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よくある質問

マドリッド協定議定書の制度等に関する質問

1.制度一般について

2.事後指定について

3.国際登録の従属性(セントラルアタック)について

4.オンライン手続について

本国官庁への手続に関する質問

6.国際登録出願(MM2)の作成の注意点について

国際事務局への手続に関する質問

8.処理の継続について

9.更新手続について

指定国官庁への手続に関する質問

10.暫定的拒絶通報等に関する手続について

11.日本国を指定する国際商標登録出願における新しいタイプの商標の取扱いについて

12.代理権を証明する書面(委任状)について

13.個別手数料の第二段階部分(登録料相当分)について

14.基礎終了による国際登録の取消し(セントラルアタック)に伴う国内出願への転換について

15.拒絶査定不服審判請求について

マドリッド協定議定書に関するQ&A

【マドリッド協定議定書の制度等に関する質問】

1.制度一般について
通番 Q&A
1-1 【問】マドリッド協定議定書とはどのような制度ですか。 マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願を利用すれば、海外で広く商標権を取得することはできますか。
【回答】
マドリッド協定議定書とは、締約国の一国(本国)に登録又は出願されている商標を基礎に、当該本国の官庁(本国官庁)を通じ、保護を求める締約国(指定国)を明示して世界知的所有権機関(WIPO)国際事務局に国際登録出願し、同事務局が維持管理する国際登録簿にその標章が国際登録されることにより、その指定国に同時に出願するのと同等の効果を得ることができるという制度です。
なお、マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願(以下「国際登録出願」という。)の対象となる標章は、基礎の標章と同一であり、また指定商品・役務も基礎の範囲内でなければなりません。
国際登録出願を利用すれば、標章の保護を求める指定国(複数国も可能)に対して同時に出願するのと同等の効果を得ることができますが、各国に直接出願した場合同様、各国の商標権はその領域内に限定されます。
1-2 【問】国際登録出願は、個別に海外へ直接出願する場合と比べてどのようなメリットがありますか。
【回答】
主なメリットは次のとおりです。
  1. 一つの言語(本国官庁が日本の場合は、英語)による国際登録出願手続で各指定国に翻訳を提出する必要がありません。
  2. WIPO国際事務局における国際登録簿により権利関係が一元管理されるので、同事務局へ以下の手続を行うことにより、各指定国への手続を省略できます。
    • 存続期間の更新
    • 所有権の移転
    • 名称・住所の変更申請
  3. 指定国で拒絶理由が発見されずに登録になる場合は、その指定国においては現地代理人の選任は不要となります。
  4. 出願時に指定しなかった締約国、出願後に新たに加盟した締約国についても事後指定の手続により領域指定ができます。 また、国際登録出願時に特定の国に対し商品・役務を限定的に指定した場合でも、国際登録の範囲内であれば、指定しなかった商品・役務を事後指定により追加することができます。
1-3 【問】国際登録出願をするに当たって各指定国での商標の先行調査をしておきたいのですが、海外の商標を検索するツールとして参考になるものはありますか。WIPO国際事務局は先行調査をしてくれますか。
【回答】
WIPO国際事務局では商標の先行調査をしていませんが、マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願や、各国の登録商標等の検索を行うことができるオンラインサービス「Global Brand Database(外部サイトへリンク)」 を無償で提供しています。収録国等の詳細については、上記ウェブサイトを御確認ください。
1-4 【問】マドリッド協定議定書の加盟国を教えてください。
【回答】
最新加盟国の詳細については、マドリッド協定議定書締約国一覧(エクセル:57KB / PDF:143KB)を御覧ください。
1-5 【問】国際登録の存続期間は何年ですか。
【回答】
国際登録の存続期間は、国際登録日から10年です。所定の料金を支払うことにより、更に10年の期間にわたって何回でも更新することができます。
1-6 【問】国際登録出願で使用することができる言語は、何語ですか。
【回答】
国際登録出願で使用が認められる言語は、本国官庁により定められます。本国官庁としての日本国特許庁が定めた言語は、英語です。 なお、その後のWIPO国際事務局と出願人又は名義人間で使用される言語は、国際登録出願の言語と同じ英語です。ただし、当該出願人又は名義人がWIPO国際事務局との通信の言語をフランス語、スペイン語にする旨を願書(MM2)に表明したときはその言語となります。
1-7 【問】国際登録出願にかかる手数料はいつ・どこに支払えばよいですか。
【回答】
国際登録出願等の手数料には、WIPO国際事務局へ支払う手数料と、日本国特許庁へ支払う手数料とがあります。出願方法がMM2の場合は、同事務局へ支払う手数料は願書等の提出前に直接同事務局の銀行口座(スイス)への送金等により支払い、一方、日本国特許庁へ支払う手数料は出願と同時に特許印紙等で納めます。出願方法がMeFの場合は、日本国特許庁へ支払う手数料は同事務局へ支払う手数料とあわせて同事務局に支払います。
納付方法など手数料納付についての詳細は国際出願に要する手数料をご覧ください。
1-8 【問】国際登録出願は個人で手続できますか。
【回答】
個人の方でも手続は可能です。
国際登録出願願書(MM2)を英語で作成すること、WIPO国際事務局との通信が全て英語であることをご理解の上、手続を行っていただくのであれば個人の方でも手続は可能です。しかしながら、テクニカルな指定商品・指定役務の記載の難しさやWIPO国際事務局との英語でのやり取り、各指定国からの暫定的拒絶通報後の対応(現地代理人の選任等)をスムーズに行うことを目的として、日本国特許庁を本国官庁とする出願のうち、代理人に依頼した手続を選択する方が大勢を占めます。
1-9 【問】マドリッド協定議定書における各種手続書類は、全て本国官庁である日本国特許庁に提出できますか。
【回答】
本国官庁である日本国特許庁に提出できる書類は以下のとおりです。
国際登録出願(MM2)→本国官庁
事後指定(MM4)→WIPO国際事務局又は本国官庁
名義変更(MM5)→WIPO国際事務局又は本国官庁
更新(MM11)→WIPO国際事務局又は本国官庁
なお、出願人又は名義人が日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあっては営業所)を有する者の場合、MM4(事後指定)、MM5(名義変更)、MM11(更新)は本国官庁である日本国特許庁に提出することも可能ですが、その場合国際手数料とは別に、送付手数料として特許印紙等により4,200円を日本国特許庁に納付する必要があります。
WIPO国際事務局へは、Contact Madrid(外部サイトへリンク)、又はeMADRID(外部サイトへリンク)のいずれかにより手続してください。
1-10 【問】出願人が、本国官庁である日本国特許庁へ国際登録出願を提出した後の手続の流れについて教えてください。
【回答】
本国官庁では願書の方式審査及び本国認証を行います。すなわち、特許庁に係属している商標登録出願等(商標登録等)との標章の同一性、出願人(登録名義人)の同一性、指定商品・役務の範囲などについて確認を行い、マドリッド協定議定書上求められる要件を満たしていると判断したときは、国際登録出願の受付日(受理日)を付与して、当該願書をWIPO国際事務局へ送付します。
提出された願書の記載に不備がある場合、本国官庁は出願人(代理人)に通知し、補正(差替書面)を求めます。 方式不備通知に対して所定の期間内に差替書面が提出されれば、通常は受付日から2月以内にWIPO国際事務局に願書を送付します。 差替書面の提出によって受付日が繰り下がることはありません。 受付日から2月以内にWIPO国際事務局に願書を送付した場合には、本国官庁の受付日が国際登録日となります。
ただし、方式不備通知に対し、所定の期間内に差替書面の提出がなく、受付日から2月以内にWIPO国際事務局に願書が送付されなかった場合には、同事務局が受理した日が国際登録日となります。
なお、本国官庁の手数料9,000円の納付がされなかった場合、手数料補正指令が出願人(代理人)に送付されます。補正指令に対して、所定の期間内に料金の納付がなかった場合には、当該国際登録出願は却下となり、WIPO国際事務局へ送付されません。
1-11 【問】国際登録出願がWIPO国際事務局によって国際登録された後の手続の流れを教えてください。
【回答】
国際登録出願が国際登録されると、WIPO国際事務局は領域指定された官庁(指定国官庁)に指定通報を送付します。同時に同事務局は、国際登録の名義人へ国際登録証明書を送付し、本国官庁にも国際登録された旨を通知します。
指定国官庁は、領域指定の通報日から1年又は宣言により18月の期間内に各指定国の国内法令に基づき審査を行います。審査の結果、保護が認められるのであれば「保護認容声明」をWIPO国際事務局経由で国際登録の名義人に送付します。また、その標章に保護を与えることができない場合には、「暫定的拒絶通報」を同事務局経由で国際登録の名義人に送付します。
この期限内に暫定的拒絶通報を送付しなかった場合は、その指定国においてその標章は自動的に保護が認められます。
なお、暫定的拒絶通報送付後、拒絶理由の解消等により保護が認められると判断された場合は、指定国官庁はWIPO国際事務局経由で「保護認容声明」を国際登録の名義人に送付します。
暫定的拒絶通報後、拒絶理由が解消しなかった等の場合は、指定国官庁は「拒絶確定声明」を同事務局経由で国際登録の名義人に送付します。
1-12 【問】WIPO国際事務局から国際登録証明書(CERTIFICATE OF REGISTRATION)が送付されました。指定した全ての国で商標権が保護されたということですか。
【回答】
国際登録証明書は、指定した全ての国で商標権が保護されたことを証明するものではありません。
国際登録証明書が国際登録の名義人に送付されると同時に指定した国へ指定通報が送付され、各指定国で審査が開始されます。国際登録された後は、各指定国から審査に関する通知が次々と送付されてきますので、応答の必要性や期限について必ず確認の上、対応してください。
1-13 【問】指定国についての情報を知りたいのですが、どこから入手できますか。
【回答】
原則として、各国制度の詳細な情報はそれぞれの国の官庁又は専門家を通じて入手していただくことになりますが、WIPO国際事務局では各国からの情報提供をもとに各国の制度概要情報(英語)をMadrid Member Profiles:(外部サイトへリンク)で提供しています。
また、日本の国際登録出願ユーザーが多く利用する指定国については商標制度情報を収集し、報告書として特許庁ウェブサイトにて公開しています。現在収集されている国についての情報は、「マドリッド協定議定書に基づく国際商標出願に関する各国商標法制度・運用」(*)報告書を御確認ください。
*マドリッド協定議定書加盟国の制度情報
1-14 【問】指定国からの暫定的拒絶通報はどの言語が用いられますか。
【回答】
英語、フランス語、スペイン語のうち各締約国の官庁が選択した言語になります。
日本、韓国、シンガポール、フィリピンなどは英語による暫定的拒絶通報が、ベトナム、ロシアはフランス語の暫定的拒絶通報が発せられます。中国については、英語又はフランス語のいずれかの言語となります。
1-15 【問】日本国特許庁に提出する書面の受理日はいつとなりますか。
【回答】
国際登録出願の受理日(≒国際登録日)は、本国官庁である日本国特許庁が実際に受理した日となります(到達主義。商標法第68条の3第2項)。
また、指定国である日本国特許庁への手続は、発信主義になりますので、郵便局等に差し出した日時に特許庁に到達したものとみなされます(商標法第77条第2項で準用する特許法第19条)。
※手続書面は窓口へ直接又は郵送でご提出ください。
送付先は下記の通りです。
〒100-8915 東京都千代田区霞が関3丁目4番3号
特許庁国際意匠・商標出願室 宛
2.事後指定について
通番 Q&A
2-1 【問】国際登録後に、国際登録名義人は指定国や商品・役務を追加することができますか。
【回答】
国際登録名義人は国際登録出願時に指定しなかった締約国はもとより、出願後に新たに加盟した締約国についても事後指定によって追加することができます。ただし、マドリッド協定議定書第14条(5)の宣言を行っている国については、その国でマドリッド協定議定書の効力が発生する日前の国際登録を基に事後指定することはできません。(*)
また、国際登録後に、新たに指定商品・役務を追加することはできませんが、国際登録出願時に特定の国に対し商品・役務を限定的に指定していた場合、指定しなかった商品・役務を国際登録の範囲内で後から追加することができます。
* マドリッド協定議定書第14条(5)の宣言を行っている国:エストニア(1998年11月18日)、フィリピン(2012年7月25日)、インド(2013年7月8日)、ブラジル(2019年10月2日)
3.国際登録の従属性(セントラルアタック)について
通番 Q&A
3-1 【問】国際登録の従属性(セントラルアタック)とは何ですか。
【回答】
国際登録日から5年間は、国際登録の保護は本国官庁における基礎出願・基礎登録に従属します。
具体的には、国際登録の日から5年以内に、国際登録の基礎となった商標登録出願等が拒絶、取下げ、若しくは放棄となった場合、又は基礎となった商標登録等が期間満了、無効若しくは取消しとなった場合には、取り消された範囲内で国際登録の全部又は一部が取り消されることです。商標登録出願等の指定商品・役務を減縮し登録になった場合も、商標登録等の商品・役務が減縮された範囲で、国際登録簿に記録された商品・役務が取消しとなります。
このように、基礎登録の無効・取消しにより国際登録が取り消されることを「セントラルアタック」と呼ぶことがあります。
3-2 【問】国際登録の基礎となった商標登録出願等及び商標登録等が、補正、拒絶、放棄、却下、期間満了となった場合、国際登録は取り消されますか。
【回答】
取り消される可能性があります。国際登録は国際登録日から5年間は基礎の出願又は登録に従属します。すなわち、国際登録の基礎となった出願又は登録が、
  1. 国際登録日から5年の期間が満了する前に、商品・役務の減縮、拒絶、放棄、却下等になった場合 又は
  2. 国際登録日から5年の期間が満了する前に、拒絶査定不服審判、登録無効(取消し)審判等が請求され、当該5年の期間経過後に拒絶、放棄、無効等が確定となった場合
基礎出願・登録が取り消された範囲内で国際登録された指定商品・役務の全部又は一部が取り消されます。
本国官庁は、特許庁に係属している商標登録出願等又は商標登録等の取消し等の事実を確認したときには、WIPO国際事務局に通報する義務を負っており、同事務局はその通報によって国際登録された指定商品若しくは指定役務の全部又は一部について国際登録を取り消します。指定国における登録の効果も当該取り消しの範囲内で失効しますが、国際登録簿に取り消しが記録された日から3月以内にその国の条件を満たす商標登録出願(転換出願)を行えば、当該出願は国際登録日(又は事後指定日)に行われたものとみなされます。
3-3 【問】国際登録日から5年以内に基礎出願が拒絶になりました。何かすべき手続はありますか。
【回答】
拒絶が確定した後に、本国官庁である日本国特許庁から、国際登録の指定商品・役務の全部又は一部を取消すためのWIPO国際事務局宛ての通知(案)及び回答書を出願人又は代理人に送付します。その通知(案)を受領した際は、必ず内容を確認し、内容について同意する又は意見がある旨を回答書にて速やかに本国官庁へご連絡ください。
取消通知が国際登録簿に記録された後は、WIPO国際事務局のオンラインツールMadrid Monitor(外部サイトへリンク)等において、本国官庁の通知に記載されたとおりに記録されていることを御確認ください。確認の結果、国際登録簿の記録に誤りがある場合は、速やかに本国官庁担当(特許庁内線2671)までご連絡ください。
なお、議定書第9条の5に基づき、国際登録の国内出願又は広域出願への転換を希望する場合は、国際登録簿に取り消しが記録された日から3月以内に、条件を満たす当該締約国への商標登録出願をしてください。
4.オンライン手続について
通番 Q&A
4-1 【問】日本国特許庁に対し、オンラインで手続をすることは可能ですか。
【回答】
国際登録出願について、WIPO国際事務局が提供するオンラインツールMadrid e-Filingを利用して手続することが可能です。手続の詳細や出願方法等は「Madrid e-Filingによる国際出願手続」をご覧ください。
本国官庁手続、指定国官庁手続については、これまでの書面による手続に加え、令和6年1月1日よりPDF形式による手続書面の電子申請(電子特殊申請)が可能となります。詳細は「商標の国際出願(マドプロ)における電子特殊申請について」をご覧ください。

本国官庁への手続に関する質問

通番 Q&A
5-1 【問】日本国特許庁を本国官庁として国際登録出願をする際に要求されることは何ですか。
【回答】
マドリッド協定議定書に基づく国際登録出願をする場合は、以下の要件を満たす必要があります。
  1. 国際登録出願の出願人が、日本国特許庁に係属している自己の商標登録出願又は防護標章登録出願(以下「商標登録出願等」という。)、自己の商標登録又は防護標章登録(以下、「商標登録等」という。)を有していること(商標法第68条の2第1項)。 また、商標登録出願等の出願人又は商標登録等の名義人は、全員が日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあっては営業所)を有する外国人であること。
  2. 国際登録出願の標章は、基礎の標章と同一の標章であること。
  3. 国際登録出願において指定する商品・役務が、商標登録出願等又は商標登録等で指定する商品又は役務の範囲内であること。
5-2 【問】本国官庁での認証後、WIPO国際事務局へ送付された国際登録出願は、自動的に国際登録となりますか。
【回答】
なりません。本国官庁は、特許庁に係属している商標登録出願等又は商標登録等と国際登録出願についてマドリッド協定議定書上求められている事項について認証する機関です。国際登録出願がWIPO国際事務局に送付されると、記載された事項について国際登録となる要件を満たしているか、また国際出願手数料が支払われているか等、同事務局による審査が行われます。同事務局に送付された国際登録出願は電子化され、Madrid Monitor(外部サイトへリンク)により閲覧が可能になります。
国際登録出願に記載された事項が国際登録となる要件を満たしていると同事務局が判断したときは、指定する商品・役務についてのフランス語、スペイン語の翻訳を経て、国際登録になります。本国官庁が国際登録出願を受理した日から2月以内に同事務局が国際出願を受理したときは、本国官庁が国際登録出願を受理した日を国際登録の日(国際登録日)とし、2月の期間経過後に同事務局が国際登録出願を受理したときは、同事務局が国際登録出願を受理した日が国際登録日となります。
国際登録された後、同事務局から出願人(国際登録名義人)に国際登録証明書(CERTIFICATE OF REGISTRATION)が送付され、同時に指定国官庁へ領域指定の通報が送付されます。
また、WIPO GAZETTE(WIPOによる公報)(外部サイトへリンク)が発行(電子版のみ)され、一般の閲覧が可能です。
5-3 【問】日本国特許庁への商標登録出願と同時に国際登録出願を行えますか。
【回答】
国際登録出願の願書には、商標登録出願の番号の記載が必須となっています。そのため、日本国特許庁より商標登録出願の出願番号の通知を受けた後でないと国際登録出願はできません。
6.国際登録出願(MM2)の作成の注意点について
通番 Q&A
6-1 【問】国際登録出願において優先権主張をする場合の留意すべき点は何ですか。また、その際には、優先権証明書は必要ですか。
【回答】
国際登録出願においてもパリ条約に基づいて第一国の出願日より6月以内であれば優先権を主張することができます。国際登録出願願書の第6欄に国名、出願番号及び出願日を記載することにより優先権を主張します。優先権証明書の提出は不要です。
なお、本国官庁の受理日から2月経過後にWIPO国際事務局が願書を本国官庁から受理し、国際登録日が同事務局の受理日となった結果、願書の第6欄に記載した先の出願の出願日から国際登録日が6月以上経過した場合は、同事務局によって優先権主張は取り消されます。
先の出願が、国際登録出願願書第10欄において指定した商品・役務の全てをカバーしない場合には、先の出願によりカバーすることができる商品・役務表示を第6欄に記載します。先の出願が複数あって、異なる出願日を持つ場合には、先の出願のそれぞれが、第10欄のどの商品・役務表示をカバーするものであるかを記載する必要があります(Guide to the Madrid System(PDF、外部サイトへリンク) 255)。なお、同一の商品・役務について同一のパリ条約同盟国に複数の出願がなされている場合には、原則として、優先権の基礎にすることができるのは同盟国の一国における最初の出願となりますので、優先権主張ができる商品・役務であるかについて御確認のうえ第6欄に記載してください(パリ条約第4条C(2)、及び、例外については、同(4)を参照)。
6-2 【問】標章を願書に記載するにはどうすればよいですか。
【回答】
以下の方法が考えられます。
  1. 標章見本をスキャニングし、イメージデータとして所定の位置に貼り付ける。
  2. 標章見本の複写や写真を作り、それらを貼り付ける。
  3. 登録公報の商標を複写し貼り付ける。
なお、作成には、その標章が基礎出願・基礎登録の標章と同一であること、充分に鮮明であることが求められますので留意してください。
6-3 【問】基礎となった商標登録出願等では標準文字の主張をしていませんが、標章はアルファベットからなる文字標章です。国際登録出願の願書の第7欄(c)において、標準文字の主張をすることはできますか。
【回答】
できます。
指定国官庁が標準文字制度を有している場合には、標準文字の主張を伴った出願として取り扱われることになります。
なお、日本語(ひらがな、カタカナ、漢字)からなる文字標章については、基礎となった商標登録出願等の日本語の標章で標準文字の主張をしていても、国際登録出願において標準文字の主張をすることはできません。
なお、Madrid e-Filingを利用する場合は、システムの制約上、質問の場合において標準文字の主張をすることはできません。国際登録出願において標準文字の宣言を希望する場合は、従来通り、MM2書面により出願ください。
6-4 【問】日本語のみからなる文字標章を国際登録出願しようと思います。注意することはありますか。
【回答】
出願時に国際登録出願願書の第9欄(a)の音訳の記載が必要です。
この音訳の記載は、指定国において音訳に関する権利を主張するものではありません。指定国における判断については注意が必要です。指定国によっては、日本語のみの文字標章は識別力がないとして、暫定的拒絶通報が発せられる場合があります(例:ベトナム)。
6-5 【問】色彩を有する標章の出願は、必ず色彩の主張をしなければなりませんか。
【回答】
任意です。 ただし、米国を指定国とし、標章が色彩を有する場合には、色彩に係る主張とともに、主張に係る色彩についての言葉による表示と、標章の色彩による部分の表示を記載することをお勧めします。なお、日本国特許庁へ出願した「色彩のみからなる商標」を基礎として、国際登録出願をする場合については、問6-8を御参照ください。
6-6 【問】色彩の部位の説明はどのように記載しますか。
【回答】
例えば、「a red bird sitting on the green leaf」のように色彩と色彩を使用する文字又は図形の要素を記載します。標章中のすべての色彩について説明を行ってください。なお、日本国特許庁へ出願した「色彩のみからなる商標」を基礎として、国際登録出願をする場合については、問6-8を御参照ください。
6-7 【問】国際登録出願における色彩の主張は、基礎となった日本国特許庁に係属している商標登録出願等又は商標登録等において主張されていることが必要ですか。
【回答】
必要ありません。基礎となった特許庁に係属している商標登録出願等又は商標登録等で色彩の主張をしていなくても、国際登録出願で色彩の主張は可能です。 ただし、その場合は、日本国特許庁に係属している商標登録出願等又は商標登録等の標章と同一の色彩であることが必要です。なお、日本国特許庁へ出願した「色彩のみからなる商標」を基礎として、国際登録出願をする場合については、問6-8を御参照ください。
6-8 【問】日本国特許庁へ出願した新しいタイプの商標を基礎として、マドリッド協定議定書による国際登録出願をする際の、国際登録出願の願書(MM2)の記載方法を教えてください。

新しいタイプの商標(動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標又は位置商標)を基礎登録又は基礎出願として国際登録出願を行う場合は、原則として、商標の詳細な説明(音商標については記載がある場合のみ)と同一の内容を国際登録出願の願書(MM2)の第9欄(e)(i)「Description of the mark」に記載する必要があります(出願人が望む場合には、第8欄「COLOR(S) CLAIMED」にも記載することができます)。
ただし、色彩のみからなる商標について、商標登録の査定がなされた商標を基礎とする国際登録出願については、原則として、国際登録出願の願書(MM2)の第8欄「COLOR(S) CLAIMED」に記載する必要があります(出願人が望む場合には、「第9欄(e) (ii)Voluntary description of the mark」にも記載することができます)。また、「色彩のみからなる商標」を基礎とする場合には、願書の第7欄(d) 「The mark consists exclusively of a color or a combination of colors as such, without any figurative element」に、「音商標」を基礎とする場合には第9欄(d)「Sound mark」に、それぞれチェックをしてください。
なお、日本国特許庁へ出願した「音商標」を基礎として、国際登録出願をする場合、音声ファイルはマドリッド協定議定書上その提出が求められるものではありませんので提出の必要はありません。ただし、各指定国における審査において、別途音声ファイルの提出を求める国もありますので(米国、韓国等)、その際は、当該指定国の手続に従って提出してください。

6-9 【問】欧州連合の商標権の効力の及ぶ国を教えてください。
【回答】
欧州連合を指定すると欧州連合知的財産庁(EUIPO)が審査を行い、商標権は欧州連合加盟国に効力が及びます。欧州連合加盟国については、欧州連合のサイトで御確認ください。
6-10 【問】指定国ごとに指定商品又は指定役務を変えることはできますか。
【回答】
国際登録出願願書の第10欄(a)に記載された国際登録を求める商品及び役務の範囲内であれば可能です。指定国ごとに変えたい商品及び役務を第10欄(b)に記載してください。
6-11 【問】指定商品又は指定役務の英語記載について、見本はありませんか。
【回答】
日本国特許庁では、商品・役務の記載の参考として類似商品・役務審査基準や、特許情報プラットフォーム(外部サイトへリンク)(J-PlatPat)にて商品・役務リストを提供しています。
J-PlatPat:(→ 商標 → 商品・役務名検索 )
※ ただし、WIPO国際事務局及び各指定締約国で受け入れられる表示であることを保証するものではありませんのでご注意ください。
そのほか、WIPO国際事務局が提供する商品・役務リスト作成支援ツールMGS(Madrid Goods and Services Manager)も、ご利用いただくことができます。MGSには、WIPO国際事務局で受け入れられる商品・役務表示を参照できる機能の他、それらの表示が指定締約国で受け入れ可能か否かを確認する機能等があります。
6-12 【問】願書に指定商品又は指定役務を記載するときに留意すべき点は何ですか。
【回答】
「商品・役務リストにおいて形式的な誤りをしないための助言(TIPS TO AVOID FORMAT MISTAKES ON THE LIST OF GOODS AND SERVICES)」が、WIPO国際事務局により発行されたMadrid Highlights, No.2/2013(PDF、外部サイトへリンク)に掲載されています。一例として、 “bags and the like” や “pouches and the like” といった “and the like” を含む商品表示は、頻繁に、WIPO国際事務局により分類上曖昧であるとして欠陥の対象とされています。また、スペルミスについても散見されますので、書類の提出前に今一度御確認をお願いいたします。
国際登録出願をする際の指定商品又は指定役務については、出願人が権利化したいものに限定することをお勧めします。本来不要な指定商品又は指定役務が記載されていなければ、WIPO国際事務局や指定国との無用なやり取り(例えば「暫定的拒絶通報」等)の低減化が図れ、早期権利化の可能性が高くなり、無用の紛争発生を防止できるためです。
6-13 【問】基礎となった日本国特許庁に係属している商標登録出願等又は商標登録等の指定商品又は指定役務が属する区分は、国際登録出願にそのまま出願できますか。
【回答】
国際登録出願の指定商品又は指定役務は、標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定の最新の版に基づき、記載しなければなりません。同国際分類は改正されている場合がありますので、以前に国内で登録となったものは、指定する商品又は役務が最新の国際分類において、どの区分に属するかを調べる必要があります。
6-14 【問】類似商品・役務審査基準どおりに指定商品を英訳しましたが、欠陥通報が送付されました。
【回答】
日本国特許庁で公開している類似商品・役務審査基準に記載の英語表記は、国際登録を求める商品・役務の記載の参考として作成していますが、WIPO国際事務局及び各指定国で受け入れられる表示であることを保証するものではありません。WIPO国際事務局の欠陥通報の内容を鑑み、逐次見直しを行っているところですが、英語表記等について欠陥を受ける事もありますのでご了承ください。
欠陥通報の対象となる商品・役務表示例については、WIPO日本事務所のホームページを参考にしてください。

6-15 【問】国際登録出願の指定商品(役務)の表示欠陥通報が、WIPO国際事務局より送付されました。是正提案書において、WIPO国際事務局の提案する補正案に同意すれば問題ありませんか。
【回答】
本国官庁としての日本国特許庁において、補正案が国際登録出願の基礎出願又は基礎登録の商品・役務リストの範囲内の表示であるか否かについて審査を行います。基礎出願又は基礎登録の商品・役務リストの範囲を超える表示である場合には、日本国特許庁は当該補正案について認めることができません。
6-16 【問】WIPO国際事務局へ納付する国際手数料について、国際登録出願の願書を本国官庁に提出するよりも前にWIPOの銀行口座に送金をおこなわなければならないとのことですが、外国送金依頼書の記載で注意すべきことはどのようなことですか。
【回答】
外国送金依頼書には、受取人連絡事項記載欄があります。
当該欄に、(1)送金目的、(2)基礎登録(出願)番号、(3)出願人名、(4)商標名、等の各情報を金融機関によって定められている制限文字数以内で記載してください。
<記載例>
(1)Purpose:EN、(2)Basic No.、(3)Applicant、(4)Mark
国際登録後に手数料の支払が必要な請求を行う場合の記載例や、その他の海外送金に係る重要な情報は、特許庁ウェブサイト国際出願に要する手数料(→ 2.国際事務局(WIPO)へ納付する国際手数料 → 2.納付方法 → (1)銀行口座への振込)にて御確認ください。
6-17 【問】WIPO国際事務局へ支払う手数料について、WIPO銀行口座へ送金した場合、「METHOD OF PAYMENT」の(b)欄BANK OR POSTAL TRANSFERには、何を記載すればよいですか。
【回答】
「Identify of the party effecting the payment」欄に送金した人の氏名を記載し、「Payment made to WIPO bank account」の欄のチェックボックスにチェックをいれ、「dd/mm/yyyy」に送金した日を記載してください。
なお、「Payment identification」は空欄で結構です。
6-18 【問】署名者が海外出張中のため、標章を使用する意思の宣言書(MM18)を国際登録出願の願書(MM2)と同時に提出することができません。MM2提出後にMM18を補充することは可能ですか。また、補充する事により願書受付日が繰り下がりますか。
【回答】
MM18については後日補充することができますので、その旨を本国官庁担当者にお伝えください。本国官庁では、MM18の補充を待ってMM2とセットでWIPO国際事務局へ送付しています。国際登録出願の受付日は、MM18の補充によって繰り下がりませんが、本国官庁が受理した日から2月以内にWIPO国際事務局がMM2を受理しないと、受付日を国際登録日とすることができません。速やかな補充が必要です。
6-19 【問】米国以外に標章を使用する意思の宣言書(MM18)が求められる国はありますか。
【回答】
MM18を使用して標章を使用する意志の宣言を求める国は米国のみです。なお、米国において権利を維持するために、「使用継続の宣誓供述書(an affidavit or declaration of use in commerce)」を米国特許商標庁(USPTO)に直接提出する必要があります。提出時期等の詳細については、米国を指定した国際登録に係る使用継続の宣誓供述書の提出について(参考訳)を御確認ください。
その他、フィリピン及びカンボジアについても、定期的に証拠等とともに「使用に関する宣誓書(declarations of actual use of the mark)」を知的財産庁に直接提出する必要があります。詳細については、WIPO Information Notice (MADRID/2013/18及びMADRID/2016/11)を参照してください。
6-20 【問】国際登録出願において、一部の指定締約国について、指定商品・役務のリストの限定を行いました。個別手数料や追加手数料については、限定後の区分数を用いて計算すればよいですか。
【回答】
個別手数料を受領する指定締約国について行った指定商品・役務の限定(願書 第10欄(b))については、個別手数料の額の計算において限定した区分の数が考慮されます。
他方、個別手数料を受領しない指定締約国について指定商品・役務の限定を行った場合については、支払う追加手数料(supplementary fees)の額は、限定しなかった場合と変わらず、願書 第10欄(a)に記載された商品・役務の区分数により決定されます(Guide to the Madrid System(外部サイトへリンク)299)。
6-21 【問】国際登録出願及び国際登録の変更の請求にかかる手数料は、どのように納めるのですか。
【回答】
  • 国際登録出願等の手数料には、WIPO国際事務局へ支払う手数料と、日本国特許庁へ支払う手数料とがあります。出願方法がMM2の場合は、事務局へ支払う手数料は願書等の提出前に直接同事務局の銀行口座(スイス)への送金等により支払い、一方、日本国特許庁へ支払う手数料は出願と同時に特許印紙等で納めます。出願方法がMeFの場合は、日本国特許庁へ支払う手数料は同事務局へ支払う手数料とあわせて同事務局に支払います。
  • 各国の個別手数料は変動するため、支払に不足額が生じる場合もありますので、最新の手数料を以下のURLで確認の上支払い、その後に日本国特許庁へ国際登録出願の手続を行うことをお勧めします(本国官庁である日本国特許庁が出願を受理した日の手数料が適用されます。)。
    Fee Calculator(外部サイトへリンク)
  • WIPO銀行口座等への送金には、その支払の目的等を特定する表示が伴わなくてはなりません。従って、「外国送金依頼書 兼 告知書」の「受取人への連絡事項」に、支払の目的、国際登録番号(基礎出願・登録番号)、名義人・出願人名等を記載しなければなりません。詳細は国際出願に要する手数料にて御確認ください。
  • 一回の支払・送金が複数の請求に関するものの場合には、各請求のリスト(上記の支払の特定に必要な情報のリスト)と各請求に係る支払金額を次の電子メール・アドレスに連絡してください(Information Notice No.29/2013)。E-mail:income.mark-dm@wipo.int
  • WIPO国際事務局は、WIPO銀行口座への支払の受領から10日以内に、手数料を支払った個人又は法人に、受領書(receipt)を送付します。この期間内に受領書が送付されない場合は、以下のアドレスに連絡してください。また、受領書に支払の目的等を特定するよう指示があった場合についても同様に連絡してください(Information Notice No.29/2013)。E-mail:income.mark-dm@wipo.int
6-22 【問】銀行の送金手数料にはどのようなものがありますか。
【回答】
電信で送金した場合は、銀行に支払う電信料、送金手数料、外貨取扱い手数料などが必要で、1回の送金につき数千円が必要となります。
また、中継銀行における手数料が発生する場合があります。
なお、振込先(WIPO国際事務局)銀行の受取手数料の支払は不要です。
6-23 【問】国際手数料を多く払い込んでしまいました。返還手続について教えてください。
【回答】
WIPO国際事務局宛に、英文により返還請求を行います。
Refund Request Form(外部サイトへリンク)から、手続を進めてください。

国際事務局への手続に関する質問

 
通番 Q&A
7-1 【問】国際登録簿に記録された名義人を変更する手続は、どのようにすればよいですか。また、指定国日本に限定した名義人の変更や一部の商品及び役務だけの名義変更をしたいのですが可能ですか。
【回答】
「名義人の変更の記録の請求書(MM5)」をWIPO国際事務局に提出してください。
名義人の変更は、一部の指定国又は一部の指定商品若しくは役務に対して行うことも可能ですので、日本に限定した名義人の変更も可能です。
なお、指定国日本に限定した名義人の変更を行う場合は、MM5第6欄(b)にチェックし、(i)にJPを記載してください。また、一部の商品及び役務だけの名義変更を行う場合は、同じく(b)にチェックし、(ii)に商品及び役務を記載してください。
7-2 【問】国際登録出願後に代理人の変更をすることができますか。また、出願後に新たに代理人を選任することはできますか。
【回答】
国際登録出願後の代理人の変更及び新たな代理人の選任は可能です
その際は「代理人の選任の届出書(MM12)」をWIPO国際事務局にContact Madrid(外部サイトへリンク)を通じて直接提出するか、eMADRID(外部サイトへリンク)を利用して手続きを行ってください。
7-3 【問】国際登録出願や国際登録の記録の変更の請求書がWIPO国際事務局へ送付された後は、何をしたらよいですか。
【回答】
請求書がWIPO国際事務局に到達したか否かについて、又は、WIPO国際事務局における請求の審査状況については、WIPO国際事務局のオンラインツール(Madrid Monitor(外部サイトへリンク))内の「realtime search」において確認することができます。
国際登録出願や他の請求が国際登録簿に記録された場合は、その内容がMadrid Monitor(外部サイトへリンク)に反映されたかを「simple search」にてご確認ください。その後、原則、代理人(代理人が記録されていない場合には国際登録の名義人)に記録の通知が送付されますので、誤りがないか御確認ください(誤りがある場合には、次の問7-4を御参照ください)。
また、代理人が変更になった場合や住所等が変更された場合には、速やかに、代理人選任や名義人/代理人の名称・住所変更を国際登録簿に記録する手続を行ってください。このような手続を行っていないと、指定締約国官庁や国際事務局からの通知が送付されずに、場合によっては、請求が取り下げられたものとみなされる場合があります。
不備を早期に発見するためにも、定期的に、Madrid Monitorにおいて、国際登録簿の状況がどのようになっているかをウォッチングすることをお勧めします。
7-4 【問】国際登録簿の記録に誤りがあります。誤りを正したい場合は、どうすればよいですか。
【回答】
WIPO国際事務局は、名義人又は官庁の請求若しくは職権により、国際登録簿における国際登録に誤りがあると判断した場合には、国際登録簿を更正し、その旨を名義人及び更正が効力を有する締約国の官庁に通報します。更正を請求するには、同事務局に対して「記録の更正の請求書(MM21)(外部サイトへリンク)」をContact Madrid(外部サイトへリンク)を通じて送付するか、eMADRID(外部サイトへリンク)を利用して手続きを行ってください。
ただし、いかなる誤りも更正の対象となるというわけではありません。国際登録簿に記録されている指定締約国等のリスト又は商品・役務リストが出願人、名義人又は代理人により官庁に提出されたものと一致するときは、国際登録簿の不備とはみなされず、更正することができません。WIPO国際事務局の更正に関する運用の詳細については、WIPO Information Notice No.15/2016又は、ガイド(Guide to the Madrid System(外部サイトへリンク)) 797~802を御参照ください。
8.処理の継続について
通番 Q&A
8-1 【問】WIPO国際事務局に対して国際登録簿の記録の変更に関する請求をしたところ、欠陥通報を受領しました。欠陥通報で指定された応答期間を過ぎてしまいましたが、WIPO国際事務局に対して応答することはできますか。
【回答】
出願人や名義人がWIPO国際事務局に対する応答を期間内に行えなかった場合、関連する期間の満了日から2月以内に、200スイスフランの手数料とともに「処理の継続の請求書(MM20)(外部サイトへリンク)」をWIPO国際事務局に提出することで処理の継続を請求することができます(*)。処理の継続の請求が可能な手続は以下のとおりです。
  • 第11規則(2)及び(3):欠陥通報に対しての応答(出願人が是正すべき欠陥のみに適用)
  • 第20規則の2(2):ライセンスの記録の申請に関する欠陥に対しての応答
  • 第24規則(5)(b):事後指定の請求に関する欠陥に対しての応答
  • 第26規則(2):変更の記録及び取消しの記録の申請に関する欠陥に対しての応答
  • 第34規則(3)(c)(iii):個別手数料第二段階の料金納付の期間途過
  • 第39規則(1):承継国における国際登録の効果維持の請求に関する期間途過
9.更新手続について
通番 Q&A
9-1 【問】更新の手続において、国際登録名義人の名称、住所及び商品・役務のリスト変更等の国際登録の変更を含めることができますか。
【回答】
できません。
更新とは別の手続になります。国際登録への記録の変更や取消・放棄・限定が更新手数料額の算定や更新証明書の内容において考慮・反映されるためには、更新手数料の支払より前に変更の記録がなされるよう十分な期間の余裕を持って、WIPO国際事務局に「名義人の氏名若しくは名称又は住所の変更の記録の請求(MM9)」、「商品及び役務の一覧表の減縮の記録の請求(MM6)」等の変更請求の手続を行ってください。
なお、WIPO国際事務局は、更新の記録を満了日まで保留することなく、名義人が適正な手数料額を支払ったことを確認したときには速やかに国際登録の更新を記録します。
このため、更新が記録された後の国際登録の変更は、遡って考慮されることはありません。例えば、更新が記録された後に取消又は無効が国際登録簿に記録されたとしても、更新手数料の額が遡って再算定されることにはなりません。
名義人は、更新が記録された日から国際登録の満了日までの間に事後指定の記録を請求する場合には、追加の更新(complementary renewal)を請求し、新たに事後指定した締約国に対応する更新手数料を支払わなければなりません。または、新たに事後指定する締約国にかかる更新手数料を追加で納付することを避けるために、第24規則(3)(c)(ii)に従って、国際登録の新たな存続期間の開始時点で当該事後指定が発効するよう請求することも可能です。
参考)インフォメーション・ノーティス2022年第30号
9-2 【問】存続期間の満了日を過ぎても更新できますか。
【回答】
できます。
存続期間満了日以降でも、その日から6月以内であれば更新可能です。
ただし、この場合には、通常の更新に要する手数料に加え、基本手数料についての割増手数料(50%)の支払が必要です。
9-3 【問】(1)更新にかかる手数料の額が、支払日から更新期日の間に変更された場合には、どちらの手数料額を支払えばよいですか。
(2)早めに更新の申請をしましたが(存続期間満了日から6月より前)、その後満了日以前に更新手数料が値上げされました。値上げされた分との差額を追加して支払わなければなりませんか。
【回答】
(1)国際登録の更新に関して支払うべき手数料の額が、支払日から更新の期限の日の間に変更される場合には、支払日(又は下記(2)(b)で述べる支払日とみなされる日)に有効であった手数料が適用されます(共通規則第34規則(7)(d))。なお、WIPO国際事務局が満額を受領する日が同事務局に手数料が支払われた日とみなされます(共通規則第34規則(6))。
(2)この場合は、その不足分を追納しないと更新が認められません。
WIPO国際事務局に更新手数料を支払った日(共通規則第34規則(6)(a)及び(b))から更新期日の間に、更新手数料の変更があった場合、適用される更新手数料額は以下のとおりとなります(共通規則第34規則(7)(d))。
  • (a)更新期日の6月前以降に更新手数料を支払った場合は、支払日に有効な金額が適用されます。
  • (b)更新期日から6月よりも前に更新手数料を支払った場合は、更新期日の6月前に支払われたものとみなされ、更新期日の6月前に有効な金額が適用されます。
満了日以降に支払った場合は、満了日に有効であった金額が適用(別途、割増手数料が必要)されます(共通規則第34規則(7)(d))。
9-4 【問】存続期間の6月前に更新の申請をしました。更新された旨のお知らせ等をすぐに受領できますか。
【回答】
2022年11月1日発効の議定書共通規則改正に伴い、WIPO国際事務局は、運用を変更しました。WIPO国際事務局は、更新の記録を満了日まで保留することなく、名義人が適正な手数料額を支払ったことを確認したときには速やかに国際登録の更新を記録し、更新証明書を発行し、指定締約国に対して通報を行います。
当該運用の変更が、国際登録期間の新たな存続期間に影響を与えることはありません。新たな存続期間は、前の存続期間の満了日から10年です(議定書第7条(1))。
参考)インフォメーション・ノーティス2022年第30号
9-5 【問】更新申請時の手数料計算において、どのような点に注意したらよいですか。
【回答】
WIPO国際事務局に支払う更新手数料は、基本手数料、付加手数料、並びに、追加手数料又は個別手数料があります。個別手数料及び追加手数料の計算に際しては、以下の点に注意してください。
(1)個別手数料の徴収を宣言していない指定締約国
国際登録の存続期間の満了日の時点で国際登録簿に記録されているメイン・リストの区分数で追加手数料(Supplementary Fee)の適正額を計算する必要があります。すなわち、指定締約国に係る無効、限定又は最終処分は、追加手数料の計算に影響しませんが、他方、一部取消(Partial Cancellation)の記録により取り消された区分については、国際登録簿から取り除かれていますので、追加手数料の計算には含めません。なお、個別手数料の徴収を宣言していない指定締約国については、別途、付加手数料(Complementary Fee)が国の数に応じてかかります。
(2)個別手数料を徴収する指定締約国
  1. 個別手数料(Individual Fee)を徴収する指定締約国別に、更新される商品・役務の区分数により個別手数料の適正額を計算します。すなわち、指定国による最終処分(共通規則第18規則の3)において一部の商品・役務についてのみ保護が認められている場合には、保護が認められている商品・役務の区分数で個別手数料を計算します。
  2. 指定国による最終処分において全ての商品・役務について保護が拒絶されている場合であって、当該指定締約国について更新することを希望する場合には、eMADRID(外務サイトへリンク)又は更新の申請書(MM11)第3欄において、当該指定締約国のボックスをチェックすることにより、その旨表示しなければなりません。この場合には、全ての商品・役務の区分数で個別手数料を計算します。
  3. ただし、一部取消し(Partial Cancellation)、当該締約国に係る一部無効(Partial Invalidation)、限定(Limitation)が記録されている場合は、更新されない商品・役務の区分については個別手数料の計算には含めません。
(3)更新にかかる個別手数料は頻繁に変更されます。更に、問 9-3で述べたように、更新手数料の支払い時期により、適用される個別手数料の額が決定されますので、手数料を計算する際には、どの手数料額が適用されるかに十分注意してください(Fee Calculator(外部サイトへリンク)で計算する場合は、“For date”において適切な日付を選択してください)。
国際登録簿の更新に関する運用の詳細については、Madrid Highlights, No.4/2014(PDF、外部サイトへリンク)を御参照ください。

指定国官庁への手続に関する質問

10.暫定的拒絶通報等に関する手続について
通番 Q&A
10-1 【問】暫定的拒絶通報は誰に送付されますか。
【回答】
日本国特許庁は、暫定的拒絶通報をWIPO国際事務局に送付し、暫定的拒絶通報の写しが同事務局から国際登録の名義人(IB代理人がいる場合はIB代理人)に送付されます。
なお、通報時に国内代理人が受任している場合は、国内商標法に基づき、日本国特許庁から拒絶理由通知書を国内代理人にも同時に送付します。
10-2 【問】暫定的拒絶通報に対する応答として手続補正書を提出できる期間はいつまでですか。また、提出書類は応答期間の末日までに日本国特許庁に到達する必要がありますか。
【回答】
(1) 国際登録日又は事後指定日が2020年3月31日以前の国際商標登録出願の場合
令和元年法律第3号改正前の商標法第68条の28第1項の規定により暫定的拒絶通報又は拒絶理由通知書において指定された3月の期間内です。期間の計算は、発送日の翌日を起算日として3月までの期間内であれば日本国特許庁に手続補正書を提出することができます。
応答する末日が土曜日・日曜日又は国民の祝日にあたる場合は、翌開庁日に手続することが可能です。
また、郵便又は信書により日本国特許庁に提出する場合は、応答する満了の日までに発信されれば問題ありません。(発信日が不明の場合到達日と取り扱われますので、発信が証明できる書留の利用をお勧めします。)
(2) 国際登録日又は事後指定日が2020年4月1日以降の国際商標登録出願の場合
商標法第68条の28第1項の規定により、暫定的拒絶通報又は拒絶理由通知書が発送された後、事件が審査、審判又は再審に係属している間は、日本国特許庁に手続補正書を提出することができます。
10-3 【問】暫定的拒絶通報に対する応答期間を延長することはできますか。
【回答】
商標法第68条の28第1項の規定により暫定的拒絶通報において指定された期間は、期間の満了前、経過後それぞれ1回の請求が認められます。
  1. 暫定的拒絶通報の応答期間内に行う期間延長請求(商標法第77条第1項において準用する特許法第5条第1項): 1ヶ月の応答期間の延長が認められます(手数料:2,100円)。
  2. 暫定的拒絶通報の応答期間経過後に行う期間延長請求(商標法第77条第1項において準用する特許法第5条第3項): 2ヶ月の応答期間の延長が認められます(手数料:4,200円)。
※期間満了前の請求により1ヶ月期間延長がなされ、当該延長後の応答期間が過ぎた後でも、省令で定める期間(2ヶ月)内に請求をすれば、2ヶ月の追加延長(合計で3ヶ月の延長)が認められます。
※ただし、令和4年1月1日以降に発送された審査段階における暫定的拒絶通報に対して、当初の応答期間内又は応答期間内に延長請求した場合の延長された応答期間内に意見書を提出したときは、応答期間経過後の延長請求はできません。
※期間が延長される場合は、本来の期間と延長期間は一体を成します。延長された全体の期間の満了の日が休日にあたるときは、翌開庁日をもって期間の末日となります。
10-4 【問】手続補正書を提出するほかに、指定商品(役務)を補正する方法はありますか。
【回答】
事件が日本国特許庁に係属している場合は、直接WIPO国際事務局に対し日本についての国際登録の指定商品(役務)を限定する「商品及び役務の一覧表の減縮の記録の請求書(MM6)」を提出することができます。
MM6を提出する際には、意見書若しくは上申書によりその旨を担当審査官に伝えることをお勧めします。
10-5 【問】暫定的拒絶通報の応答期間経過後に日本国特許庁から審査官通知を受け取った場合、その応答として手続補正書を提出することはできますか。
【回答】
国際登録日又は事後指定日が2020年3月31日以前の国際商標登録出願の場合、指定商品(役務)を補正する手続補正書の提出は、令和元年法律第3号改正前の商標法第68条の28第1項の規定により暫定的拒絶通報又は拒絶理由通知書において指定された3月の期間内に限られるため、審査官通知への応答として手続補正書を提出することはできません。なお、事件が日本国特許庁に係属している場合は、WIPO国際事務局に対し日本についての国際登録の指定商品(役務)を限定する「商品及び役務の一覧表の減縮の記録の請求書(MM6)」を提出することができます。
国際登録日又は事後指定日が2020年4月1日以降の国際商標登録出願の場合、審査官通知への応答として、手続補正書を提出することができます。
なお、提出期限等は審査官通知の指示に従ってください。
10-6 【問】意見書に添付すべき証拠書面を手続補足書で提出できますか。
【回答】
指定国官庁への手続は特定手続ではないため手続補足書による手続は認められません。意見書の【提出物件の目録】欄を利用し、提出してください。
11.日本国を指定する国際商標登録出願における新しいタイプの商標の取扱いについて
通番 Q&A
11-1 【問】日本国を指定する国際商標登録出願において、新しいタイプの商標の保護を求めることはできますか。
【回答】
国際商標登録出願においては、商標法第68条の9第1項によりみなされた商標登録出願の日(国際登録の日又は事後指定の日)が平成27年4月1日以降のものについて、新しいタイプの商標の保護を求めることができます。
11-2 【問】新しいタイプの商標については、商標の詳細な説明の記載や物件の提出が義務付けられていますが、日本国を指定する国際商標登録出願の場合、商標の詳細な説明の記載や物件の提出はどのようにすればよいでしょうか。
【回答】
日本国を指定する国際商標登録出願については、国際登録簿上の「色彩に係る主張に関する情報」(色彩のみからなる商標の場合に限る。)及び「標章の記述」を商標の詳細な説明とみなす規定を設けています。
また、物件については、国際商標登録出願の場合、国際登録簿上に実際の音(音声ファイル)は記録されていないため、新たな様式(商標法施行規則様式第9の2)「商標法第5条第4項の物件提出書(国際商標登録出願)(PDF:33.6KB)」に物件を添付して、書面で提出していただくことになります。この物件の提出は、音商標について商標を特定するための暫定的拒絶通報への応答として提出することが考えられますが、WIPO国際事務局から日本国特許庁に指定通報が送付された後であれば、暫定的拒絶通報の通知前でも当該物件提出書で提出することができます。
11-3 【問】国際登録簿に記録された「標章の記述」(Description of the mark)を補正することはできますか?
【回答】
日本国を指定する国際商標登録出願については、国際登録簿上の「色彩に係る主張に関する情報」(Information concerning colors claimed)(色彩のみからなる商標の場合に限る。)及び「標章の記述」(Description of the mark)を商標の詳細な説明とみなす規定を設けています。商標の詳細な説明は、手続補正書により日本語で補正することができます。なお、商標の詳細な説明の補正は、国際登録簿に記録された「標章の記述」(Description of the mark)等を変更するものではありません。
12.代理権を証明する書面(委任状)について
通番 Q&A
12-1 【問】委任状に記載すべき事項を教えてください。
【回答】
以下を記載してください。
  1. 委任者の氏名(法人の場合は名称及び代表者名。住所の記載は、任意)
  2. 事件の表示として国際登録番号(商標法施行規則第5条の2)
  3. 委任事項
  4. 作成日又は委任日
  5. 委任する代理人名
なお、委任者の氏名及び住所は(委任者が日本人/日本法人の場合を含め)国際登録簿に記載された文字と同一の文字で記載してください。(商標法施行規則第5条の3)
12-2 【問】委任状に委任者の押印/署名は必要ですか。また、委任状の写しを提出することは可能ですか。
【回答】
押印/署名は不要です。
ただし、委任者(法人の場合は、代表者)の記名は必要です。記名は明瞭に記載されていれば、手書き、タイプ印字を問いません。
また、委任状の写しを提出することも可能です。
12-3 【問】国際商標登録出願で使用した委任状を、新たに事後指定した案件にも援用できますか。
【回答】
援用できません。
別事件となりますので新たな委任状が必要です。
12-4 【問】意見書の提出だけを代理することができますか。
【回答】
できます。
代理人受任届は提出せず、意見書に代理権を証明する書面を添付して提出してください。この場合、当該手続のみの限定代理人として扱われます。従って、特許庁からの送付書類は出願人に直接送付されます。
12-5 【問】暫定的拒絶通報の応答に際して委任状を添付しないで代理人受任届、意見書及び手続補正書を提出しましたが、手続補正指令の対象となりませんか。
【回答】
手続補正指令の対象となります。
手続補正指令書の発送予定日の数日前までに委任状を追加する手続補正書(方式)が確認できなかった場合、手続補正指令書の発送と手続補正書(方式)の受領について、行き違いが生じることがあります。その際には、その旨、担当者までご連絡頂くようお願いいたします。
12-6 【問】WIPO国際事務局に国際登録の名義人の名称・住所の変更を目的とした「名義人の氏名又は住所の変更の記録の請求書(MM9)」を提出しましたが、まだ変更が国際登録簿に記録されていません。委任状の委任者の名称・住所は変更後のものですが、問題ないでしょうか。
【回答】
問題ありません。
ただし、提出書類に記載の名義人の名称・住所は国際登録簿上の情報と同一でなければ有効な委任状として認めることができませんので、手続書類に【その他】欄を設け、WIPO国際事務局にMM9を提出している旨を記載してください。その場合、指定国官庁はWIPO国際事務局に提出された書類の審査状況をMadrid Monitor等で確認し、WIPO国際事務局からの通報を待って処理を行います。
なお、手続から相当期間を経過しても変更の記録がMadrid Monitorで確認できないときには、手続補正指令を行うこともあります。
12-7 【問】包括委任状の委任事項に、当該委任状の有効期限の記載がありますが、その期限を経過していても、新たな事件に当該包括委任状番号は使用できますか。
【回答】
有効期限を経過した包括委任状は使用できません。
13.個別手数料の第二段階部分(登録料相当分)について
通番 Q&A
13-1 【問】保護認容の声明を受領しました。登録料を支払わなければなりませんか。
【回答】
(1)出願日が2023年3月31日以前の出願又は事後指定の場合
二段階納付制度が適用されるため、WIPO国際事務局に対し個別手数料の第二段階部分(登録料相当分)の納付が必要です。WIPO国際事務局から送付される支払通知に従い、納付してください。
(2)出願日が2023年4月1日以降の出願又は事後指定の場合
一括納付制度が適用されるため、個別手数料の第二段階部分(登録料相当分)の納付は不要です。
13-2 【問】出願日が2023年3月31日以前の出願又は事後指定の場合、個別手数料の第二段階部分(登録料相当分)の支払通知は、誰に送付されますか。また、支払期限はいつまでですか。
【回答】
支払通知は、保護認容声明と同様、WIPO国際事務局経由で出願人(IB代理人がいる場合はIB代理人)に送付されます。
なお、手数料の支払期限は、日本国特許庁発送日から3月です。
13-3 【問】個別手数料の第二段階部分(登録料相当分)について、期限を失念し支払いを忘れてしまいました。救済措置はありますか。
【回答】
手数料の納付を失念した場合、納付期限から2月以内にWIPO国際事務局に(1)個別手数料の第二段階部分(登録料相当分)の納付、(2)「処理の継続」の申請書(MM20)(外部サイトへリンク)の提出、(3)処理の継続の手数料(200スイスフラン)の納付を行うことにより、当該手続が救済されます。
処理の継続が申請できる期間内にWIPO国際事務局に、前記(1)から(3)までの手続及び満額手数料の納付を行わなかった場合は、指定国日本に係る国際登録については、料金未納により取り消されます。(手数料が満額支払われていなかったとしても、WIPO国際事務局より欠陥通報は送付されませんので注意が必要です)
料金未納により取り消された国際登録について、日本に対し標章の保護を求めたいときは、日本を指定した事後指定書(MM4)をWIPO国際事務局に提出してください。ただし、この場合は、事後指定日にされた商標登録出願とみなされるため、料金未納で取り消された出願から出願日が繰り下がります。
13-4 【問】個別手数料の第二段階部分(登録料相当分)を納付するにあたり、保護が認められた区分数より少ない区分数で手数料を納めることはできますか。
【回答】
手数料納付手続と同時に区分数を減らすことはできません。
事前にWIPO国際事務局に「商品及び役務の一覧表の減縮の記録の請求書(MM6)」を提出し、不要な区分を削除した後、手数料を納付してください。
13-5 【問】登録証はいつ誰に送付されますか。
【回答】
(1)出願日が2023年3月31日以前の出願又は事後指定の場合
出願人又はIB代理人が個別手数料の第二段階部分をWIPO国際事務局に支払い、その支払いがあった旨の通報を国際事務局から受けた後、日本国特許庁は商標権の設定の登録を行います。その後、国内商標法に基づいて、商標登録証を商標権者(又は国内代理人)に送付します。
(2)出願日が2023年4月1日以後の出願又は事後指定の場合
日本国特許庁は登録査定後に商標権の設定の登録を行います。その後、国内商標法に基づいて、商標登録証を商標権者(又は国内代理人)に送付します。
14.基礎終了による国際登録の取消し(セントラルアタック)に伴う国内出願への転換について
通番 Q&A
14-1 【問】基礎出願/登録の終了による国際登録の取消し後の国内出願への転換出願に関して、「国際登録が取り消された日」とはどこで確認できますか。
【回答】
WIPO国際事務局から送付される取消しの通知(Cancellation)に記載された「国際登録簿に記録された日(Date of recordal in the International Register)」で確認できます。当該日付から3月以内に限り国内出願への転換出願が可能です。
14-2 【問】基礎出願/登録の終了による国際登録の取消し後の国内出願への転換出願をする場合、商標登録願にどのように記載すればよいですか。
【回答】
願書の【手数料の表示】の欄の次に以下のように記載してください。
  • 【その他】
  • 商標法第68条の32第1項の規定による商標登録出願
  • 国際登録第○○○○○号
(事後指定の場合は、「事後指定が記録された日も記載(例:○○○○年○月○日に事後指定が記録された国際登録第○○○○○○号)」)
15.拒絶査定不服審判請求について
通番 Q&A
15-1 【問】拒絶査定不服審判請求の請求期間について、期間延長請求はできますか。
【回答】
在外者であっても延長は認められません。
拒絶査定謄本の送達日から3月以内に審判請求をしてください。
15-2 【問】拒絶査定後、審判請求の前に区分を削除するMM6をWIPO国際事務局に提出した場合、審判請求手数料は削除後の区分数に応じた額で納付すればよいですか。

【回答】
はい、削除後の区分数に応じた額で納付してください。
ただし、その際には証明としてWIPO国際事務局に提出したMM6の写しを審判請求書に添付してください。同事務局から指定国官庁に送付された通報(Limitation)に記載された「国際登録簿に記録された日(Date of recordal in the International Register)」が審判請求日より前であった場合、審判請求手数料は、Limitation後の区分数に応じた金額が適用されます。
通常、「国際登録簿に記録された日」は、WIPO国際事務局がMM6を受理した日ですが、MM6の申請に関して欠陥があった場合は、欠陥が解消された日に繰り下がります。
「国際登録簿に記録された日」が審判請求後の日付であった場合は、審判請求手数料は拒絶査定時の区分数に応じた額が適用されますので、ご注意ください。

[更新日 2025年3月26日]

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