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Vol.52
広報誌「とっきょ」2022年3月10日発行号

特集1:西日本旅客鉄道株式会社

“20年後のありたい姿”を実現するために
オープンイノベーションが変える鉄道サービスの未来とは

イノベーションを支える知財戦略

西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 長谷川一明 氏 これらオープンイノベーションを推進し、共創活動を繰り広げていく上で、それを支える知財戦略も非常に重要になっています。共創活動を進める上では、知財という形で当社の技術を示せない限り、積極的な対話もできず、相手にも当社の価値を認めていただけません。また、自身の知財の体系を整理し、見える化を進めなければ、世の中の技術動向の把握、必要な打ち手の方向性についても、見極められません。現在、鉄道の安全・安定な持続的運営に貢献するための「守り」の知財と、社会適用性が高く新規価値創出の可能性が見込まれるものに対する「攻め」の知財化を意識し、知財取得の促進を図っています。今後は、知財のポートフォリオ化を進め、経営戦略・事業戦略の立案・意思決定へ、ますます活用をしていきます。

オープンイノベーションが鉄道事業の未来をつくる

コロナ禍で、社会行動変容や人々の価値観というものも変わってきております。これはおそらく不可逆的な、大きな社会構造の変化が起きているということだと考えています。

例えば、これから多拠点勤務、多拠点居住という指向はどんどん進んでいきますので、より多角的にお客さまのニーズに応えられるような商品・サービスの提供が必要になるのではないでしょうか。鉄道以外の関連サービスとの組み合わせによって、より良い価値を創造できるはずです。

このように、将来にわたり安全安定な鉄道輸送を提供し続けるため、構造改革とともに、新たな価値創造にチャレンジしていかなければなりません。その鍵となるのがオープンイノベーションです。自前主義にこだわらず、いろいろな企業と組み、それぞれ得意とする技術や仕組みを組み合わせる。そして、磨きをかけた新しいサービス・価値を提供することで、お客さまからの信頼を頂き、選んでいただける企業であり続けたいと考えています。

車いす段差解消機構
株式会社小松製作所と共同開発を進める「車いす段差解消機構」。先端の可動部がセンサーによって車両床面に対して自動的に張り出し、ホームと車両間の段差や隙間をなくす仕組みとなっている。
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