ここから本文です。
令和2年12月28日
特許庁
新型コロナウイルス感染拡大防止・予防のための新しい生活様式への移行、今後急速に発展するデジタル社会への対応、行政手続の更なる利便性向上を目的として、経済産業省特許庁では、令和2年7月17日に閣議決定された「規制改革実施計画」に基づき、これまで法令等により国民や事業者等に対して押印を求めていた手続についての見直しの検討を行ってきました。検討結果を踏まえ、本日、特許庁関連の手続を規定する特許法施行規則等を含む「押印を求める手続の見直し等のための経済産業省関係省令の一部を改正する省令」が公布・施行され、本日以降に特許庁に提出する書面において、一部の手続を除き、押印が不要となりましたのでお知らせします。
約800種の特許庁に対する申請手続(押印を求めているもの)について、押印の要否について見直し、以下の整理を行いました。
手続名 | 手続内容・改正内容 | 根拠法令 |
---|---|---|
出願人名義変更届(4種) | 特許等を受ける権利の移転 申請書の押印廃止、譲渡人の証明書の押印存続 |
特許法施行規則、実用新案法施行規則、意匠法施行規則、商標法施行規則 |
氏名(名称)変更届(2種) 住所(居所)変更届(2種) |
特許権等を受ける権利者の氏名・住所変更届 申請書の名義人の押印存続 |
工業所有権に関する手続等の特例に関する法律施行規則、工業所有権の手数料等を現金により納付する場合における手続に関する省令 |
手続名 | 手続内容・改正内容 | 根拠法令 |
---|---|---|
一般承継による特許権等の移転登録申請(4種) | 特許権等の一般承継(相続、合併、会社分割)による権利移転登録申請 利害関係者の承諾が必要な手続のみ押印存続 |
特許登録令・登録令施行規則、実用新案登録令・登録令施行規則、意匠登録令・登録令施行規則、商標登録令・登録令施行規則 |
特定承継による特許権等の移転登録申請(4種) | 特許権等の特定承継(譲渡)による権利移転登録申請 証明書(譲渡証書)について譲渡人のみ押印存続(申請書の押印不要) |
|
登録名義人表示変更登録申請(4種) | 登録名義人の氏名・住所変更の申請、名義人の押印存続 | |
質権設定登録申請(4種) | 特許権に関する質権設定の登録申請 質権設定者の押印存続 |
|
専用実施(使用)権設定登録申請(4種) | 専用実施(使用)権設定の登録申請 専用実施(使用)権設定者の押印存続 |
|
仮専用実施権登録申請(1種) | 特許を受ける権利に関する仮専用実施権の登録申請 実施権設定者の押印存続 |
特許登録令・登録令施行規則 |
通常使用権登録申請(1種) | 商標権に係る通常使用権の登録申請 実施権設定者の押印存続 |
商標登録令・登録令施行規則 |
商標権分割申請登録(1種) | 商標権の分割の登録申請 権利者の押印存続 |
商標登録令・登録令施行規則 |
商標権分割移転登録申請(1種) | 商標権の分割移転の登録申請 譲渡人の押印存続 |
商標登録令・登録令施行規則 |
実用新案権抹消登録申請(1種) | 実用新案登録に基づく特許出願をした場合における実用新案権の抹消登録 申請人(権利放棄を行う者)の押印存続 |
実用新案登録令・登録令施行規則 |
新規に印鑑を用いる場合 | 既に特許庁に届け出た印鑑が存在する場合 | |
---|---|---|
個人 | 実印+印鑑証明書 | 令和3年末までは、届出印での手続が可能ですが、令和4年1月1日以降は、求められた場合に印鑑証明書が提出できない印鑑の使用ができません。 |
法人 | 1. 実印+印鑑証明書 又は |
|
2. 実印により証明可能な法人の代表者印(※)+実印+印鑑証明書 |
なお、特許庁ウェブサイト内において、上記省令改正により押印が不要になった手続に係る書類に、押印又は識別ラベルの貼付が必要である旨又は押印があることを前提とした説明・記載を含む各種記事が掲載されているものがありますが、これらの記載は順次改訂させていただきます。
※PCT国際出願関連書類については、国内出願関係手続と取り扱いが異なる場合がありますので、個別にお問い合わせください。
A1-1. (2) 押印を存続する手続 に掲載の33種の手続を除き、押印(外国人の場合は署名)が不要となりました。なお、特許法施行規則等の省令に定めのない手続書面(上申書等)についても押印は不要となっております。
A1-2. 掲載はありません。特許庁ホームページでは押印が存続する手続のみ列記((2)押印を存続する手続 を参照)しており、列記されていない手続については押印廃止とご理解ください。
A1-3. 令和2年12月28日の施行日後当分の間は旧様式又は旧書式での手続も認められます。旧様式又は旧書式による手続書面に対しては、旧様式又は旧書式であることを理由にして補正が命じられることはありません。
A1-4. 補正が命じられた内容に従って応答の手続を行う必要があります。なお、(施行日後押印不要となる手続については)本人が手続したこと、作成したものに相違ない旨の「上申書」等を「手続補正書」に代えて提出する応答方法でも認めることといたします。
A1-5. 特許権等の移転登録に関する手続(特許登録令等)については、今回の改正の対象には含まれておりません。押印廃止とするためには特許登録令等の改正が必要となるため、令和2年12月28日の施行日以降についても引き続き、申請書、譲渡証書、承諾書及び同意書等への押印が必要となります。
なお、特許登録令等の改正については、5月頃を予定しております。
A1-6. 審判関係の各種手続書面(審判請求書、異議申立書、訂正請求書、訂正の承諾書、委任状など)についても、押印廃止となります。なお、審判事件であっても、((2) 押印を存続する手続 に掲載の33種の手続については、押印が必要です。
A1-7. 令和3年末までは、届出印での手続が可能ですが、令和4年1月1日以降は、実印での手続が必要です。特許庁で実印と確認できないことにより、求められた場合に印鑑証明書が提出できない印鑑の使用ができません。したがって、届け出の印が印鑑証明書により確認できるものであれば、令和4年1月1日以降も使用可能です。
A1-8. 一度、印鑑証明書により本人の印であることが確認された印を使用する場合は、実印(法人の場合は登記所に登録済みの印鑑、個人の場合は市区町村に登録済みの印鑑)に変更がない限り、都度の印鑑証明書の提出は不要です。
A1-9. 令和3年末までは届出の印を使用することができますが、令和4年1月1日以降は実印を使用していただく必要がありますので、押印を存続する手続には実印を用い、実印の印鑑証明書を添付して手続してください。
A1-10. 法人の場合、経過措置以後は登記されている法人の代表者印、または実印により証明可能な法人の代表者印を使用していただく必要がありますので、届け出された印鑑と登記された印鑑が相違する場合は、譲渡証書等には法人登記された印鑑を押印し、印鑑証明書を添付して手続きしてください。
A1-11. 譲渡証書等には、実印の押印が必要となりますので、市区町村等で印鑑登録を行ったうえ、印鑑登録した印鑑を使用して、印鑑証明書を添付して手続してください。
A1-12. 押印が不要となった証明書類について、原本の提出が必要であることについては以前と変更はございませんので、これまでどおり、証明書類について原本の提出が必要です。
A2-1.
A2-2. 令和2年12月28日の施行日後に提出する委任状について、委任者の記名は引き続き必要ですが、外国人(外国に住む日本人を含む)の場合、署名は不要となりました。
ただし、特許権等の移転登録に関する手続(特許登録令等)で提出する委任状には、引き続き外国人の場合は署名が必要となります。
A2-3. 令和2年12月28日の施行日後に提出する委任状に委任者の押印は不要となりましたので、手続補正書で提出する委任状に押印は要しません。
ただし、特許権等の移転登録に関する手続(特許登録令等)の手続補正書で提出する委任状には、引き続き押印が必要となります。
A2-4. 委任状は、委任者と受任者の間の合意の下、作成されるべきものであり、かつ、代理人が自己の責任において提出することになるため、特許庁は、これを真正な委任状として受理することになります。
A2-5. 代理人が提出する委任状は、委任者と受任者の間で合意し、作成されたものとして、疑義がない限り、真正な委任状として取り扱います。
A3-1. 出願人名義変更届に必要な証明書類には、全て押印が必要です(委任状、履歴事項全部証明書等官公庁が作成したものを除く)。具体的には、譲渡証書、持分証明書、会社分割承継証明書、同意書等があります。
A3-2. 令和2年12月28日の省令改正により、出願人名義変更届を譲渡人のみで手続した場合であっても、譲渡証書には譲渡人の印のみが必要(譲受人の押印は不要)となりました。ただし、譲渡人のみで届け出る場合は、【手数料の表示】の欄の次に【その他】の欄を設けて「譲渡人の手続である。」のように記載します。
A3-3.手続前3月以内に取得した印鑑証明書を提出してください。
A3-4. 特許を受ける権利の承継等に伴う証明に必要な印鑑になりますので、実印、または実印により証明可能な法人の代表者印を使用してください。
A4-1. (2) 押印を存続する手続 に記載の手続は「外国人(外国に住む日本人を含む)」の場合署名が必要ですが、それを除いた手続は、署名は不要です。
A.4-2. 外国に住む日本人は、印鑑証明書を取得することができないため署名が認められます。
[更新日 2021年4月9日]