ふくしまイノベーション「企業ファイル」
2024年1月、特許庁は福島県及び公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構と、知的財産の保護及び活用に関する連携協定を締結しました。知財で福島の新しい時代を切り開く企業やプロジェクトを紹介します。
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ふくしまイノベーション「企業ファイル」
2024年1月、特許庁は福島県及び公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構と、知的財産の保護及び活用に関する連携協定を締結しました。知財で福島の新しい時代を切り開く企業やプロジェクトを紹介します。
FILE #7
古川プラスチック
「当社は1979年の創業以来、プラスチック製品の射出成形加工に携わってきました。老朽化した設備の更新に迫られる中、思い切って申請した中小企業庁の『ものづくり補助金』で平成28年度と30年度に採択を受け、射出成形機を油圧式からハイブリッド(油圧と電動)式に新しくすることができました」(古川社長)
旧来の油圧式では難しかった薄物や小型などの成形が可能となり、事業の幅が拡大。そして、他社から受注した製品を製造するだけでなく、以前からやってみたかった、自社で一から考えたオリジナル製品の製造に挑戦。福島の伝統工芸品「赤べこ」をモチーフとしたプラモデル「べこぷら」を開発しました。
「高価な伝統工芸品を安価に提供し、『伝統工芸品に身近に触れ、ものづくりの楽しさに触れてほしい』と考えたのです。製品化にあたり、高額な金型製作費用には、会津若松市の『チャレンジ企業補助金』を活用させていただきました」
「べこぷら」は、2024年9月の発売直後から多くのメディアに取り上げられて全国から問合せが殺到。しかし、その人気は転売問題を引き起こしました。
「定価の10倍ほどの高値で転売サイトに掲載され、当社が『不当に利益を得ているのでは』という風評被害を受けました。また、模倣品の出現も危惧される状況でした」
そこで商工会やINPIT福島県知財総合支援窓口に相談し、「べこぷら」の商標権取得を決断。早期審査制度を利用し、販売開始から約3か月後の2025年1月に商標登録(登録第6883791号)を完了できました。
「商標権取得によるメリットは非常に大きく、商標登録していることをアピールすることでお客様や販売店からの信頼度が向上しました。また、模倣品の出現も未然に防ぐことができました。商標権は、私たちの製品を守る盾となったのです」
「べこぷら」を介して人々をつなぐという当初の考えから開催した、購入者が思い思いに仕上げた「べこぷら」を募集した「べこぷらコンテスト」も大盛況。2025年6月には、第二弾として「べこちる※」の販売もスタートしました。
「今後も会津の観光振興に貢献できるよう、地域の販売店様と協力しながら、福島の伝統とものづくりを未来につなげるお手伝いをしていきたいです」

「べこぷら」は会津の伝統工芸品「赤べこ」をモチーフにしたプラモデル。自由に色を塗って自分だけのオリジナル赤べこが作れる

ヒノキ材を55%使用し、石油由来資源を半分以上削減した製品

素材に蓄光材を練り込み、光を吸収して光る製品も

様々な射出成形機が並ぶ社屋
社会課題の解決に貢献する素材を使用
「べこぷら」は、環境意識を育んでほしいという思いから、ペットボトルのリサイクル材を素材に使用。さらに、セカンドシリーズ「べこちる」では、福島県内の木材業者から出る廃材木粉(ヒノキ、杉など)など地元産廃材を活かしたバイオマスプラスチック材を採用し、地域の伝統工芸品で地元の課題解決にも貢献しています。
環境に配慮した「べこぷら」(右)と「べこちる」(左)
Interview 01
ゆにもの特許
ユニバーサルデザインと知財で描く誰もが働きやすい社会
オムロン太陽株式会社
知的障がいや精神障がいのある方の雇用ニーズが高まる中、オムロン太陽が取り組む「ゆにもの」(ユニバーサルものづくり)。「ゆにもの」に関する知的財産権を無償で社会に開放するという画期的な戦略の狙いは、オムロングループ全体が目指す、誰もがいきいきと活躍できる未来社会の実現にありました。
Interview 02
中小企業こそ
知財を力に、安心を世界へ広げるデザイン革命
錦城護謨株式会社
創業89年の歴史を持つ老舗ゴムメーカーが、なぜ福祉分野へ進出したのか。視覚障がい者誘導マット「歩導くんガイドウェイ」は、デザインと技術の力で点字ブロックが抱えていた課題を解決し、令和7年度知財功労賞(デザイン経営企業)を受賞。知的財産を「攻めの武器」として活用し、社会の課題解決に挑み続ける錦城護謨の取組について、太田社長に伺いました。
人に優しい『素直』なものづくり
ユニバーサルデザインは当社商品開発の“当たり前”
株式会社レーベン
人々の困りごとを解決するために次々に新商品を生み出し、知財活用を推進するレーベンの取組を紹介します。
知財支援はINPITにおまかせ!
株式会社アジェンダ
「INPIT知財総合支援窓口」は独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が、47都道府県に設置している地域密着型の相談窓口です。中小企業をはじめとした企業の皆さまの経営課題解決に向け、自社のアイデア、技術、デザイン、ブランドなどの“知財”の面から支援を行います。
専門家派遣でスタートアップの知財活動を支援!
2025年は、日本で専売特許条例が公布されてから140年となります。これを記念して、2015年から2025年までの10年間における印象的な出来事と、現役職員の振り返りを連載していきます。
身近なものの中にあるユニバーサルデザインと知財
身近な生活の中にある様々な製品には、誰もが使いやすいよう工夫されたユニバーサルデザインが採用されています。これらのユニバーサルデザインの工夫は、特許権や意匠権といった知的財産権によって守られ、私たちの暮らしを豊かにしています。その具体例を紹介します。
オンライン発送制度が変更になります
AI関連発明の出願状況を調査し、結果を報告しています
「知的財産スタートブック」を公開しました
ふくしまイノベーション「企業ファイル」FILE#07
古川プラスチック
2024年1月、特許庁は福島県及び公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構と、知的財産の保護及び活用に関する連携協定を締結しました。知財で福島の新しい時代を切り開く企業やプロジェクトを紹介します。
どう着ても正しく着られる、
裏表も、前後もないシャツ
HONESTIES株式会社
さまざまなカタチで暮らしに進化をもたらす知財たち。新たなアイデアによって生まれた多彩なアイテムを紹介します。