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このFAQにおきまして、「相手国」とは、日本国特許庁と特許審査ハイウェイを実施している国・地域を意味します。(日本国特許庁と特許審査ハイウェイを実施している国・地域については、特許審査ハイウェイのページを御参照ください。)
日本国特許庁と「PPH MOTTAINAI」を締結していない相手庁とでは、(a)(b)ともに対象となりません。特許審査ハイウェイにおいては、優先権主張の基礎出願をした国において先に特許可能と判断されたものが対象となります。
ただし、出願人の国籍は問いませんので、例えば日本人の出願人であっても、相手国に第1に出願し、それを優先権主張の基礎として日本に出願をした場合には日本の出願について対象となり得ます。
なお、日本国特許庁と「PPH MOTTAINAI」を締結している相手庁との場合は、(a)(b)ともに特許審査ハイウェイの対象になります。
(「PPH MOTTAINAI」についてはこちらを御参照ください。また、日本国特許庁と「PPH MOTTAINAI」を締結している庁については、特許審査ハイウェイについてを御参照ください。)
また、(b)で相手国がシンガポールであり、シンガポール出願が外国ルート出願である場合、所定庁(韓国特許庁、英国知財庁、米国特許商標庁に限る)への出願を優先権主張の基礎とし、シンガポールと日本に出願しているときも、日本の出願は特許審査ハイウェイの対象となり得ます。
(a)(b)とも対象となります。
特許審査ハイウェイの開始以前に出願している案件でも対象になるでしょうか。
特許審査ハイウェイの開始の日以前に出願した案件であっても、当該開始の日以降に特許審査ハイウェイの申請をしたものは、対象となり得ます。
(a)-(c)のいずれも対象となり得ます。この場合、相手国の全ての請求項がJ2の特許可能と判断された請求項に対応している必要があります。
相手国に特許審査ハイウェイの申請をする際には、J1とJ2両方の出願番号等を記載すると共に両者の関係も記載してください。
優先権主張の基礎である相手国の出願が審査段階で拒絶され、審判手続の結果、特許と認められました。対応する日本の出願は、特許審査ハイウェイの対象になるのでしょうか。
対象となり得ます。審査段階でのオフィスアクション(拒絶理由通知や特許査定)に加え、審判段階でのオフィスアクション(審決等)も提出してください。
相手国において、補正をすることにより特許可能と判断されたため、日本の出願の請求項をこれと十分に対応させるために補正する必要があります。いつまでに補正をすればよいでしょうか。特許審査ハイウェイの申請と手続補正書の提出とを同日に行った場合、補正済みの請求項に対する申請として扱われるのでしょうか。
少なくとも、特許審査ハイウェイの申請と同日に補正書を提出し、受理されましたら、補正済みの請求項に対する申請として取り扱われます。
相手国に特許審査ハイウェイの申請をする際に、相手国の審査官がドシエ・アクセス・システムから日本の審査経過書類を入手可能な場合には日本のオフィスアクション(拒絶理由通知や特許査定)及び特許可能と判断された請求項の提出が省略可能となっていますが、どの案件のどの書類がドシエ・アクセス・システムから入手可能となっているか知る手段はあるのでしょうか。
現在多くの庁で、日本国特許庁が海外庁に対して提供しているドシエ・アクセス・システム(AIPN)を各庁が利用することで、日本国特許庁のオフィスアクション及び特許可能と判断された請求項の写し並びにこれらの英語翻訳文については提出が不要となっております。各庁によって条件は異なりますので、詳細は各庁の特許審査ハイウェイ(PPH)のガイドライン(要件と手続の詳細)・記入様式を御参照ください。
基本的に、1990年12月以降になされた、公開済みの日本の出願については、日本国特許庁が相手国に審査経過書類を提供しています。このため、日本のオフィスアクション(拒絶理由通知や特許査定)及び特許可能と判断された請求項の提出は不要です。しかし、出願が未公開である、あるいは技術的問題等の理由により相手国審査官がこれらを入手することができない場合には、相手国審査官の求めに応じて提出する必要があります。
なお、平成28年7月25日よりJ-PlatPat(外部サイトへリンク)の「ワン・ポータル・ドシエ(OPD)照会」を参照することにより、ドシエ情報が一般ユーザの方に提供されることとなりました。したがって、日本国特許庁のオフィスアクション及び特許可能と判断された請求項の写し並びにこれらの英語翻訳文について外国庁への提出が不要となるか否かを判断するにあたっては、「ワン・ポータル・ドシエ(OPD)照会」において、相手国への出願の基礎となる日本の出願について「拒絶理由通知書」や「特許査定」といったオフィスアクション及び特許可能と判断された請求項が参照可能か否かをご確認ください。
日本国特許庁に特許審査ハイウェイを申請する際に、書類の提出を省略できる場合はどのような場合でしょうか。
オフィスアクション及び特許可能と判断された請求項の写し(及び英語でない場合はそれらの日本語又は英語の翻訳文)が、第1庁(先行庁)の提供するドシエ・アクセス・システム(電子的な審査結果交換システム)によって閲覧できる場合、これらの書類の提出を省略できます。提出省略の可否は各庁により異なりますので、詳細は特許審査ハイウェイ(PPH)のガイドライン(要件と手続の詳細)・記入様式を御確認ください。また、引用文献が特許文献の場合は、提出を省略することができます。
審査の着手がされていないことが要件の一つとなっていますが、申請の準備中に審査着手がされてしまい準備が無駄になってしまうことは避けたいと思います。いつ審査着手されるか知ることはできますか。
日本の出願のおおよその着手時期は、「特許審査着手状況の問い合わせについて」、または「特許審査着手見通し時期照会について」から把握することができます。
なお、日本の出願について、「審査の着手がされていない」とは、「特許庁の審査官による以下のいずれの通知も到達していない」ことを意味します。
特許審査ハイウェイの対象となると、日本においては実質的に審査をせずに特許になるのでしょうか。
特許審査ハイウェイは、審査の順番を早める早期審査の申請手続を緩和するものであり、審査については、日本の法律等に基づいて通常と同じように行われます。このため、必ずしも相手国の審査結果と同じ結果になるとは限りません。
従来から外国関連の出願は早期審査の対象となっており、外国特許庁の先行技術調査結果は「早期審査に関する事情説明書」における先行技術調査として利用可能でした。特許審査ハイウェイでは、早期審査の申請においてどの手続が緩和されるのでしょうか。
従来の外国関連出願は「先行技術の開示及び対比説明」の記載が必要でしたが、特許審査ハイウェイに基づく早期審査の申請においてはこの記載を省略できます。
特許審査ハイウェイの対象となると、どれくらい早く審査着手されるのでしょうか。従来の早期審査と比較してどれくらい早くなるのでしょうか。
特許審査ハイウェイは、従来の早期審査を、緩和された手続で受けることができるものであり、通常の早期審査と着手までの期間に差はありません。2013年の早期審査の平均着手期間は申請から2.0月です。
なお、国際特許出願の国内移行出願については、事務処理上の都合から通常の国内出願より着手までに期間がかかる場合があります。詳しくは、「早期審査・早期審理(特許出願)についてのQ&A」の34、35を御覧ください。
特許審査ハイウェイの対象となると、拒絶査定不服審判において自動的に早期審理(審判)の対象になるのでしょうか。
自動的には早期審理の対象となりません。特許審査ハイウェイの対象となっても、拒絶査定不服審判事件について早期審理制度を利用する場合には、新たに早期審理の申請をする必要があります。
(a)(b)とも対象となります。
「早期審査に関する事情説明書」の【早期審査に関する事情説明】の「1.事情」に、「本出願は米国特許商標庁への出願(○○/○○○)をパリ条約に基づく優先権主張の基礎とする出願であり、特許審査ハイウェイに基づく早期審査の申請を行うものである。特許可能との判断は、上記○○/○○○の継続出願である△△/△△△に対してなされた。」といったように、両方の出願番号等を記載すると共に両者の関係を記載してください。
日本から欧州特許庁に特許審査ハイウェイの申請を行う場合、「欧州出願の審査がまだ開始されていない」ことが要件となっていますが、拡張サーチレポート(Extended European Search Report)が発行された欧州出願は特許審査ハイウェイの対象外になるのでしょうか。
欧州出願の審査がまだ開始されていないとは、欧州特許庁の審査官が実体審査をまだ開始していないことを意味します。したがって、拡張サーチレポートが発行された欧州出願であっても、実体審査が始まっていない限り、特許審査ハイウェイの対象となり得ます。
欧州特許庁にPCT-PPHの申請を行う際、類型E1に該当する分割出願の場合には、分割出願の遡及後の出願日が2010年1月29日以降である必要があるのでしょうか。
分割出願の遡及前の出願日が2010年1月29日以降であれば、PCT-PPHの対象になり得ます。
日本国特許庁が国際調査機関又は国際予備審査機関として作成した見解書又は国際予備審査報告を利用して、日本国特許庁に特許審査ハイウェイを申請することはできるのでしょうか。
申請することができます。特許審査ハイウェイ(PPH)のガイドライン(要件と手続の詳細)・記入様式こちらに掲載されております。このケースの場合、早期審査に関する事情説明書に添付すべき書類は、請求項の対応表のみとなります。
PCT-PPHを締結していない庁になされた第一国出願を優先権主張の基礎とするPCT出願について、PCT-PPHを申請することはできるのでしょうか。
優先権主張の基礎となる第一国出願がどの庁になされたものであっても、国際調査機関又は国際予備審査機関が日本とPCT-PPHを締結している庁であれば、PCT-PPHを申請することができます。例えば、国際調査機関又は国際予備審査機関が欧州特許庁である場合には、優先権基礎となる第一国出願がどの庁であっても、日本国特許庁にPCT-PPHを申請することができます。
受理官庁が国際調査機関又は国際予備審査機関と異なる場合にも、PCT-PPHを申請することはできるのでしょうか。
受理官庁がどの庁であっても、国際調査機関又は国際予備審査機関が日本とPCT-PPHを締結している庁であれば、PCT-PPHを申請することができます。例えば、受理官庁が国際事務局であって、国際調査機関又は国際予備審査機関が米国特許商標庁であるPCT出願に基づいて、日本国特許庁にPCT-PPHを申請することができます。
国際調査機関の見解書(WO?ISA)ではなく、国際調査報告(ISR)を利用してPCT-PPHを申請することはできるのでしょうか。
国際調査報告(ISR)を利用してPCT-PPHを申請することはできません。
PCT出願を国際公開前に日本国内段階へ移行した場合にも、PCT-PPHに基づき早期に審査を受けることができますか。
PCT-PPHの申請が認められれば、早期に審査を受けることができます。ただし、日本国以外を受理官庁とするPCT出願及び日本国特許庁を受理官庁としたもののうち外国語でなされたPCT出願の国内段階移行出願については、WIPO国際事務局からのIB書類の送達がされて庁内処理がなされてからという制約があります。「早期審査・早期審理(特許出願)についてのQ&A」の34、35を御覧ください。
PCT-PPHにおいて、最新の国際段階成果物の写し及びその翻訳文(英語または日本語)の提出が省略できるのはどのような場合ですか。
世界知的所有権機構(WIPO)が提供しているPATENTSCOPE(登録商標)上で最新の国際段階成果物とその英語の翻訳文が入手可能となっている場合に、省略が可能です。
通常、特許性に関する国際予備報告(IPRP第1章またはIPRP第2章)及びその英語翻訳文は、優先日から30か月経過後に入手可能となります。これよりも前にPCT-PPHの申請をするときは、早期審査に関する事情説明書に最新の国際段階成果物の写し(及びそれが日本語又は英語でない場合には、英語又は日本語の翻訳文)を添付して御提出していただくようお願いいたします。
グローバル特許審査ハイウェイ、IP5特許審査ハイウェイとはなんですか。
グローバル特許審査ハイウェイ、IP5 特許審査ハイウェイは、いずれも「利用できるPPH の種類を共通化した多数国間の枠組み」です。
この枠組みに参加した知財庁の間では、PPH、PPH MOTTAINAI、PCT-PPHいずれも利用可能となりますので、参加庁によりどのPPH が利用可能なのか区別する必要がなくなります。
参加国による特許可能との審査結果に基づき日本に特許審査ハイウェイの申請をする際には、既存の特許審査ハイウェイ、グローバル特許審査ハイウェイ、IP5特許審査ハイウェイのいずれを利用するかを明記する必要はありません。
日本国特許庁、米国特許商標庁及び韓国特許庁は、グローバル特許審査ハイウェイとIP5特許審査ハイウェイの両方に参加しています。
2014年7月1日時点での参加状況は以下の通りです。
[更新日 2018年11月5日]
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特許庁調整課審査業務管理班 TEL:03-3581-1101 内線:3106 |