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Vol.56
広報誌「とっきょ」2023年3月6日発行号

特集1:株式会社菊池製作所×株式会社テラ・ラボ

「ロボットのまち」へと進化する南相馬市

株式会社菊池製作所 代表取締役社長 菊池 功氏のプロフィール写真

株式会社菊池製作所 代表取締役社長

菊池きくち いさお

福島県相馬郡飯舘村出身。1970年に独立・創業し、1976年に株式会社菊池製作所を設立。1984年には故郷・飯舘村に福島第一工場を開設する。福島市内の工業団地に新たに建設中のロボットの研究開発拠点も近日操業開始予定。

PROFILE

株式会社菊池製作所の外観

株式会社菊池製作所 多様な分野の製品の開発・設計・金型製作・試作・評価・量産のプロセスを「一括一貫」体制で支える「総合ものづくり支援企業」。近年はサポートロボット産業の活性化にも注力。 [所在地] 東京都八王子市美山町2161-21(本社)
[TEL] 042-651-6093(代表)
[URL] http://www.kikuchiseisakusho.co.jp(外部サイトへリンク)
[設立年] 1976年(創業年/1970年)
[業種] 製造業
[従業員数] 393人(連結、2022年4月時点)

スタートアップの成長を全方位で支援する枠組を構築
(株式会社菊池製作所 菊池社長)

弊社の主事業は金型製作をはじめ、試作から量産までのプロセスを「一括一貫体制」で支える総合ものづくり支援です。また私は飯舘村の出身で、福島県内に多くの工場を開設するなど、地元に強い愛着を感じています。復興はいまだ途上というのが率直な実感ですが、それだけにRTFが日本のイノベーションの一大発信地になることに期待しています。私自身、2014年に当時の安倍首相の肝いりで始まった「ロボット革命実現会議」(現在のロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会)に名を連ねており、RTFの誕生を後押しする立場でもあっただけに、思い入れもひとしおです。

弊社も近年、社内の「ものづくりメカトロ研究所」を中心に、多くのグループ会社でサポート・サービスロボット分野やドローンの研究開発に注力していますが、RTFの発展のために果たせる役割は他にも色々あると考えています。弊社は産学連携ネットワークを20年以上続けており、現在も50大学70研究室以上と連携しているのですが、その技術や研究成果を事業化するまでのプロセスを支援するプラットフォームを構築しています。ファンドの設立、弊社の加工技術を生かした試作や量産の工程サポート、販売活動におけるブランド力のカバーなど、スタートアップが事業を軌道に乗せるまで苦労しがちな部分を全方位で支えていくものです。特に弊社の南相馬工場には10社以上のスタートアップが入居し、技術交流や協同プロジェクトの場になっています。こうしてRTFに一つのエコシステム(生態系)を築くことで、多くの有望な企業が技術を磨き合うだけでなくビジネスにおいても大きく飛躍する支援をしていきたいですね。

福島ロボットテストフィールド 研究棟入居者様のご紹介
RTFではインフラや災害現場など実際の使用環境を再現して、ロボットの性能評価や操縦訓練他を行うことができる。充実した研究環境に惹かれ、企業(大手からスタートアップまで多彩)や大学、研究機関などが集まる。
KEY PROJECT

福島イノベーション・コースト構想

 東日本大震災と原発事故で大きな打撃を受けた浜通り地域等の産業を回復するために、同エリアに新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクト。中核的機関として、2017年7月に福島県が「一般財団法人 福島イノベーション・コースト構想推進機構」を設立した(2019年に公益財団法人に移行)。産業集積、教育・人材育成、交流人口拡大、情報発信、生活環境整備など多岐にわたる基盤整備を実現するため、6つの重点分野を中心にプロジェクトが進められている。

主要プロジェクト&主な施設

福島イノベーション・コースト構想 主要プロジェクト&主な施設
福島県「復興・再生のあゆみ(第8版)」を基に、編集部で加工
〈主要なプロジェクト〉
廃炉

楢葉遠隔技術開発センターなどで実証実験

農林水産業

ICTやロボット技術を活用した農林水産業

ロボット・ドローン

RTFを中核にロボットの研究開発や実証実験

医療関連

ふくしま医療機器開発支援センターなど

エネルギー・環境・リサイクル

福島水素エネルギー研究フィールドにおける技術実証

航空宇宙

「空飛ぶクルマ」の実証や関連企業の誘致

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