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令和5年4月7日更新
特許庁
特許庁では、令和2年4月以降、特許、実用新案、意匠及び商標に関する出願等の手続について、新型コロナウイルス感染症による影響を受け、期間内に手続ができなくなった場合の取扱いについて柔軟な対応を御案内しておりました。
このたび、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更等を踏まえ、これまで、新型コロナウイルス感染症により影響を受けていた場合に定めていた取扱いを終了し、従来の救済措置の運用に戻すことにします。
この従来の救済措置の要件適用は、手続期間(法定期間又は指定期間(期間延長される前の期間))の末日が令和5年5月9日(火曜日)以降の手続が対象となります。
従来の救済措置については、以下の(1)~(4)をご参照ください。
(1)期間徒過後の救済規定に係る回復要件が「正当な理由があること」から「故意によるものでないこと」に緩和されます
(2)令和5年4月1日以降に優先期間を徒過した国際出願の優先権の回復(「故意ではない」基準)について
(3)新型コロナウイルス感染症により影響を受けた審判事件における手続の指定期間の延長等について
(4)新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における「その責めに帰することができない理由」、「正当な理由」、「故意によるものでないこと」による救済について
なお、手続期間の末日が5月8日(月曜日)以前の手続については、引き続き、以下「特許庁への手続について」に記載の新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における救済措置が適用されます。
特許庁への手続について、新型コロナウイルス感染症の影響により、指定された期間内に手続ができなくなった場合には、以下のような例にしたがい、指定期間を徒過していても有効な手続として取り扱うものとします。
方式審査等における特許庁長官による指令や通知類に対する手続(審判係属中のものを除く。)に関しては、指定期間が過ぎてしまった場合であっても、一定期間(目安として、期間延長請求可能期間+2月*)が経過するまでは、期間延長請求がなくても有効な手続として認めることとします(申出の方法及び理由の記載例については、以下をご参照ください。)。
また、拒絶理由通知への応答については、以下のいずれかの申し出がなされれば、期間徒過後の当該手続を容認すべく柔軟に対応いたします。
新型コロナウイルス感染症の影響により、出願人が勤務する「株式会社○○○○」/代理人が勤務する「○○○○事務所」が令和3年○月○日から(令和3年○月○日まで)閉鎖(在宅勤務)となり、手続をすることができません(でした)。令和3年○月○日より手続が可能となる(なった)ため、手続を認めてください。
審判事件における手続の指定期間の延長等についてはこちらをご参照ください。
手続すべき期間が法律又は政省令で定められている手続について、新型コロナウイルス感染症の影響により、所定期間内にできなくなった方は、救済手続期間内に限り手続をすることができます。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて手続ができなかった事情を説明する文書を添付してください。必要と認められる場合は、有効な手続として取り扱うものとします。
新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における法定期間の救済については、当面の間、柔軟に対応することします。
以下<1>~<3>の詳細は新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における「その責めに帰することができない理由」、「正当な理由」、「故意によるものでないこと」による救済についてをご覧ください。
以下<4>の詳細は[よくある質問(QA)]新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対応等について(PCT国際出願)の【PCT国際出願手続における救済措置について】Q2をご覧ください。
手続が可能となってから14日以内に手続をしてください(在外者の場合は2月以内((7)について在外者の場合は1月以内))。
ただし、所定期間経過後6月以内に限ります。((6)については改正前特許法第67条第2項の政令で定める処分を受けた日から9月以内、(7)については所定期間経過後2月以内、(21)及び(23)については国内処理基準時の属する日後又は国際公表があった日後7月以内)。
期間内に手続をすることができなかった手続に係る書面に【その他】欄を設けて手続ができなかった事情を記載するか、上申書の【上申の内容】欄に上記事情を記載して提出してください。
※令和5年4月1日付でその一部が施行される、特許法等の一部を改正する法律(令和3年法律第42号)により、期間徒過後の救済規定に係る回復要件が「正当な理由があること」から「故意によるものでないこと(以下、「故意でない基準」という。)」に緩和されます。
手続が可能となってから2月以内に手続をしてください。 ただし、所定期間経過後1年以内に限ります。((7)から(9)までについては所定期間経過後6月以内)。
所定の期間内に行うことができなかった手続に係る書面及び手続をすることができなかった理由等を記載した回復理由書を提出してください。
優先権の主張を伴う出願をすることができる期間の経過後2月以内に手続をしてください。
所定の期間内に行うことができなかった手続に係る書面及び手続をすることができなかった理由等を記載した回復理由書を提出してください。
手続が可能となった後できる限り速やかに手続をしてください。ただし、所定期間経過後6月以内に限ります。
「割増納付期間内(納付期間経過後6月)」又は「割増納付期間経過後(「正当な理由」、「故意でない基準」による期間徒過に限る。)手続が可能になった日から2月以内(ただし、特許権・実用新案権・意匠権にあっては割増特許(登録)料納付期間経過後1年以内、商標権にあっては割増登録料納付期間経過後6月以内に限る。)」に、その責めに帰することができない理由がある旨の申出と同時に納付手続をしてください。
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A1-1. 法定期間とは法令によりその長さが定められている期間です。特許法等に定められた全ての法定期間徒過後の手続が救済できるわけではなく、その対象は救済規定が存在するもの、具体的には「(2)法定期間について」<1><2><3>に列挙した手続に限定されます。
指定期間とは、特許庁長官、審判長または審査官が発する通知や指令においてその長さを裁量により決定した期間で、例えば商標登録出願の拒絶理由通知における「発送日から40日」がこれに当たります。「(1)指定期間について」に記載のとおり申出いただくことで、指定期間を徒過していても有効な手続として取り扱います。
A1-2. 例えば、以下のように記載してください。
『新型コロナウイルス感染症の影響により、出願人が勤務する「株式会社○○○○」/代理人が勤務する「○○○○事務所」が令和3年○月○日から閉鎖(在宅勤務)となり、手続をすることができませんでした。令和3年○月○日(※)より手続が可能となったため、□□□□を有効な手続として認めてください。』
A1-3. 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた場合については、当面の間、証拠書類の提出は必須としません。ただし、記載された事項について疑義があると判断した場合、事情を裏付ける証拠書類(罹患証明書、事務所の閉鎖の事実を証明する書面等)の提出を求めることがありますのでご留意下さい。
A1-4. 特定手続(オンラインによる提出が可能な書類)の救済に関する申出(上申書)の場合にはオンラインによる提出が可能です。ただし、特定手続以外の手続について上申書を提出する場合は、出願ソフトにおいて対応していないため、紙による提出(電子化手数料は不要です)をお願いいたします。また、この場合、救済が認められた旨の通知等は紙発送となります。
優先権証明書が所定の期間(優先日から1年4月)内に提出されない場合、その旨を通知し、所定の期間(通知から2月)内に提出を求めます。さらにこの期間も徒過した場合、以下いずれかの救済が可能です。
入手または郵送等が可能になってから14日(在外者は2月)以内で所定の期間(国内書面提出期間が満了する時の属する日後2月)の経過後6月以内に、「(2)法定期間について」に記載のとおり、事情を説明した文書とともに、当該証明書を提出してください。
所定の期間(出願日から3月、国際意匠登録出願にあっては国際公表があった日後3月)を経過した場合、上記A3-1.(1)(ア)・(イ)いずれかの救済が可能です。
所定の期間(出願日から3月、期間延長請求書を提出した場合は当該期間を2月延長)を経過した場合、上記A3-1.(1)(ア)・(イ)いずれかの救済が可能です。
A4-1. 権利化のための特許(登録)料を納付期間内に納付できない場合、不責事由による救済が認められます。詳しくは、「新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における「その責めに帰することができない理由」、「正当な理由」、「故意によるものでないこと」による救済について」をご覧ください。
A4-2. 特許(登録)料の年金(商標の更新登録料及び分割納付後期分も含む)の納付は、納付期間が経過した場合であっても、納付期間経過後6月間は、割増特許(登録)料を納付することにより認められます。
また、割増納付期間を経過してしまった場合には、正当な理由又は故意でない基準による救済の制度があります。詳しくは、「新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における「その責めに帰することができない理由」、「正当な理由」、「故意によるものでないこと」による救済について」をご覧ください。
なお、「天災地変のような客観的な理由にもとづいて手続をすることができない場合」等のように権利者がその責めに帰することができない理由(以下、「不責事由」という。)により、納付期間又は納付の猶予後の期間内に特許(登録)料の納付をすることができなかったことが認められた場合は、割増特許(登録)料の納付が免除されることになりました(施行日 令和3年10月1日)。対象になる案件や手続方法等については下記をご確認ください。
【割増特許(登録)料の納付が免除の対象となる案件】
令和3年10月1日以降に納付期間が経過した案件
(令和3年9月30日が納付期間の末日の案件は対象外になりますのでご注意ください。)
【手続が可能な期間】
割増納付期間内(通常納付期間経過後6ヶ月以内)若しくはその期間経過後(正当な理由又は故意でない基準による救済が認められる場合に限る)
【手続方法】
特許(登録)料納付書の最後に【その他】の欄を設け、不責事由により割増特許(登録)料の納付の免除を受ける旨及び不責事由の具体的な内容を記載し、通常特許(登録)料をもって納付手続をしてください。あるいは、通常登録料金の特許(登録)料納付書の提出と同時*1に不責事由がある旨を記載した書面(上申書)を提出してください。なお、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続期間の末日が5月8日(月曜日)以前の場合は、証拠書類の提出を必須としないこととします。ただし、記載された事項について疑義があると判断した場合、事情を裏付ける証拠書類(罹患証明書、事務所の閉鎖の事実を証明する書面等)の提出を求めることがありますのでご留意下さい。
以下をご覧ください。
[よくある質問(Q&A)]新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対応等について(PCT国際出願)
A6-1. 国内書面提出期間(優先日から30月)内に国内書面が提出されない場合、特許庁長官は、期間を指定して(国内居住者に対して)手続の補正を命じます。この場合の指定期間は2月ですが、この期間を徒過した場合には、「(1)指定期間について」に記載の救済が可能ですので、事情を説明した文書とともに国内書面を提出し、手数料を納付してください。
A6-2. 翻訳文の提出期間徒過については、翻訳文を提出することができなかったことについて「正当な理由」がある又は「故意でない基準」による救済が認められるときは、優先日から30月(国内書面提出期間)徒過後に翻訳文を提出することができます。救済を求める手続については、手続ができるようになった日から2月以内(ただし、国内書面提出期間の経過後1年を超えるときは、期間の経過後1年以内)に、回復理由書を提出してください。 なお、ご質問の場合のように国内書面提出期間内に国内書面を提出できなかったときは翻訳文とともに提出してください。
A7-1. 審判事件及び異議申立事件における手続についても、指定期間の延長等の対象となります。なお、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた審判事件(異議事件も含む)における手続の指定期間の延長等に係る柔軟な運用は、指定期間(期間延長される前の期間)の末日が令和5年5月9日(火)以降の手続から適用されません。詳しくは、「新型コロナウイルス感染症により影響を受けた審判事件における手続の指定期間の延長等について」をご覧ください。
A7-2. 拒絶査定不服審判の請求及び補正却下決定不服審判の請求についても、法定期間を徒過した場合の救済の対象になります。詳しくは、「新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における「その責めに帰することができない理由」、「正当な理由」、「故意によるものでないこと」による救済について」をご覧ください。
A7-3. 特許異議の申立てや商標登録異議の申立てについては、法定期間徒過の救済対象となりません。
法定期間徒過の救済は、救済規定が存在するものに限定されるため、特許法等に定められた全ての法定期間の徒過が救済できるわけではありません。特許異議の申立てや商標登録異議の申立てについては、そのような救済規定が存在しません。利害関係がある場合は無効審判の利用をご検討ください。
なお、異議の申立期間については、異議申立人の準備期間と権利の早期安定化/利用可能化の両方の観点から定められております。
[更新日 2023年4月7日]
本記事に関する問い合わせ先 |
特許庁総務部総務課業務管理班 TEL:03-3581-1101 内線2104 |