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みんなのギモン?
商標出願から約6か月で、最初の審査結果通知を受け取れる“新しい”ファストトラック審査が、令和2年2月1日からスタートしました。
2018年の商標出願件数は約18万4千件。これは2013年の約1.6倍です。
年々増加傾向にあるなかで特筆すべき点は、個人・中小企業による出願が増えているということでしょう。個人・中小企業による2018年の出願件数は2013年に比べて約1.8倍に増加しています。これは、ブランド戦略の重要性や商標権に関するニュースがメディアに取り上げられるようになったり、様々な普及活動が行われたりした結果として、個人や中小企業の方々の商標に対する意識が高まってきたことが要因のひとつとして考えられます。
その一方で、近年の商標出願件数増加の影響により、最初の審査結果通知までの期間(FA期間)及び権利化までの期間(TP期間)が延びる傾向にあります。
2013年度のFA期間の平均は4.3か月であったのに対して、現在は、通常12か月程度かかる見込みと3倍弱の時間を要するようになっています。
そのため、企業にとって、商標権の取得が遅れるのみならず、いつ審査されるのかの予測が難しく、事業計画が立てにくいなどの問題が発生しました。
そこで、そうした問題を解消するため、審査期間を大幅に短縮できる"新しい"「ファストトラック審査」がスタートしました。詳しくご紹介いたします。
従来のファストトラック審査は、「通常の審査より審査期間が2か月程度短縮される」というものであったため、通常審査の進捗状況に影響を受けることになり、いつ審査の結果が通知されるかが曖昧でした。
しかし、新しいファストトラック審査では、出願から約6か月で最初の審査結果通知を行うことを明示したため、審査期間が明確になりました。
基本的な要件は簡単で、出願時に指定する商品・役務を「類似商品・役務審査基準」等のリストに掲載された商品・役務から選んで記載するだけ。特別な申請手続きや追加の手数料は不要です。
なお、出願時の願書の商品・役務の記載内容に基づいて判断するため、出願後にファストトラック審査の対象となる商品・役務に補正を行ったとしても、ファストトラック審査の対象とはなりません。
具体的な手順などについては、特許庁のホームページ「ファストトラック審査」をご覧ください。
権利範囲としたい商品・役務がリストになければ、ファストトラック審査の対象にはなりませんが、その場合は自らが適切と考える表記にしてください。
ただし、「早期審査」を活用できる場合もありますので、一度チェックしてみるといいでしょう。「早期審査」と「ファストトラック審査」の認定要件は異なりますので、特許庁のホームページ「商標早期審査・早期審理の概要」にてご確認ください。
ファストトラック審査のポイントは2つ
2020年3月2日
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