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特集1:三菱マテリアル株式会社
再生可能エネルギーとは別の軸で、金属資源のリサイクルも積極的に進めています。日本のように金属資源が少ない国にとって、パソコンや携帯電話などに含まれている銅をはじめとする金属を回収してまた使える形に加工する技術は、経済的な意味でも安全保障的な意味でも重要になると思います。また、原産国から鉱石を船で輸送してくる必要がなくなるため、その分CO2排出の抑制にもつながります。
ただし、事業活動する上でCO2の排出をゼロにするのは極めて難しい。発想を転換して、CO2を有効利用する方向にも目を向けないといけません。そこで私たちが取り組んでいるのが、CO2から炭素を取り出す分解・資源化の技術です。取り出した炭素は、タイヤの材料や電子機器に使われる炭素ナノ材料として使用することで、二酸化炭素を資源として有効活用できる。そんな仕組みを現在研究しているところで、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として採択されています。こちらの技術は積極的に国内外に特許出願しており、特にシステム全体をカバーする発明は世界で権利化するために、PCT国際出願をしています。