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特許権、実用新案権、意匠権、商標権が設定登録されると、特許庁に備える「登録原簿」に登録されます。
さらに、その権利に関して変更があった場合も、登録原簿に登録されます。よって、ある権利の現在の状況について確認するときは、その登録原簿を確認する必要があります。
※登録原簿への新しい事項の登録は、権利者や代理人等による「申請」、主に特許庁が行う「職権」、裁判所等の公共機関による「嘱託」を契機として行います。
「登録原簿」は、登録番号記録部、甲区等の「記録部」によって構成されており、それぞれの記録部にどのような内容の記録がなされるのかについて特許登録令及び特許登録令施行規則によって定められています。それぞれの「記録部」における主な「記録事項」は下表の通りです。
記録部 | 記録事項 |
---|---|
登録番号記録部 | 登録番号 |
表示部(特許、実用、意匠) | 出願日・登録日などの書誌的事項、権利の消滅、請求項の放棄、審判に関する事項 |
第一表示部(商標) | 出願日・登録日などの書誌的事項、権利の消滅、商標権についての審判に関する事項、変更があった後の指定商品及び役務の区分、指定商品及び役務の区分の放棄 |
第二表示部(商標) | 防護標章登録に基づく権利の表示及びその変更や消滅、防護標章登録についての審判に関する事項 |
登録料記録部 | 納付年分、金額、納付日等、減免記事 |
甲区 | 権利者及びその表示の変更、権利の移転、信託に関する事項など |
乙区 | 専用実施(使用)権及びこれを目的とする質権など |
丙区(商標)※ | 通常使用権及びこれを目的とする質権など |
丁区 | 権利を目的とする質権など |
国際登録事項記録部(意匠、商標) | WIPOが管理する国際登録簿に記録された権利者及びその表示の変更、権利の移転・分割・併合・消滅、存続期間の延長など |
※特許権については平成24年3月まで通常実施権を設定することができたため、丙区が存在する権利もあります。詳しくは、平成24年4月以降の実施権登録制度の概要をご覧ください。
〇登録原簿は閲覧、交付を受けることができます。詳しくは、出願の手続の第六章 出願の補助的手続をご覧ください。なお、閲覧および交付には、手数料が必要となりますのでご注意ください。
また、権利の状態は、特許情報プラットフォーム(J-Plat-Pat)にて閲覧することができます。ただし、その更新は登録原簿の更新から1~2日ほどタイムラグがあることに加え、権利者の住所は掲載していない場合があるため、手続を行う前には登録原簿をご覧ください。
特許庁に備える原簿には、「登録原簿」の他に、「閉鎖原簿」「信託原簿」、「関係拒絶審決再審請求原簿(特許、意匠、商標)」「仮実施権原簿(特許)」があります。
登録原簿に登録された権利が消滅した場合にその登録を移す原簿です。また、特許出願が、設定登録・放棄・取下げ・却下・拒絶すべき旨の査定や審決が確定したとき、その出願に関する仮専用実施権に関する登録も閉鎖原簿へと移されます。
信託法に基づく信託の申請がなされた場合にその登録を行う原簿です。登録後の変更および消滅、ならびにこれらの権利の信託の終了などが記載されます。
拒絶査定不服審判の審決が確定した出願についての再審の請求があった場合に予告登録を行うための原簿です。拒絶査定が確定している出願は登録原簿へ登録されていないため、このような原簿を備えるようになっています。
仮実施権とは、登録原簿に記載される専用実施権の内容を出願の段階からあらかじめ設定するものです。特許出願の段階では登録原簿へ登録されていないため、このような原簿を備えるようになっています。仮実施権における「実施権の範囲」および「特許を受ける権利を有する者の表示」ならびに、その変更および更正の登録がこの原簿に記載されます。仮実施権原簿に記載された事項は、設定登録後に特許登録原簿の乙区に記載されます。
[更新日 2023年4月28日]
お問い合わせ |
特許庁審査業務部審査業務課登録室 電話:03-3581-1101 〔設定登録、年金登録関連について] [移転関連について] [閲覧・交付について] |