PPH MOTTAINAI
概要
PPH MOTTAINAIは、最先の出願がどの庁に行われたかによらずPPHを利用できるスキームです。PPH MOTTAINAIにより、以下のような状況でもPPHを利用できるようになります。
- 後に出願を行った庁で先に審査結果が得られた場合
- 最先の出願が、第3の庁(先行庁及び後続庁以外の庁)に行われた場合
PPH MOTTAINAIが生まれた経緯
"MOTTAINAI"は"物事の本来の価値が適切に活用されていないときにその無駄について後悔を覚える"ことを日本語で意味します。
通常のPPHの枠組みにおいて、最先の出願がされた第一庁は、第二庁よりも前に審査結果を提供している必要がありました。しかし、第一庁が必ずしも第二庁より先に実体審査を実施するとは限らないため、この要件は、PPHの申請を制限し、他庁の審査結果を十分に活用できない場合がありました。日本語で、このような状況を"モッタイナイ"、"無駄"と表現されます。
そのため、2011年に、JPO (Japan)、CIPO (Canada)、IP Australia (Australia)、PRH (Finland)、ROSPATENT (Russia)、OEPM (Spain)、UKIPO (UK)、USPTO (USA)の8庁が、PPHの要件を緩和した「PPH MOTTAINAI」を開始することに合意し、このような状況であっても出願人はPPHに基づく特許審査を申請することができることとしました。
PPH MOTTAINAIの実施について
一部の庁の間では、通常のPPHは実施していても、PPH MOTTAINAIは実施していません。PPH MOTTAINAIの実施に関する情報は、ネットワークのページでご確認ください。