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特集1:RUN.EDGE株式会社
次いで、サッカー・バスケ・ラグビーなどのフィールドスポーツ分析ツール「FL‐UX」を開発しました。「映像という事実をベースに共通の認識を築くコミュニケーションツール」という設計思想のもと、機能やUI※を練り直してあります。FL‐UXは、プレー映像にさまざまな情報を描き込んで、メッセージアプリのようなスピード感でシェアできます。また、プレー映像のライブ配信を基にしたリアルタイム分析も大きな特徴です。練習後のミーティングではなくその場で映像を確認することで分析の精度が高まりますし、遠隔地にいる担当者が、試合中の監督に分析内容をフィードバックするような使い方も実現しています。現在、日本他7カ国で、200を超えるプロ・アマチームに導入されており、「伝わる情報量が非常に多くなった」「より的確なコーチングが可能になった」といった声が多く寄せられています。私たちの役目はあくまで、チームのパフォーマンスの最大化をサポートすることですが、そこから創造的な戦術が生まれ、選手の成長へとつながれば、とてもうれしいですね。
私たちは現在、「シーンで社会活動をアップデートする」というミッションを掲げ、映像をシーン化して再生する技術プラットフォームの、さまざまな分野への展開を進めています。2023年にサービスインした「RECOROKU」は、会議の録画と文字起こしを一体化し、テキストデータと映像に紐づけたタグやメモから、見たいシーンを即座に検索・視聴できるサービス。その他、建築・不動産や、エンターテインメント分野などにも領域を広げています。その際、特許技術とは別に、快適なユーザー体験のためのUIのアイデア保護も非常に大切であり、知財への取組も今後さらに充実させていくことになると思います。
※UI:ユーザーインターフェース
FL-UXが選手たちを「思考」へと導く
FL-UXは、プレー映像にタグ付けする「シーン」、ゾーンや体の方向を映像に絵で描き込める「スケッチ」、映像集を作成する「ハイライト」など豊富な機能を搭載する。ライブ配信の映像や、集計・分析したデータはチャットで共有でき、練習や試合の最中にリアルタイムで活用可能。導入チームの「言語化されていなかったイメージが共有できた」「高校生の選手が自分で考えるようになった」といった声から、チーム全体がより深い「思考」に導かれ、プレーやトレーニングも創造的なものへと進化した様子がうかがえる。
写真提供:RUN.EDGE株式会社