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知財活用企業紹介
では、IPランドスケープを活用する際にどのような注意点が必要なのでしょうか?
「パテントマップは過去のデータ。それに比べてIPランドスケープは、今後のシナリオ。これからの知財部員にはこのシナリオ力が必要」と地曵氏。経営陣に刺さる情報を提供するためには、もちろん内容自体が重要ですが、より大切なのが、「勇気・度胸・割り切り」であるとも指摘します。
「競合が今後どのような技術開発をするのかは、知財人財だったら当然予測できます。ところが、知財部員はその予測が外れたときのリスクを恐れ、情報を経営陣に上げることができない場合も。ですので、我々は天気予報のように確率何パーセントと表現し、勇気を持って情報を提供します。受け取った経営側がその情報をどう感じ取り、どう判断するのかが重要なのです」(地曵氏)。
「IPランドスケープによって、自社の進むべき道を指し示す“水先案内人”機能により先見力を発揮する体制を目指す。当社の差別化ポイントを指し示し、それらを権利化し、差別化の「証」である知財権の価値をセールストークや消費者コミュニケーションへ活用し、顧客に伝えることが今後より徹底していくことだ」と話す地曳氏。「結局は、知財が持つ本質的な機能を使い倒すことが重要だ」とも。
この流れがしっかりとできれば、商品提案力が上がり、貝印商品を魅力的に思ってもらえるはずと考えるからです。
さらに骨太なブランド戦略をするべく、商標の整理や、ネーミング開発においても知財の観点から提言をするなど新たな展開を進めています。同社グループ全体の今年度の目標として掲げる、「知財により裏付けられた高付加価値商品・技術」を繰り出し続けることができる体制の確立」は着々と整っているといえるでしょう。
2019年9月25日
記事を読む2019年9月18日
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