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もう1つ注目していただきたいのが、99年以前にNECが上位にランクインしている点です。これは【図4】に示すようにゲーム機は様々な要素技術から構成されており、各社のゲーム機には販売当時における先端技術を搭載していたからだと考えられます。
NECグループは87年にハドソンと共同開発でPCエンジンを販売し、さらに88年には世界初の家庭用CDーROMゲーム機を市場投入しました。
他にはモデムを内蔵することでインターネット接続を可能にしたセガのドリームキャスト。
ゲームソフト供給メディアとしてDVDーROMを採用したSIEのプレイステーション 2は、市販のDVDビデオを視聴可能としたことで、DVDプレイヤーの普及につながりましたし、プレイステーション 3ではブルーレイディスクへの対応と、時代の最先端技術が惜しみなく投入されているのが、ゲーム機の特徴です。これは、現在のIT環境の進化と符合しています。
それでは、最近のゲーム機における技術トレンドはどのようになっているのでしょうか?
【図5】にはゲーム関連特許と最近注目されている各種先端技術の関係性について示しました。
00年以降のゲーム機関連で出願件数が多いのは、ナイアンティックのポケモン GOに代表されるAR・VR・MRです。そのほかに、まだ出願規模は大きくありませんが人工知能やヘルスケア、ウェアラブル、ブレインテックとゲーム機の融合についても出願が増加しており、今後、この分野で新たなゲームやサービスが登場してくると予想できます。
例えば、ヘルスケア分野では、ゲームの要素を取り入れた予防医療や健康増進に関するビジネスが増えてきています。今後は、こどもや高齢者だけでなく忙しいビジネスパーソン向けにもビジネスが拡大し、製薬企業・医療機器メーカーだけでなく、病院などでもゲームを活用する事例が増えるのではないでしょうか。
ウェアラブルについても各種デバイスが登場していますが、触覚に関する技術を持つイマージョンのようなハプティクスデバイス企業がゲームに用いられるウェアラブルデバイスを発表しており、ゲーム企業以外の参入も見られます。
ブレインテックについては脳波を活用したゲームが見られますが、最近では高齢者の老化防止や研修などへ適用する例もあり、今後、ヘルスケアとの連携が一層進むと思われます。
2020年3月2日
記事を読む2020年3月9日
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