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令和3年9月30日
特許庁
本日、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(令和3年9月30日経済産業省令第72号)が公布されました。本省令は、特許法等の一部を改正する法律(令和3年5月21日法律第42号。以下「改正法」という。)の施行に伴い、特許法施行規則(昭和35年通商産業省令第10号)等関係省令について所要の改正を行うものです。
改正法において、特許無効審判等における口頭審理等に関して、当事者及び参加人がウェブ会議システム等を通じて手続を行うことができることとしました(特許法第145条第6項及び第7項等関係)。
これを踏まえ、ウェブ会議システム等を通じた手続の実施に関する審判長の審理指揮の内容を定める等、各種規定を整備しました(特許法施行規則第51条の2等関係)。
改正法において、特許権者が不責事由により納付期間内に特許料の納付をすることができないときは、割増特許料の納付を免除する規定を設け、実用新案法、意匠法、商標法においても同旨の改正を行いました(特許法第112条第2項ただし書等関係)。
これを踏まえ、不責事由により特許料又は登録料の納付をすることができなかった旨の申出の方法及び必要な手続の期限を定める規定を新設しました(特許法施行規則第69条第4項及び第5項等関係)。
改正法において、特許印紙による予納(以下「印紙予納」という。)を廃止し、現金による予納(以下「現金予納」という。)に切り替えることとしました(工業所有権に関する手続等の特例に関する法律第14条及び第15条関係)。
これを踏まえ、印紙予納を前提としていた予納書様式(工業所有権に関する手続等の特例に関する法律施行規則様式第35)について現金予納を受け付けるための記載事項に修正する等、各種規定及び様式の整備を行いました。
なお、印紙予納については、改正法附則第1条第3号に掲げる規定の施行日(令和3年10月1日)から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日までの間はなおその効力を有することから、現行の予納書様式についても一定の併用期間を設けるべく、同日までなおその効力を有する経過措置を設けております。
改正法において、国際意匠登録出願の登録査定について、WIPOの国際事務局(以下「国際事務局」という。)を経由して海外の出願人に通知することで、当該査定の謄本の送達に代えることができることとし、具体的な通知手段は経済産業省令に委任しました(意匠法第60条の12の2関係)。
これを踏まえ、現状も国際事務局を経由して出願人に通知している保護付与声明に添付する形で通知することとする規定を新設しました(意匠法施行規則第13条の2関係)。
日本を指定締約国とする意匠の国際出願についての優先権書類は、国際公表の日(国際登録の日から原則6か月後)から3か月以内に日本国特許庁長官に宛てて書面で提出することとなりますが、国際出願の願書との提出時期・提出先の相違や、今般の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国際郵便の引受け停止により、優先権書類の送付ができなかった又は困難となる事例が生じていました。また、同期間内にWIPOのデジタル・アクセス・サービス(以下「DAS」という。)を利用するための所定の手続をすることにより優先権書類の提出に代えることができますが、優先権主張の基礎となる出願をした国がDAS参加国でない場合は、それができませんでした。
上記の課題を踏まえ、国際意匠登録出願の出願人が、国際出願と同時に優先権書類を国際事務局に提出することを可能とするとともに、提出された優先権書類について、国際事務局との電子的交換を可能とするために、意匠法施行規則第19条第3項において特許法施行規則の読替規定を追加しました。
特許出願やこれに関連する手続等の書面に記載する自然人の氏名については、戸籍上の氏名を記載すべきであるところ、ユーザーからは、発明者等の氏名は、旧氏の記載を可能とするよう要望が寄せられていました。
近年では住民票やマイナンバーカード、運転免許証、旅券等の公的証明書においても旧氏併記を認めていることから、社会情勢の変化等も踏まえ、特許法等に定める手続書面に記載する氏名について、旧氏を氏に続いて括弧書きで併記することを可能とするよう規定を整備しました(特許法施行規則第1条第4項等関係)。また、特許庁長官等が必要と認めるときに、旧氏を証明する書面の提出を命ずることができる根拠規定を整備しました(特許法施行規則第1条第5項等関係)。
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[更新日 2021年9月30日]