• 用語解説

ここから本文です。

ドイツ 商標法 4

第4部 団体標章

第97条 団体標章

  • [1] 第3条にいう商標として保護することができるすべての標識であって,団体標章の所有者の構成員の商品又はサービスを,所定の企業による出所若しくは原産地,種類,品質又はその他の特性に従って,他の事業のそれから識別することができるものは,団体標章として登録することができる。
  • [2] 本法の各規定は,該当する限り,この部において別段の規定がなされている場合を除いて団体標章にも適用される。

 第98条 所有者資格

出願に係る団体標章又は登録団体標章は,法的能力を有しかつその構成員自身が団体である上部団体若しくは本部組織を含め,法的能力を有する団体のみが所有することができる。公法によって規律される法人は,これらの団体と同一の地位を有する。

 第99条 団体標章としての地理的原産地表示の登録性

第8条[2](2)の要件に合致しない場合であっても,商品又はサービスの原産地を示すために取引上使用されることがある標識又は表示は,団体標章を構成することができる。

 第100条 保護の制限;使用

  • [1] 第23条の規定に起因する保護の制限に加えて,団体標章としての原産地表示の登録は,第三者が取引上かかる表示を使用することを差し止める権利を所有者に与えるものではない。ただし,その使用が,容認された道徳原理に従ったものであり,かつ,第127条の規定に反しないものである場合に限る。
  • [2] 使用権限を有する少なくとも1の者による又は団体標章の所有者による団体標章の使用は,第26条にいう使用を構成するものとみなされる。

 第101条 訴訟を提起する権限;損害

  • [1] 団体標章の使用を規律する定款に別段の規定が置かれている場合を除いて,団体標章を使用する権限を有する者は,団体標章の所有者の同意を得たときにのみ団体標章の侵害に対する訴訟を提起することができる。
  • [2] 団体標章の所有者はまた,団体標章又はこれに類似する標識が権限を認められていない使用の結果として団体標章使用権者に生じた損害について賠償請求をすることもできる。

 第102条 団体標章の使用を規律する定款

  • [1] 団体標章の出願には,その標章の使用を規律する定款を添付しなければならない。
  • [2] 団体標章の使用を規律する定款には,少なくとも次の事項を明記しなければならない。
    • (1) 団体の名称及び所在地
    • (2) 団体の目的及び代表
    • (3) 構成員資格
    • (4) 団体標章を使用する権限を有する者のグループに関する情報
    • (5) 団体標章の使用条件
    • (6) 団体標章の侵害の場合における関係当事者の権利と義務
  • [3] 団体標章が地理的起源の表示からなる場合は,その標章の使用を規律する定款には,当該地理的領域に源を発する商品若しくはサービスを提供する者でかつ同定款に定める使用条件を満たす者が,当該団体の構成員となる権限を有し,かつ当該標章使用の権限を有する者の集団の資格を認められる旨を定めなければならない。
  • [4] 何人も,団体標章の使用に関する定款を閲覧することができる。

 第103条 出願の審査

第37条の規定に基づく拒絶理由に加えて,団体標章の出願は,それが第97条,第98条及び第102条に規定する要件を満たしていない場合,及びその標章の使用を規律する定款が公の秩序若しくは容認された道徳原理に反するものである場合にも拒絶されるものとする。ただし,拒絶理由が解消されるような方法で出願人が当該標章の使用に関する定款を修正した場合は,この限りでない。

 第104条 団体標章の使用を規律する定款の修正

  • [1] 団体標章の所有者は,団体標章の使用を規律する定款の如何なる修正も特許庁に通知しなければならない。
  • [2] 団体標章の使用を規律する定款の修正に関しては,第102条及び第103条の規定を準用する。

 第105条 取消

  • [1] 第49条に規定する取消事由に加え,団体標章の登録は,次に掲げる場合,請求により,取消事由に基づいて取り消されるものとする。
    • (1) 団体標章の所有者がもはや存在しない場合
    • (2) 団体標章の所有者が,団体の目的に反する,又は当該商標の使用を規律する定款に反する方法による団体標章の不正使用を防止するための適切な処置を取らない場合,又は
    • (3) 団体標章の使用を規律する定款の修正が第104条[2]の規定に違反して登録簿に登録された場合。ただし,その標章の所有者がかかる取消事由を解消するような方法で定款を更に修正した場合は,この限りでない。
  • [2] [1](2)の規定にいう不正使用は,団体標章がそれを使用する権限を有する者以外の者によって公衆を欺くような方法で使用される場合に,特に存在するものとみなされる。
  • [3] [1]の規定に基づく取消請求は,特許庁に提出しなければならない。これに対する手続は,第54条の規定によって行われるものとする。

 第106条 絶対的拒絶理由による無効

第50条に規定する無効事由に加え,団体標章の登録は,当該団体標章が第103条の規定に違反して登録された場合は,請求により,無効事由に基づいて取り消されるものとする。無効事由がその標章の使用を規律する定款に関係するものである場合は,団体標章の所有者が無効事由を解消するような方法で当該定款を修正したときは,登録は取り消されないものとする。

前へ》《次へ