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特集2 株式会社アクセルスペース/株式会社アストロスケール
PROFILE
株式会社アストロスケールホールディングス★/
株式会社アストロスケール☆
[所在地] 東京都墨田区錦糸4-17-1 ヒューリック錦糸町コラボツリー
[URL] https://astroscale.com(外部サイトへリンク)
[設立] 2013年
[事業] 軌道上サービス(スペースデブリ低減・除去ほか)
[従業員数] 約450名
Director, Space Technologies, Office of CTO(★)
藤田 勝 (写真左)
2017年アストロスケール入社、ELSA-d衛星の推進系・捕獲機構を開発。2021年よりOffice of CTOにて技術ロードマップ管理、知財管理等に従事。
上級副社長(☆)
伊藤 美樹 (写真右)
超小型人工衛星「ほどよし」の熱・構造設計や試験に従事。2015年アストロスケール入社。2018年には「Forbes Emer gent 25」他に選出される。
アストロスケールが創業した10年前、スペースデブリ(宇宙ゴミ)は、深刻な問題とされつつも現実的な解決策が示されていない状況でした。運用が終了した衛星やロケットの部品などが原因となるデブリは、10㎝以上のものだけでも現在3万6000個ほど存在すると推測されます。宇宙は広大ですが、観測など人間の活動に用いられる軌道は有限。そこにデブリが飛散すると、軌道が使えなくなってしまうのです。
当社は2021年に、世界初となる商用デブリ除去技術実証衛星ELSA-dの打ち上げに成功し、大きな一歩を踏み出しました。自動車のけん引フックのような役割を果たす「ドッキングプレート」を事前に衛星に装着し、運用終了後に捕獲してデブリ化を防ぐものです。また、すでに軌道上に存在するデブリ除去技術の開発も進めています。JAXAさんと共同で行うCRD2フェーズIで打ち上げ予定のADRAS-Jは、軌道上のデブリに安全に接近し、撮影することを世界で初めて試みます。
自動車の分野には、事故や故障、燃料切れなどのトラブルをサポートするロードサービスがあります。私たちは、その宇宙版とも言える「軌道上サービス」を、大きく四つの領域で展開(下表)。2030年にはこれらが日常的なものとして定着することを目指しています。(伊藤氏)
EOL (End of Life) |
捕獲用の機器を衛星に事前に装着しておき、運用終了時に除去する |
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ADR (Active Debris Removal) |
すでに宇宙に存在しているデブリを除去する |
ISSA (In Space Situational Awareness) |
宇宙状況把握。故障機やデブリの観測データを取得する |
LEX (Life Extension) |
燃料が枯渇した衛星の軌道調整等を通じて寿命延長を行う |