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2024年11月27日
欧州特許庁(EPO)、日本国特許庁(JPO)、及び米国特許商標庁(USPTO)は、10月14日、東京にて第42回三極特許庁長官会合(*)を開催しました。また、この会合の一環として、同日、日米欧の三極ユーザー団体(IT3: Industry Trilateral**)を招待し、三極特許庁長官・ユーザー会合を開催しました。
また、JPOは、10月15日にEPO、USPTO、及び世界知的所有権機関(WIPO)とそれぞれバイ会合を実施し、意見交換を行いました。
さらに、JPOは東京科学大学と協力し、大学で生まれた技術を産業界に技術移転するプロセスにおける多様な知財マネジメントの実態について議論する国際シンポジウムを、10月15日に開催しました。JPOからは小野長官が参加し、開会挨拶と、パネルディスカッションへの登壇をいたしました。
左から、USPTO(ヴィダル長官)、日本国特許庁(小野長官)、EPO(カンピーノス長官)WIPO(ヨーゲンセン事務局次長)
三極特許庁長官会合(以下、「長官会合」)及び三極特許庁長官・ユーザー会合(以下、「長官・ユーザー会合」)の会合では、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」をテーマに、知財と経営の戦略的統合を知財庁がどう支援するかについて議論を行いました。
午前に実施された長官・ユーザー会合では、三極特許庁がIT3およびWIPOとともに、ビジネス成長のための知財の戦略的活用について議論しました。IT3は企業の立場から成功事例を紹介し、三極特許庁、IT3、およびWIPOは、これらの事例を一般にどのように共有できるかについて議論しました。また、三極特許庁はIT3へのフィードバックとして、企業がビジネスマネジメントに合致した知財戦略を開発するための支援や取り組みを説明し、それらの意義を強調しました。
さらに、三極特許庁はIT3に対し、審査実務や統計の作成におけるAIの活用や、審査官に対するAIについての技術的トレーニングを含む、内部でのAI利用に関するそれぞれの方針を説明しました。
午後に実施された長官会合では、三極特許庁とWIPOがSDG9に関連する特許の質に焦点を当てた議論を行いました。高品質な特許が戦略的な知財管理の基盤であることを再確認した上で、三極特許庁は、高品質な特許を付与するためのそれぞれの取り組みに関する情報を交換し、高品質な特許を付与する上での知財庁の役割についての相互理解を深めました。
また、三極特許庁およびWIPOは、三極の今後の協力活動の内容について、特許を自らのビジネスに上手く役立てる事が出来た事例をストーリーとしてユーザーに共有する方法や、特許を多く生み出した産業(特許集約産業)の経済特性に関する分析を進める方法など、様々なアイデアを共有し、今後の協力活動の方向性を議論しました。
JPOは、EPO、USPTO、及びWIPOとバイ会合を実施しました。
EPOとは、欧州統一特許※1制度に関する議論を行うとともに、EPOからDE&I※2に関する最新の取組の紹介等がありました。
WIPOとは、WIPOのDE&Iに関する活動への協力について議論を行うとともに、JPOにおけるePCT※3の導入に向けた検討を本格的に行うべく、WIPOとJPOで認識を共有する共同意図表明(Joint Statement of Intent)に署名を行いました。
USPTOとは、日米間の審査協力に関する議論を行うとともに、USPTOからDE&Iに関する最新の取組の紹介等がありました。
JPOは東京科学大学との共催で、大学で生まれた技術を産業界に技術移転するプロセスにおける多様な知財マネジメントの実態について議論する国際シンポジウムを東京にて開催しました。シンポジウムの開催概要と登壇者情報については「三極特許庁長官・ユーザー会合 国際シンポジウム ~知的財産と技術移転:成長するイノベーションエコシステムの構築~」をご参照ください。
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[更新日 2025年3月7日]
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