシエ情報)を共有可能とするシステム整備を進めてきました。
特許庁では、平成16年から、インターネットを利用した「高度産業財産ネットワーク(AIPN)」により、機械翻訳した我が国のドシエ情報を海外特許庁へ提供しています。
平成18年には日米欧三極特許庁で相互にドシエ情報を参照できるシステムを構築しました。さらに特許庁は、平成20年に、五大特許庁の複数庁に出願された同一発明のドシエ情報を一括取得し、見やすい形式で提供するシステム「ワン・ポータル・ドシエ(OPD)」を五大特許庁に提唱し、特許庁が主導的役割を担い取組を進め、平成25年に五大特許庁審査官を対象にOPDのサービスを開始しています。
このサービスを通じ、各国特許庁の審査官は、互いのドシエ情報を参照し、効率的な審査に役立てています。
ドシエ情報共有ネットワークを世界に拡大し、グローバルなワークシェアリングを実現するべく、特許庁は、世界知的所有権機関(WIPO)と共同し、OPDと、WIPOが提供するドシエ情報共有システムであるWIPO-CASE(Centralized Access to Search and Examination)とを連携する技術を確立し、平成26年3月に両者を接続しました。
これにより、ドシエ情報共有ネットワークは五大特許庁の枠を超えてグローバルに拡がることとなりました。今後、WIPO-CASEの参加庁の増加により、ドシエ情報共有ネットワークが更に拡がることが期待されます。
WIPO-CASEに参加している国・機関(令和6年6月時点):
五大特許庁、アゼルバイジャン、イギリス、イスラエル、イラン、インド、インドネシア、ウクライナ、ウルグアイ、エジプト、オーストラリア、カナダ、カンボジア、キューバ、コスタリカ、ジョージア、シンガポール、スペイン、タイ、チリ、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピン、フィンランド、ブラジル、ブルネイ、ベトナム、ペルー、ポルトガル、マレーシア、モンゴル、ラオス、EAPO、WIPO
審査官向けにドシエ情報を提供している国・機関(令和6年6月時点):
五大特許庁、イギリス、イスラエル、インド、オーストラリア、カナダ、シンガポール、チリ、ニュージーランド、WIPO(PCT国際出願)
一般ユーザーにもドシエ情報を提供している国・機関(令和6年6月時点):
五大特許庁、イスラエル、インド、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、WIPO(PCT国際出願)
五大特許庁では、審査官向けに提供されていたドシエ情報の提供サービスを、一般ユーザーにも提供できるよう協力を進めて参りました。我が国においても、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を介して、五大特許庁及びWIPO-CASE参加庁、台湾智慧財産局に出願されたドシエ情報を提供しています。
[更新日 2024年6月11日]
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