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「正当な理由」による期間徒過後の救済について(令和5年3月31日以前に期間徒過した手続)

(注)「正当な理由」による期間徒過後の救済は、令和5年3月31日以前に期間徒過をした手続が対象です。

令和5年4月1日以降に期間徒過をした手続については、以下のリンク先をご参照ください。
「故意によるものでないこと」による期間徒過後の救済について

新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における「正当な理由」による救済について
(令和2年4月24日から令和5年5月9日までに期間徒過をした手続が対象)

法令上、「正当な理由」による期間徒過後の救済が定められた手続については、「期間徒過後の救済規定に係るガイドライン(令和3年4月26日改訂版)」が定められています。

同ガイドラインの運用に当たっては、原則として回復理由書に記載した事実(特に、認容/却下の判断に影響する事実)を裏付ける証拠書類の提出を求めていますが、令和2年4月24日より令和5年5月9日までの間に期間を徒過した手続において、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた場合における「正当な理由」の判断については、証拠書類の提出は必須としません。そして、手続をすることができなかった手続の期限から、新型コロナウイルス感染症のまん延の影響を受けたとは考えにくい場合等を除き、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた旨が記載されている場合は、救済を認めることとしています。

具体的な回復申請手続につきましては、以下リンク先をご参照ください。

新型コロナウイルス感染症により影響を受けた手続における「その責めに帰することができない理由」、「正当な理由」、「故意によるものでないこと」による救済について

なお、新型コロナウイルス感染症の影響以外の事情における「正当な理由」の場合は、以下「2. 救済制度の概要」のとおりです。

1. 救済規定の沿革

平成23年に公布された特許法等の一部を改正する法律(平成23年法律第63号。以下「平成23年改正法」という。)により、所定の手続期間を徒過した場合における救済手続が整備されました。これにより、従来から規定のあった特許料等の追納期間等を徒過した場合における救済については、特許法条約(Patent Law Treaty)に整合した制度とするため、救済の主体的要件を、期間内に手続をすることができなかったことについて「その責めに帰することができない理由(以下「不責事由」という。)」から緩和して「正当な理由」があるときとする一方で、外国語書面出願及び外国語特許出願(PCT)の翻訳文の提出等、救済の対象となる手続が追加されました。また、所定の期間内に手続をすることができなかったことについて「正当な理由」があるときは、その理由がなくなった日から2月以内で期間の経過後1年以内(商標に関しては6月。以下「救済手続期間」といいます。)であれば所定の期間徒過後の手続が許容されるように、時期的要件についても緩和されました。

平成26年に公布された特許法等の一部を改正する法律(平成26年法律第36号。以下「平成26年改正法」という。)により、手続期間を徒過した場合における救済手続の対象に出願審査の請求が追加されるとともに、優先権の主張を伴うことができる特許出願(実用新案登録出願)をすべき期間を徒過したことについて「正当な理由」があり、その期間を経過した日から2月以内にその出願をした場合、当該2月以内(以下「優先権の回復期間」という。)であれば優先権の回復が認められることになりました。

平成27年に公布された特許法等の一部を改正する法律(平成27年法律第55号。以下「平成27年改正法」という。)により、救済手続の対象に国際特許出願の特許管理人及び国際実用新案登録出願の実用新案管理人の選任並びに商標権に係る後期分割登録料及び割増登録料が追加されました。

令和元年に公布された特許法等の一部を改正する法律(令和元年法律第3号。以下「令和元年改正法」という。)により、優先権の主張を伴うことができる意匠登録出願をすべき期間を徒過したことについて「正当な理由」があり、優先権の回復期間であれば優先権の回復が認められることになりました。

なお、令和5年に施行された特許法等の一部を改正する法律(令和3年法律第42号。以下「令和3年改正法」という。)により、期間徒過後の救済規定に係る回復要件が「正当な理由があること」から「故意によるものでないこと(以下、「故意でない基準」という。)」に緩和されました。

「故意でない基準」による期間徒過後の救済は、令和5年4月1日以降に期間徒過をした手続が対象です。

2. 救済制度の概要

(1) 救済を求める手続の流れ

  • 所定の期間内に手続をすることができなかった出願人等であって、当該手続について救済規定の適用を受けようとする者は、救済手続期間内に、所定の期間内に行うことができなかった手続に係る書面及び手続をすることができなかった理由等を記載した回復理由書を提出してください。
  • 優先権の主張を伴うことができる出願を優先期間内にできなかった出願人等であって、優先権の回復をしようとする者は、優先権の回復期間内に遅れた出願及び優先権の主張をするとともに、優先権主張を伴う出願をすべき期間内に出願することができなかった理由等を記載した回復理由書を提出してください。
  • 特許庁長官は、救済手続期間内に行われた対象手続を救済するか否かについて、提出された回復理由書の記載及びそれに添付された証拠書類に基づき判断します(優先権の回復の場合の判断も同様です。)。
  • 救済が認められる場合は、期間徒過後の手続は許容され、出願人等に対しその旨の通知が送付されます。救済が認められない場合は、期間徒過後に行われた手続は却下されます。

(2) 回復理由書に記載すべき事項

  • 出願人等は、所定の期間内に手続又は優先権主張を伴う出願をすることができなかった理由が「正当な理由」に該当すると考える理由、「手続又は出願をすることができなかった理由がなくなった日」及びその根拠を、回復理由書において具体的かつ十分に記載してください。

(3) 回復理由書に添付すべき証拠書類

  • 救済規定の適用を受けようとする出願人等は、回復理由書に記載した事項を裏付ける証拠書類を添付してください。

(4) 救済されるための要件

  • ア.正当な理由があること
    手続又は優先権主張を伴う出願をするために出願人等が講じていた措置が、状況に応じて必要とされるしかるべき措置であったといえる場合、それにもかかわらず、何らかの理由により期間徒過に至ったとき、所定の期間内に手続又は優先権主張を伴う出願をすることができなかったことについて「正当な理由」があるものと判断されます。
  • イ.【救済に係る手続の場合】
    期間内にすることができなかった手続を救済手続期間内にすること
    出願人等は、所定の期間内にすることができなかった手続を、救済手続期間以内にすることが求められます。救済手続期間の起算日である「手続をすることができなかった理由がなくなった日」は、回復理由書の中で明確に記載してください。

    救済手続期間に関する概念図
    期間に関する概念図
  • 【優先権の回復の場合】
    出願及び優先権の主張を優先権の回復期間内にすること
    優先権の回復については、優先権の回復期間内に遅れた出願をし、かつ 優先権の主張も行わなければなりません。優先権の回復期間は、救済手続期間と異なり、「出願をすることができなかった理由がなくなった日」が起算日ではありませんので、留意が必要です。
  • 【特許権、実用新案権、意匠権、商標権の回復の場合】
    特許権、実用新案権、意匠権、商標権の回復については、回復の認否の結果が出るまでの間に、後続の納付年分の納付期限が到来する場合があります。回復が認められることを前提に納付をしないと、割増登録料が必要になったり、回復と同時に権利が消滅してしまうため、納付忘れに注意が必要です(当庁から納付期限のお知らせ等は行いません。)。
    注意事項の詳細は、「回復理由書を提出された後の注意事項について(お知らせ)」(PDF:119KB) をご確認ください。

3. 「期間徒過後の救済規定に係るガイドライン」について

(1) ガイドラインの公表

特許庁では、平成23年改正法による改正を受け、救済要件の内容、救済に係る判断の指針及び救済規定の適用を受けるために必要な手続を例示した「期間徒過後の手続に関する救済規定に係るガイドライン」及び想定される質問をまとめた「期間徒過後の手続に関する救済規定に係るガイドラインについてのQ&A」を作成し、平成23年3月に公表しました。
その後、平成26年改正法の施行に伴う救済対象の拡充に対応するための改訂を行い(タイトルを「期間徒過後の救済規定に係るガイドライン」に変更)平成27年3月に公表し、平成27年改正法の施行に伴う救済対象の拡充に対応するとともに、出願人等の予見可能性の向上を図るための改訂を行い、平成28年3月に公表しました。また、省令改正等に伴い、形式的な整備を目的としたガイドラインの改訂を行い、令和元年6月に公表しました。さらに、令和元年改正法の施行に伴う救済対象の拡充に対応するための改訂を行い、令和3年4月に公表しました。

(2) ガイドラインの適用対象

「期間徒過後の救済規定に係るガイドライン」は、平成23年改正後の特許法、実用新案法、意匠法又は商標法において導入された「正当な理由」による期間徒過後の救済(外国語書面出願及び外国語特許出願の翻訳文の提出並びに特許料及び割増特許料の追納等)並びに平成26年改正後の特許法又は実用新案法において導入された「正当な理由による」期間徒過後の救済(出願審査の請求)及び優先権を主張することができる期間を徒過した後の出願についての優先権主張の救済並びに平成27年改正後の特許法又は実用新案法において導入された「正当な理由による」期間徒過後の救済(在外者の特許管理人の選任又は実用新案管理人の選任)及び商標法において導入された「正当な理由による」期間徒過後の救済(後期分割登録料及び割増登録料)並びに令和元年改正後の意匠法において導入された「正当な理由」による優先権を主張することができる期間を徒過した後の出願についての優先権主張の救済に関する規定を対象にしています。出願人等の責めに帰することができない理由により期間を徒過した場合の救済規定には、このガイドラインは適用されませんのでご注意ください。

(3) ガイドライン【英訳版】の公表

なお、英訳の作成に当たっては、できる限り正確な訳出を試みましたが、日本語と英語の間の微妙なニュアンスの差や予期し難い誤りなどが全くないことを保証するものではありません。したがいまして、この英訳は、あくまで参考資料としてお使いください。期間徒過後の救済規定に係るガイドライン(令和3年4月26日改訂版)の解釈については、必ずガイドラインの原文(日本語)を参照するようにしてください。

ガイドライン、Q&A等、詳細については、以下のページをご覧ください。

[更新日 2025年4月1日]

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