ホーム> お知らせ> 国際的な取組> セミナー・シンポジウム> 国際知財司法シンポジウム2017~日中韓・ASEAN諸国における知的財産紛争解決~
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2017年11月29日
目次
日時 | 2017年10月30日(月曜日)~11月1日 (水曜日) |
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会場 | 弁護士会館 講堂「クレオ」 東京都千代田区霞が関1-1-3 |
主催 | 最高裁判所、知的財産高等裁判所、法務省、特許庁、日本弁護士連合会、弁護士知財ネット |
後援 | 外務省、国際協力機構、国際民商事法センター、知的財産戦略本部、日本経済団体連合会、日本国際知的財産保護協会、日本知的財産協会、日本弁理士会、日本貿易振興機構、文化庁 |
この度,知的財産高等裁判所のほか,最高裁判所,法務省,特許庁,日本弁護士連合会及び弁護士知財ネットの共催により「国際知財司法シンポジウム」を開催することとなりました。初めての開催となる本年は,「日中韓・ASEAN諸国における知的財産紛争解決」をテーマに,日中韓及びASEAN諸国の裁判官らを招いて行われます。
経済活動のグローバル化に伴い,知的財産に関する紛争も近年は国際化が進んでおり,アジア等の新興国を含む他国の法制度や訴訟運営に関する相互理解の重要性が高まっています。そこで,知的財産高等裁判所は,世界各地で開催される国際会議への裁判官の積極的参加,世界各国から当裁判所を訪れる法律実務家,研究者,政府職員などとの意見交換,ウェブサイトを通じた海外向け情報発信等の取組みを重ね,国際的な人材交流と情報発信を積極的に進めて参りました。本シンポジウムは,当裁判所のこうした取組みが結実したものであり,更に新たな花を咲かせるべく努めなければならないと考えております。
本シンポジウムにおいて,当裁判所は,日中韓及びシンガポールの裁判官及び弁護士による特許侵害訴訟における証拠収集手段をテーマとした模擬裁判を中心となって実施いたしますが,このほかにも,商標の類否判断に関するASEAN諸国の事例研究,ビジネスと知財紛争に関する基調講演,特許の有効性や商標の類否の判断に関するパネルディスカッション等,多様なプログラムが企画されています。
アジア諸国の知財紛争に関わる実務家が一堂に会し,様々な角度から議論を行うことは,大変に貴重な機会であり,参加される皆様にとって非常に興味深く有益な情報を提供し得るものと確信しております。
知的財産高等裁判所長
清水 節
今般,アジア諸国における知的財産紛争の法的解決の在り方をテーマとする「国際知財司法シンポジウム」が,初めて開催される運びとなりました。
本シンポジウムは,日本がASEAN諸国及び中国・韓国の法律実務家をお招きして3日間の日程で開催され,日本側は,法務省のほか,最高裁判所,知的財産高等裁判所,特許庁,日本弁護士連合会及び弁護士知財ネットの共催となっています。
政府の知的財産推進計画にもあるとおり,知的財産の創造・保護・活用を進めていくには,知的財産分野における国際連携を深めることも重要です。法務省は,国内において模倣品・海賊版対策に携わるだけでなく,成長著しいASEAN地域等においても,知的財産法分野を含めた法制度整備支援を実施し,法令の起草支援のほか,法制度を適切に運用するための基盤整備や,これを運用する人材育成支援にも努め,知的財産法分野の国際的な発展に寄与してきました。
本シンポジウムでは,法務省は,2日目に,商標類否判断について難しい判断を迫られる事例を題材にしたパネルディスカッションや,各国の知的財産法制に関する発表等を行うこととしておりますが,他の主催者からも模擬裁判や講演等様々な企画が予定されています。
本シンポジウムにおいて,法制度整備支援の対象国等のアジア諸国から,知的財産法分野のエキスパートである法律実務家の方々が参加されて一堂に会し,知見が共有されることにより,日本を含めた参加各国における知的財産法分野の一層の発展が期待されるだけでなく,法制度整備支援の更なる充実や,参加各国の間における知的財産法分野のネットワーク強化にもつながるものと確信しています。
知的財産分野に携わる法律家・研究者の方,弁理士の方,ビジネスパーソンの方々はもちろん,知的財産に関心がおありの方,法務省の国際協力に興味がおありの方も,奮って御参加下さい。本シンポジウムが,皆様方にとりましても,知的財産制度や法務省の国際協力等についての御理解を一層深めるものとして有用な機会となりますよう祈念しております。
法務省事務次官
黒川弘務
この度、「国際知財司法シンポジウム2017」を共催できることを大変嬉しく思っております。
成長著しい新興国からすれば、知財システムは、外国企業からの技術導入の基礎となるだけではなく、導入した技術から新たな技術を開発し、それを活用して新たなイノベーションを生み出す重要なインフラになります。
また、現在、情報通信技術の急速な進展に伴い、もの、技術、人、企業の新たなつながりが、国境を越えた形で生まれています。そのような中、各国の関係者と手を携えて、世界中のあらゆる市場において、知的財産が適切に守られる環境を整備していかなければなりません。
これまで特許庁は、そういった環境を実現するため、主要国との知財システムの調和、「特許審査ハイウェイ」の拡大、専門家の派遣や研修生の招へいを通じた新興国に対する知財システム整備支援などの取組を進めてまいりました。
日中韓及びASEANの各国間の知財司法に関する相互理解を図る本シンポジウムも、そういった取組の一つです。 本シンポジウムの3日目において、特許庁は、我が国にお呼びした中韓及びASEANの裁判官を交え、特許の進歩性判断、商標の類否判断、他国でよく知られた商標について、悪意のある者が権利を取得した場合の救済措置について議論を行う予定です。また、1日目や2日目においても、証拠収集手続に関する模擬裁判、各国の知財法制に関する発表といった多様なプログラムが予定されています。
本シンポジウムを通じ、産業界、弁護士、弁理士といった知財制度ユーザーの皆様の日中韓及びASEANにおける知財紛争解決に関する理解がより一層深まり、ひいては知的財産が世界中で保護されるシステムの構築につながっていくことを確信しております。
共催者一同、多数の皆様のご参加をお待ちしております。
特許庁長官
宗像 直子
「国際知財司法シンポジウム」は,本年10月30日から3日間にわたって弁護士会館で開催されます。日本弁護士連合会とその活動から派生して弁護士有志によって設立された弁護士知財ネットがこれまでに開催してきた知的財産分野のイベントでは,比類ない規模となります。本シンポジウムでは,各国の最前線で活躍する現役の裁判官と弁護士が登壇し,「日中韓・ASEAN諸国における知的財産紛争解決」をテーマに模擬裁判及びパネルディスカッション等を行います。各プログラムに登壇する弁護士は,知的財産紛争における紛争解決から予防法務に至る各場面に携わる立場から,その経験に基づく知見を示すことにより,本シンポジウムの成功に寄与するものと期待いたします。
人々の活動,社会,そしてこれらを支える経済活動のグローバル化の進展とともに,企業・個人の経済活動や創造活動を支える礎である知的財産の創造・流通・権利行使の場面におけるボーダーレス化もまた進行しています。かような知的財産にかかわる国際的な活動を適切にサポートしていくためには,よりよい司法制度の発展を図ることが重要であり,このことは我が国のみにおいて成し得るものではありません。利用者にとって使いやすく頼りがいのある民事司法を築くことを最重要課題の一つとする日本弁護士連合会は,司法制度を担う実務法曹の立場から,司法制度の国際的な発展を目指して,これからも奮励して参ります。
今後,企業の経済活動のグローバル化がさらに拡大・深化するに伴い,知的財産に関する取引や紛争もより一層グローバル化が進み,かつ複雑化していくことが予想されます。国内外の知財司法関係者それぞれの努力と協調が求められる時代となる中で,日中韓・ASEAN諸国の専門家を招いて開催する本シンポジウムは,御参加の皆様にとって大変有意義なものとなることでしょう。
日本弁護士連合会会長
中本 和洋
日中韓・ASEAN諸国の知財専門家である裁判官や弁護士などが一堂につどい,本年10月30日から11月1日まで「国際知財司法シンポジウム2017」が開催されますことを,心から喜び,この開催の一翼を担えることをたいへん誇りに思っております。
私ども弁護士知財ネットは,日本弁護士会連合会が知的財産分野における法制度やリーガルサービスの発展にむけて取り組んできた諸活動の成果の1つとして,知的財産高等裁判所が創設された2005年4月に同時に創設され,今日まで、国際シンポジウムを含む、さまざまな活動を続けてきました。
弁護士知財ネットには国際チームを設けており,日弁連と共同して,現在までにタイ・インドネシア・ミャンマー・シンガポール・韓国などを訪問してきました。現地在勤の日本人弁護士と協力し,また関係諸機関のサポートもいただきながら,現地の裁判官や弁護士の方々と真剣な意見交換やセミナー等を行い,各国の知的財産法制度と実務の比較を通して,グローバル化・ボーダレス化した知的財産紛争の解決手段の在り方等について模索してきました。しかし,在野の我々の活動は,現時点では点と点を結ぶ線のレベルです。一方,日本の最高裁判所や知的財産高等裁判所,法務省,特許庁などは,今回の参加各国とも非常に緊密な連携・協力関係を構築されています。
本シンポジウムは,「日中韓・ASEAN諸国における知的財産紛争解決」をサブタイトルとし,特許訴訟における証拠収集手続に関する模擬裁判や,参加国における商標の類否判断に関するパネルディスカッションを始め,種々の極めて興味深い企画が続く内容となっております。これらのプログラムを通して,日中韓・ASEAN諸国の専門家がそれぞれ知的財産の創造・保護・活用のための縦糸と横糸を織りなし,素晴らしい知的創造サイクルの織布が出来上がるものと確信してやみません。
弁護士知財ネット理事長
小松 陽一郎
10時00分 | 開会 |
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10時00~10時15分 | あいさつ
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10時15分~10時30分 | 事案説明 ~特許訴訟における証拠収集手続~
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10時30分~10時40分 | 制度概要説明(日本)
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10時40分~11時30分 | 模擬裁判(日本)
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11時35分~12時35分 | 模擬裁判(中国)
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12時35分~14時10分 | 休憩 |
14時10分~15時10分 | 模擬裁判(韓国)
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15時15分~15時25分 | 制度概要説明(シンガポール)
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15時25分~16時15分 | 模擬裁判(シンガポール)
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16時15分~16時30分 | 休憩 |
16時30分~17時30分 | パネルディスカッション ~模擬裁判の総括~
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17時30分 | 1日目終了 |
9時30分~12時00分 | 商標に関するパネルディスカッション 第1分科会 モデレーター
パネリスト
司会
第2分科会 モデレーター
パネリスト
司会
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12時00分~14時00分 | 休憩 |
14時00分~14時40分 | 各分科会の議論内容の報告 分科会報告 第1分科会パネルディスカッションモデレーター
分科会報告 第2分科会パネルディスカッションモデレーター
司会
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14時40分~15時40分 | 総括パネルディスカッション モデレーター
パネリスト
司会
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16時00分~16時50分 | 発表 ~知財紛争を含む海外調査研究事業~
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17時00分~17時30分 | 総括
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17時30分 | 2日目終了 |
9時30分~9時40分 | 基調講演
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9時40分~10時30分 | アジアにおけるビジネスと知財紛争
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10時30分~10時45分 | 質疑応答 モデレーター
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10時45分~12時15分 | パネルディスカッション テーマ1 特許の進歩性判断に関するケース・スタディ モデレーター
プレゼンター
パネリスト
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12時15分~13時00分 | 休憩 |
13時00分~14時30分 | テーマ2 商標の類否判断に関するケース・スタディ モデレーター
プレゼンター
パネリスト
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14時30分~15時00分 | 休憩 |
15時00分~16時30分 | テーマ3 討論~ASEANにおける知財紛争処理~ モデレーター
パネリスト
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16時30分~16時50分 | 閉会
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資料集
[更新日 2022年2月25日]
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