ふくしまイノベーション「企業ファイル」
2024年1月、特許庁は福島県及び公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構と、知的財産の保護及び活用に関する連携協定を締結しました。知財で福島の新しい時代を切り開く企業やプロジェクトを紹介します。
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ふくしまイノベーション「企業ファイル」
2024年1月、特許庁は福島県及び公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構と、知的財産の保護及び活用に関する連携協定を締結しました。知財で福島の新しい時代を切り開く企業やプロジェクトを紹介します。
FILE #6
會澤高圧コンクリート株式会社
會澤高圧コンクリートは1935年創業、「脱炭素第一」を経営モットーに革新的な挑戦を続ける総合コンクリートメーカーです。2023年には、研究開発からプレキャストの製造・社会実装までを担う拠点として「福島RDMセンター」を浪江町に設立。同センター長の青木 涼取締役副社長は、「当センターでは設立以来毎年、技術発表のためのイベントを開催しており、浪江町との連携によって毎年500名近い関係者が来場して新たなイノベーションのきっかけを生み出しています。復興過程にある浪江町で、関係人口の増加に貢献できるとともに、当社としても事業の『主体者』としても大きなメリットと感じています」と語ります。
同社では、約20年前に「技術開発室」を設置したことをきっかけに、知財取得を推進。現在では、技術開発と特許出願がセットであるという意識が社員全体に浸透していて、特許取得が新たな技術開発へのモチベーション向上につながり、好循環が生まれています。
「当社では、特許は新しい技術開発には必然的に伴うものと捉えており、特許取得の初期プロセスから弁理士と議論することで、技術内容の〝解像度〟が上がり、曖昧だったアイデアが明確になるというメリットを実感しています。私は、中小・地方企業こそ地域の課題から独自の技術を生み出す強みがあり、知財はその技術を守り発展させるための〝切り札〟と認識し、攻めと守りの両面で知財を積極的に活用しています。また、海外事業においては、特許の取得数自体が企業の価値を示す指標となるケースもあるため、積極的な取得を推進しています。今後も、福島県民が必要とする開発を浪江町と協力して進めるとともに、海を活用したコンクリート材料の製造やエネルギー生成といった新たな構想の実現に向けて、地域の企業と連携しながら新技術を生み出すことを目指していきます」(青木副社長)
また、同社では、浪江町との連携協定を通じて、福島県の補助金も活用しながら精密避難支援システム「The Guardian」の開発を進めています。
「ロボットテストフィールド(南相馬市)に設置した拠点を利用しての長距離飛行試験など、地域のインフラを活用させていただきながらチャレンジしています」(同社常務執行役員・デジタル経営本部の嘉津山 公一副本部長)

2024年4月に福島県浪江町で開催の自社イベント「結」で、避難支援誘導システム「The Guardian」を浪江町に実装し、スマホアプリの映像を会場のスクリーンに投影

「TheGuardian」にリアルタイムで情報映像を送る超無人機「AZ-1000」は1000ccのガソリンエンジンを搭載する
ライセンサーとして、ライセンシーとして知財を幅広く活用
「TheGuardian」では中核技術の「河川氾濫予測方法」で特許権を保有する一方、自己治癒コンクリート「Basilisk」ではオランダのデルフト工科大学の特許をライセンシーとして活用し、日本国内での独占販売権を取得し、事業化を進めています。柔軟な知財活用戦略は、同社が先端技術を社会実装し、事業領域を拡大する上で重要な基盤となっています。
自己修復した「Basilisk」の様子
Interview 01
衣服のシステム化
スマートアパレルという未来の可能性に「知財」を「投資」する!
株式会社Xenoma
東京大学発のベンチャー企業Xenomaは、伸縮性エレクトロニクス技術を核に、衣服そのものをセンサーとするスマートアパレル「e-skin」を開発しています。日常の衣服と変わらない着心地と耐久性を実現し、ヘルスケアや産業分野に革新をもたらしつつある「e-skin」。アパレルの未来を、どのように知財戦略が彩るのか。代表取締役CEOの網盛一郎さんにお話を伺いました。
Interview 02
ヒントはクモの糸
新素材技術で拓き、知財が支える、持続可能なウェルビーイングへの貢献
Spiber株式会社
クモの糸の強さやしなやかさから着想して生まれた次世代タンパク質「Brewed Protein™素材」の開発を通じて「持続可能なウェルビーイング」への貢献を目指す大学発ベンチャーSpiber。知財を多角的に活用し、人と自然の双方にとって健やかで持続可能な暮らしの実現を目指す同社の取組について聞きました。
知財が広げた医療参入の可能性
長年培ったニット技術を発展させ、人工血管や心・血管修復パッチを開発
福井経編興業株式会社
衣料から医療へ。長年にわたりファッション衣料向け製品を手掛けてきた衣料メーカーが取り組む、医療分野への挑戦を紹介します。
知財支援はINPITにおまかせ!
株式会社橋口加工食品研究所
「INPIT知財総合支援窓口」は独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が、47都道府県に設置している地域密着型の相談窓口です。中小企業をはじめとした企業の皆さまの経営課題解決に向け、自社のアイデア、技術、デザイン、ブランドなどの“知財”の面から支援を行います。
新しいタイプの商標が登録可能に
2025年は、日本で専売特許条例が公布されてから140年となります。これを記念して、2015年から2025年までの10年間における印象的な出来事と、現役職員の振り返りを連載していきます。
先行技術文献調査のプロ集団「登録調査機関」
インタビュー動画を公開!
特許庁広報室YouTubeチャンネル「JPOちゅーぶ」では、2025年11月現在登録されている9つの登録調査機関へのインタビュー動画を公開しています。登録調査機関は、よりスムーズに、より質を高く、特許審査が行われるように支えています。
知財セミナー「つながる特許庁」を全国9都市で開催! 特設サイトで事前申込を受付中(会場&オンライン参加)
地域団体商標に登録された各地の名産品が大集合 「魅力発見!地域ブランドフェスタ」を開催
EXPO2025 JPO-WIPO AWARDの受賞者を決定
ふくしまイノベーション「企業ファイル」FILE#06
會澤高圧コンクリート株式会社
2024年1月、特許庁は福島県及び公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構と、知的財産の保護及び活用に関する連携協定を締結しました。知財で福島の新しい時代を切り開く企業やプロジェクトを紹介します。
唯一無二の機能で
もう一度履きたくなる靴下
西垣靴下株式会社
さまざまなカタチで暮らしに進化をもたらす知財たち。新たなアイデアによって生まれた多彩なアイテムを紹介します。