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Vol.54
広報誌「とっきょ」2022年10月11日発行号

特集1:三菱マテリアル株式会社

再生可能エネルギーと
カーボンニュートラルで地球を守る

 銅関連を中心に原料調達から加工までを手掛け、その他資源に関する幅広い事業を展開する三菱マテリアル。地熱発電や水力発電といった自然由来のエネルギーを古くから活用してきた同社が現在力を入れている再生可能エネルギーとカーボンニュートラルへの取組を、執行役社長の小野直樹氏に伺いました。

TOP RUNNER INTERVIEW
三菱マテリアル株式会社 執行役社長 小野直樹氏

三菱マテリアル株式会社 執行役社長

小野おの 直樹なおき

京都大学工学部卒業後、1979年4月三菱鉱業セメント(現・三菱マテリアル)に入社。主にセメント事業を手掛けた後に、 2014年4月に常務執行役員・セメント事業カンパニープレジデント、同年6月に常務取締役に就任。取締役副社長執行役員・経営戦略本部長などを経て、19年6月より現職。

PROFILE

三菱マテリアル株式会社	社屋外観

三菱マテリアル株式会社 三菱グループのルーツである九十九商会の炭鉱・鉱山業への進出が起源。非鉄金属素材の提供や、⾦属加⼯、半導体関連・電⼦部品、エネルギー・環境ビジネスなど多⾓的に事業を展開。 [所在地] 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号
[TEL] 03-5252-5200
[URL] https://www.mmc.co.jp/corporate/ja(外部サイトへリンク)
[設立年] 1950年(創業1871年)
[業種] 非鉄金属製造
[従業員数] 23,711人(2022年3月末、連結)

地熱発電の開発で
日本の地熱資源を生かす

ひと口に再生可能エネルギーと言ってもいろいろありますが、日本の地理的な特性を考えると、太陽光や風力以外の方法も積極的に活用していく必要があるのではないでしょうか。ヨーロッパや中国と違い、日本では太陽光パネルや風車を設置できる場所が限られています。地熱資源に恵まれている日本では、やはり地熱発電に一番大きな可能性がある。そういった考えから、当社では、パートナー企業と協力して地熱発電の開発に取り組んでいます。

その一つが、2019年5月に運転を開始した秋田県湯沢市の山葵沢地熱発電所です。日本では数十年ぶりの4万キロワットを超える発電量を誇る大規模発電所で、年間発電量は、一般家庭約9万世帯分の消費電力に相当します。私たちの主な役割は、地熱を持った岩体がどこにあるか探し出し、どれくらいの熱を持っているかを評価すること。そして、ターゲットとなる岩体にめがけてボーリングを行います。地熱発電では、このボーリング孔から蒸気を取り出し、タービンを回すことで発電しています。

地熱発電と並行して力を入れているのが、バイオガス発電です。レストランや食料品店から集めてきた食品廃棄物を、専用のタンクに入れて発酵させることで、バイオガスを生成し、このバイオガスを用いて発電する仕組みです。発酵させた後の廃棄物は、当社グループで製造しているセメントの副原料として使いますので、二次的な廃棄物が発生することもありません。こちらの発電プラントも、2020年9月に稼働を開始しています。

一方で食品廃棄物を遠い距離まで運ぶというのも非効率で、これからは物を移動する距離を小さくすることもCO2の削減にとっては重要になると考えています。そこで、バイオガスの発電プラントを地域ごとにつくり、「地産地消のような形で発電利用できる、小さな循環型社会を形成する」そんな構想を描いています。

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